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3級商業簿記編
chapter24 「費用・収益の見越し・繰り延べ」って何!?
しおりを挟む「煉先輩!」
「美琴!今日もいい記録が出たみたいだな!」
「はい!今日やった問題の中に、得意な問題があったので、記録が伸びたみたいです!」
日商簿記検定が近づいてきた、ある日の部活終了後…
「そうか。良かったな!そう言えば、次の日商簿記検定、確か美琴は受検するんだったよな…」
「そうなんです!でも、ちょっとこんがらかっているところがあって…煉先輩、教えて頂けますか?」
「部活は終わっているし、この後特に用事はないから、何でも聞いてくれ!」
「ありがとうございます!!」
「実は、費用・収益の「見越し・繰り延べ」で、頭が大渋滞しているんです…」
「簿記を勉強している者が通る、日商3級の難関ポイントの一つだな…」
「戸山先生の授業では、どう習った!?」
「とりあえず…
(借方(左側))未収 / (貸方(右側))未払
(借方(左側))前払 / (貸方(右側))前受
で覚えろと言われました。理屈は後からついてくるって、おっしゃっていましたし…」
「で、美琴は「理屈」が分からないと覚えられない、と…」
「はい…丸暗記は苦手なんです…そこに意味があれば、それを手掛かりに覚えられるんですけど…って先輩、何で分かるんですか?」
「いや、以前俺に簿記のことを聞いてきたときにそんなようなことを言っていたのを思い出したもんだから…」
「先輩…」
「(先輩が私の言ったことを覚えてくれているなんて…)」
「美琴!大丈夫か!?何だか顔が赤いようだけど…」
「大丈夫です!何でもありませんから!!」
「ならいいんだが…それじゃ早速、理屈つきで費用・収益の見越しと繰り延べを考えてみよう。早速美琴に質問するが、費用と収益って、会社にとってどんな意味を持つものでしょうか?」
「費用も収益も、会社の成績を現していて、費用は会社からお金が出て行った原因、収益は会社にお金が入ってきた原因のことです!」
「その通り!もう一つ美琴に質問。そんな会社の成績を現している費用と収益は、決算になるとどうなるでしょうか?」
「「損益」という勘定科目にまとめられるので、費用も収益も0になります!」
「正解!
(借方(左側))損益 / (貸方(右側))費用の各勘定科目
(借方(左側))収益の各勘定科目 / (貸方(右側))損益
って具合の仕訳、これを「決算振替仕訳」と言うが、この仕訳によって、費用と収益の各勘定科目は、残高が0になる」
「一方「資産」「負債」「純資産」には決算振替仕訳が存在しない。それは「次期繰越」によって、次年度に残高を繰り越すからだ」
「私たちの学校の成績が次の学年に繰り越せないように、費用と収益は会社の成績なので、次の年度には繰り越せない、ということでしたよね!」
「費用と収益は、基本的に「支払った時」「受け取った時」に計上されることになる。ところが、支払ったり受け取った事実がないにも関わらず、今期の費用や収益を計上する根拠があったり、来年度の費用や収益を先に支払ったり受け取ったりする場合がある。こんな時に「次期繰越」できない費用と収益のために用意された制度が「未収・未払」「前払・前受」の制度、つまり「見越しと繰り延べ」という訳だ」
「確かに「未収・未払」「前払・前受」が頭についた勘定科目は「資産」「負債」として次期に繰り越すと習いました。単体で繰り越せない「費用」と「収益」を次期に繰り越すために「未収・未払」「前払・前受」という制度があるんですね!」
「そうだな!それじゃ早速中身を見てみよう。まず「未収」だが…
「まだ受け取っていない収益」
↓
「今年の収益にするはずのもの」
↓
「(借方(左側))未収○○ / (貸方(右側))受取○○」
という具合だな」
「次の「未払」だが…
「まだ支払っていない費用」
↓
「今年の費用にするはずのもの」
↓
「(借方(左側))支払○○ / (貸方(右側))未払○○」
となる」
「以前から、勘定科目は分解すれば分かりやすいと話しているけど、こう考えると分かりやすくないか?」
「確かに…機械的に覚えるよりも、理屈が伴っているので、私にはとても分かりやすいです!」
「次に「前払」だが…
「先に支払ってしまった費用」
↓
「今年の費用にできない部分(=来年の費用になる部分)」
↓
「(借方(左側))前払○○ / (貸方(右側))支払○○」
となる。「未払」の逆と考えてもいいな!」
「最後に「前受」だが…
「先に受け取ってしまった収益」
↓
「今年の収益にできない部分(来年の収益になる部分)」
↓
「(借方(左側))受取○○ / (貸方(右側))前受○○」
となる。これも「未収」の逆と考えてもいい!」
「機械的に暗記してしまうのも手だと思うが、応用が利かない場合もある。俺もそうなんだが、美琴みたいに理屈が伴った方が覚えやすいというなら、今みたいな感じで「理解」した方が、検定の問題で焦ることは少なくなると俺は思う。」
「はい!意味が良く分かりました!!先輩!ありがとうございます!」
美琴は、煉の説明で意味は理解できたようです。
ですが、この意味が理解できただけでは検定合格に繋がらないのが「日商簿記検定」であります。
次のキャプチャーでは、3級の総集編として「3級突破の糸口」を、煉が美琴にレクチャーします。
chapter 25 「3級突破の糸口」に続く…
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