袖すり合えば……恋が始まる

ニノハラ リョウ

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袖すり合うと……side洸太 14

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注)軽い性的描写が入ります。


 
 「んやぁ……だか……だからてんか……っ! てんかいはやいんだよ……くぅ!」

 返事をした次の瞬間、がばりと抱き着いてきた優真さんに薄っぺらい布団に押し倒された。
 安物のペラペラ布団が後頭部への衝撃を守ってくれるはずもなく、僕は盛大に後頭部を打ち付けた。
 顔を顰める僕の頭を撫でながら、どんどんと僕の着衣を引っぺがしていく。ってまたこのパターンかっ!

「いいじゃん~。リョウオモイの二人がすることって言ったら一つだけだよ~」

「そんなわけぇ……っ!? あるかぁぁぁ!!」
 
 それでも本気で振りほどきたい訳じゃなくて。
 それを理解わかっているのか、無遠慮に僕の首筋に舌を這わして、時折強く吸い付いて。
 器用に動く手が僕の身体を這いまわって、一つ一つ快楽のツボを暴いていく。

 先日散々翻弄されて教え込まれた僕の身体は、素直に悦を拾って、もうどうしようもない。

「だかっ……っう……もうっ……!!」

「もういいのぉ~? まぁ、今日は土曜日、明日は日曜日~。時間はたぁっぷりあるから、ね~~?」

 楽しもう?

 そう言って心底嬉しそうに優真さんが笑うから。

 僕は素直に、優真さんが与えてくれる快楽へと耽溺していった。




「だーかーらー!! ヤり過ぎなんだよっ!」

 こっちは初心者なんだよっ!
 
「ごめぇ~ん」

「ちっとも悪いって思ってないじゃないかっ!」

 ポチャリと水滴がシャワーヘッドから滴る。
 優真さんの部屋にあるやつの半分にも満たない風呂で、何故か僕らは二人仲良く湯船につかっていた。ていうか、狭い。
 優真さん背も高いし手足も長いからな。
 狭い風呂で密着してると、まるで絡み付かれているような錯覚を覚える。
 
「そういうけどさぁ~。こぉたが悪いんだよ? あんなに素直に反応されちゃあさぁ~~」

 こっちだって滾るよね?

 そう言って僕の耳に吸い付く優真さんはとても、とってもゴキゲンだ。
 あの後、どうやら両想いになって、正式にオツキアイというものを始めることになって。

「イチャラヴ両想いエッチだね~~」なんて宣う優真さんがとても、とても楽しそうにアレヤコレヤとしてきて。
 もちろんそんな優真さんが一度で終わる訳もなくて。

 ていうか、なんであの人ゴム持ってんだ? 常に持ち歩いてるのか? ……ありそう。

「ん? こぉた? なに? どうかした~~?」

 思わずジト目で見てしまった僕を、悪気のなさそうなきょとん顔で見返す優真さんは、洗いざらしの髪を後ろに流してて、いつもとは違う方向のイケメンだ。

「……なんで、ゴムなんて持ってたんですか?」

 しかも大量に。
 と僕が訊ねると、一瞬ポカンとした顔をして……ニヤリと邪悪に微笑んだ。

「そんなの……こぉたを快楽堕ちさせて、そのまま持ち帰って監禁する為に決まってんじゃん~」

「ひえっ!?」

「まぁ、半分は達成されたしぃ~」

 ニヤニヤとしたままそう宣う優真さんに、僕はなんのこっちゃ? と首を傾げた。
 そしたら……。

「だってもうしてるデショ?」

 快楽堕ち……と耳元で囁かれて、とっさに否定も肯定もできなかった。そう、否定も……。
 
 僕はなんだか恥ずかしくなって、膝下までしかない水面に顔を埋めた。
 後ろでは鼻歌でも歌い出しそう、いやもう歌ってるなこれ。
 ……そう言えば鼻血は大丈夫だったんだろうか?

「ゆうまさ……んぅっ?!」

 鼻の様子を窺おうと振り向いた瞬間、口を塞がれた。
 舌と舌の絡み合う淫靡な水音が、風呂場の壁に反響して二重にも三重にも木霊する。

「ふぁっ……」

 湯に浸かってた腰を掴まれて、優真さんの身体を跨ぐように抱きしめられる。
 湯の温度よりも熱い塊が、僕の太腿を物欲しげにつついてきて。

「こぉた……もっかいシよ?」

 耳まで赤くしてテレて、ホントかぁわぃぃ。

 熱い吐息と共にそう囁かれる。

 だけど……濡れた前髪をかき上げて、うっとりとしたいろをその瞳に乗せて微笑むこの人が、結局僕も好きなんだろう。

 だから僕はこくりと頷いた。

 確かめなくちゃいけない事を思い出したのは、くたくたの状態で優真さんの部屋に連れ戻された後だった。
 
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