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袖すり合うと……side洸太 28(完)
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「もうなんか……なんていうか……うん。なんか運が悪かったってことで忘れましょう!」
突然開き直ったようなことを言う僕に、優真さんが訝し気な視線を向けてくる。
「……それでいいのぉ~。俺、今でもぶっ殺してやりたいくらいにはアイツ嫌いなんだけど~~」
「いいんですよ。話を聞いてもなんで僕にそこまで執着したか意味わかんないですし。もう忘れましょう!」
だって、本当によくわからん。僕のどこが奴の心を掴んだか、さっぱりわかんないし。
そんなに執着されるほど奴と話した記憶もない。
ということは、奴は自分が好き勝手出来そうな、有体に言えば自分より弱い獲物をみつけて嬲りたい奴なんだろう。
それで、今回運悪く奴のお眼鏡にかなってしまったのが僕ってだけ……なんだろう。
だったら……。
空から落ちてきた鳥の糞にあたったようなものだ。
いや、ちょっと嫌度がこっちの方が高いけど。
だけど……。
そんなある意味不条理なことが、優真さんをいつまでも傷つけるのは……正直言って許しがたい。
だから……。
「うん。もう忘れましょう。犬のウンコ踏んだくらいのことですよ。
そんなことに囚われるくらいなら……今度のデート先でも考えた方が健全で幸せじゃないですか?!」
「……そかなぁ~~?」
「そうですよっ! 今度はどこに行きましょうか? 優真さんがやってみたいこととか、行きたいところに行きましょう?
何がしたいですか? 何か希望、ありますか?」
ニコニコとしてそう問いただせば、ぽかんとしていた優真さんも……破顔した。
「そだね~~。確かに~。頭のオカシイ奴のこと考えてるなら、こぉたにエロい下着を着てもらう方が建設的だよねぇ~」
「そうで……ん?」
勢いで頷いた後、何を言われたかを理解して思わず優真さんの顔を見上げる。
そこには先ほどまで浮かべていた悲壮な表情を消し去って、いたずらにニヤニヤと笑う優真さんの顔があった。
「おやぁ~? こぉたもエロい下着興味あったんだぁ~。せっかくだから一緒に選ぼ? ほらほらぁ~」
するっと椅子を動かして、さっきまで配信に使ってたモニタに向き合う。
くるくると優真さんの手が動いて……気づけば、さっきまでネコミミ美少女『くーにゃん』がゆらゆら揺れていた画面いっぱいに卑猥な下着の数々が映っていた。
「ひえぇぇ~」
思わず手で顔を覆ってしまうが、指の隙間からばっちり見ていることはバレてるんだろう。
「ほらぁ~この辺りとかどぉ~~?」
「いやそれ紐ですよね?! 下着として成してないですよね?!」
臀部を支える僅かな紐しかない下着、ていうかそれ紐だよね? にカーソルを合わせる優真さんの手を慌てて引き留める。
「それがいいんじゃ~ん。こぉたの可愛いお尻にリボンかけてあるみたいでさぁ~」
「いやっ! て僕が着る?! 着るの僕?!」
そだよぉ~ってからりと笑う優真さんに、さっきまでの傷ついた表情はない。
「なぁに~? 俺にエッチな下着、着て欲しいの~? もぉ~こぉたのエッチぃ~~」
「僕?! 僕がエッチ?! なの?! いやでも……こっちの下着着た優真さん、ちょっと見てみたい……かも?」
「お? こぉたも賛成してくれたことだしぃ~。これとぉ~。こっち~。俺にはコレ?」
怒涛の勢いに思わずコクンと頷いてしまう。
「お? せっかくだから、リアルこぉたクンにもネコミミ着けちゃおうかなぁ~」
「はぁ?! 僕にネコミミ着けても可愛くありませんよ?!」
なんだかとんでもない事言い出したぞ?!
「え~? だっていつもこぉた、俺に抱かれてにゃんにゃん鳴いてるじゃん~~」
だからきっと……似合うよぉ~? そう耳元で囁かれて……ネコミミと、ついでに尻尾のついた下着をポチッてしまう位には、僕もすっかり毒されているのだった。
で、まぁ結局のところ。
届いた下着でアレコレして、(体力的に)酷い目にあって。
いや、感情とかそっち的には別に……良かったけど……。
いやいやそうじゃなくて。
僕は優真さんといられて……幸せだ。
「ねぇねぇこぉた~? 今度はこっちの履いてみて~。ジョックストラップの新しいやつ~~」
「……は? へ? これもう何も隠れてないですよね?! 下着としての意味は?!」
「あるよぉ~。こぉたが履いてるってだけで、俺が滾るって重要な意味が~~」
「……はぁ……わかりましたよ」
「なんだかんだ履いてくれるこぉたが好きぃ~~」
「はいはい。僕も……大好きですよ。優真さん」
「もぉぉぉ~! 突然デレるのやめてぇ~! 破壊力~~」
「ちょ!? まだ着てない?! どころか脱いでもいないんですが?!」
「そのままでいただきま~す!」
「もぉ! って、あっ……ちょ……うぁ……んんぅ……」
うん、幸せだ。
突然開き直ったようなことを言う僕に、優真さんが訝し気な視線を向けてくる。
「……それでいいのぉ~。俺、今でもぶっ殺してやりたいくらいにはアイツ嫌いなんだけど~~」
「いいんですよ。話を聞いてもなんで僕にそこまで執着したか意味わかんないですし。もう忘れましょう!」
だって、本当によくわからん。僕のどこが奴の心を掴んだか、さっぱりわかんないし。
そんなに執着されるほど奴と話した記憶もない。
ということは、奴は自分が好き勝手出来そうな、有体に言えば自分より弱い獲物をみつけて嬲りたい奴なんだろう。
それで、今回運悪く奴のお眼鏡にかなってしまったのが僕ってだけ……なんだろう。
だったら……。
空から落ちてきた鳥の糞にあたったようなものだ。
いや、ちょっと嫌度がこっちの方が高いけど。
だけど……。
そんなある意味不条理なことが、優真さんをいつまでも傷つけるのは……正直言って許しがたい。
だから……。
「うん。もう忘れましょう。犬のウンコ踏んだくらいのことですよ。
そんなことに囚われるくらいなら……今度のデート先でも考えた方が健全で幸せじゃないですか?!」
「……そかなぁ~~?」
「そうですよっ! 今度はどこに行きましょうか? 優真さんがやってみたいこととか、行きたいところに行きましょう?
何がしたいですか? 何か希望、ありますか?」
ニコニコとしてそう問いただせば、ぽかんとしていた優真さんも……破顔した。
「そだね~~。確かに~。頭のオカシイ奴のこと考えてるなら、こぉたにエロい下着を着てもらう方が建設的だよねぇ~」
「そうで……ん?」
勢いで頷いた後、何を言われたかを理解して思わず優真さんの顔を見上げる。
そこには先ほどまで浮かべていた悲壮な表情を消し去って、いたずらにニヤニヤと笑う優真さんの顔があった。
「おやぁ~? こぉたもエロい下着興味あったんだぁ~。せっかくだから一緒に選ぼ? ほらほらぁ~」
するっと椅子を動かして、さっきまで配信に使ってたモニタに向き合う。
くるくると優真さんの手が動いて……気づけば、さっきまでネコミミ美少女『くーにゃん』がゆらゆら揺れていた画面いっぱいに卑猥な下着の数々が映っていた。
「ひえぇぇ~」
思わず手で顔を覆ってしまうが、指の隙間からばっちり見ていることはバレてるんだろう。
「ほらぁ~この辺りとかどぉ~~?」
「いやそれ紐ですよね?! 下着として成してないですよね?!」
臀部を支える僅かな紐しかない下着、ていうかそれ紐だよね? にカーソルを合わせる優真さんの手を慌てて引き留める。
「それがいいんじゃ~ん。こぉたの可愛いお尻にリボンかけてあるみたいでさぁ~」
「いやっ! て僕が着る?! 着るの僕?!」
そだよぉ~ってからりと笑う優真さんに、さっきまでの傷ついた表情はない。
「なぁに~? 俺にエッチな下着、着て欲しいの~? もぉ~こぉたのエッチぃ~~」
「僕?! 僕がエッチ?! なの?! いやでも……こっちの下着着た優真さん、ちょっと見てみたい……かも?」
「お? こぉたも賛成してくれたことだしぃ~。これとぉ~。こっち~。俺にはコレ?」
怒涛の勢いに思わずコクンと頷いてしまう。
「お? せっかくだから、リアルこぉたクンにもネコミミ着けちゃおうかなぁ~」
「はぁ?! 僕にネコミミ着けても可愛くありませんよ?!」
なんだかとんでもない事言い出したぞ?!
「え~? だっていつもこぉた、俺に抱かれてにゃんにゃん鳴いてるじゃん~~」
だからきっと……似合うよぉ~? そう耳元で囁かれて……ネコミミと、ついでに尻尾のついた下着をポチッてしまう位には、僕もすっかり毒されているのだった。
で、まぁ結局のところ。
届いた下着でアレコレして、(体力的に)酷い目にあって。
いや、感情とかそっち的には別に……良かったけど……。
いやいやそうじゃなくて。
僕は優真さんといられて……幸せだ。
「ねぇねぇこぉた~? 今度はこっちの履いてみて~。ジョックストラップの新しいやつ~~」
「……は? へ? これもう何も隠れてないですよね?! 下着としての意味は?!」
「あるよぉ~。こぉたが履いてるってだけで、俺が滾るって重要な意味が~~」
「……はぁ……わかりましたよ」
「なんだかんだ履いてくれるこぉたが好きぃ~~」
「はいはい。僕も……大好きですよ。優真さん」
「もぉぉぉ~! 突然デレるのやめてぇ~! 破壊力~~」
「ちょ!? まだ着てない?! どころか脱いでもいないんですが?!」
「そのままでいただきま~す!」
「もぉ! って、あっ……ちょ……うぁ……んんぅ……」
うん、幸せだ。
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