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第18話
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---「なっちゃん、おはよう!」
「…ん、んん」
夏休み三日目の朝、なつの元気のいい声が聞こえて俺は目を覚ました。朝っぱらから元気ありすぎだろ。
「なっちゃんってば、今日、隣町まで買い物しに行くって言ったでしょ!? 早く起きて!?」
「んっ、わかってるわかってる」
なつは半ば強引に俺を起こしてきた。あまりにもしつこいから仕方なく俺は起きることにした。
---「えへへー、楽しみだね、なっちゃん!?」
「…水着買いに行くだけだろ?」
「だって、なっちゃんと買い物行くなんて初めてだし」
「!? そういえばそうだな」
路線バスの車内でたわいもない話をしていると、なつから衝撃の一言を聞かされた。
しかし、思い返してみるとたしかになつと買い物に行くなんて初めてのことかもしれない。
そもそも俺の頭の中に隣町まで買い物に行くという概念がなかったからかもしれない。
---「到ちゃーっく!」
路線バスに乗ってから約三十分後、俺達は隣町のイ◯ンの方に来ていた。北部の中でもでーじ大きいショッピングセンターだ。
イ◯ンに到着するとなつは両手を上げて大喜びしていた。毎回、喜びすぎじゃないか?
「なっちゃん、早く早くー! 時間は有限なんだから!」
「…おまえ、そのワード、気に入ってるだろ?」
なつはすぐさま中に行こうと俺の手を掴んで引っ張っていく。また足がもつれそうになりながら、俺はなつの後を追いかけて行った。まったく、朝っぱらから振り回されて大変だ。
---「ねーねー、なっちゃん! まずどこから行こっか!?」
「なつ、おまえ、まさかとは思うけど、目的忘れてねーよな?」
「…えっ?」
「…まさかやー」
しかしなつはテンションが上がりすぎて、さっそく目的を忘れかけていた。さっきバスの中で話してたはずなのだが。あと、『まさかやー』とは『マジ!?』とか『まさか』とか、驚いたときに使う方言だ。
「プール用の水着買いに来たんだろ!? おまえが言い出したのに忘れんなよ」
「あっ、そうか。えへへー、買い物しに来たってのは覚えてたんだけど、なにを買いに来たのか忘れてた」
「ハア。肝心なところだろ、それ。ほら、行くぞ」
「あっ、待って、なっちゃん!?」
俺はため息を吐きながらもなつをスポーツショップのヒ◯ラヤまで連れて行こうと思い、なつに付いてくるよう促し、先に歩き出した。そんな俺の後をなつは追いかけて行った。
「…ん、んん」
夏休み三日目の朝、なつの元気のいい声が聞こえて俺は目を覚ました。朝っぱらから元気ありすぎだろ。
「なっちゃんってば、今日、隣町まで買い物しに行くって言ったでしょ!? 早く起きて!?」
「んっ、わかってるわかってる」
なつは半ば強引に俺を起こしてきた。あまりにもしつこいから仕方なく俺は起きることにした。
---「えへへー、楽しみだね、なっちゃん!?」
「…水着買いに行くだけだろ?」
「だって、なっちゃんと買い物行くなんて初めてだし」
「!? そういえばそうだな」
路線バスの車内でたわいもない話をしていると、なつから衝撃の一言を聞かされた。
しかし、思い返してみるとたしかになつと買い物に行くなんて初めてのことかもしれない。
そもそも俺の頭の中に隣町まで買い物に行くという概念がなかったからかもしれない。
---「到ちゃーっく!」
路線バスに乗ってから約三十分後、俺達は隣町のイ◯ンの方に来ていた。北部の中でもでーじ大きいショッピングセンターだ。
イ◯ンに到着するとなつは両手を上げて大喜びしていた。毎回、喜びすぎじゃないか?
「なっちゃん、早く早くー! 時間は有限なんだから!」
「…おまえ、そのワード、気に入ってるだろ?」
なつはすぐさま中に行こうと俺の手を掴んで引っ張っていく。また足がもつれそうになりながら、俺はなつの後を追いかけて行った。まったく、朝っぱらから振り回されて大変だ。
---「ねーねー、なっちゃん! まずどこから行こっか!?」
「なつ、おまえ、まさかとは思うけど、目的忘れてねーよな?」
「…えっ?」
「…まさかやー」
しかしなつはテンションが上がりすぎて、さっそく目的を忘れかけていた。さっきバスの中で話してたはずなのだが。あと、『まさかやー』とは『マジ!?』とか『まさか』とか、驚いたときに使う方言だ。
「プール用の水着買いに来たんだろ!? おまえが言い出したのに忘れんなよ」
「あっ、そうか。えへへー、買い物しに来たってのは覚えてたんだけど、なにを買いに来たのか忘れてた」
「ハア。肝心なところだろ、それ。ほら、行くぞ」
「あっ、待って、なっちゃん!?」
俺はため息を吐きながらもなつをスポーツショップのヒ◯ラヤまで連れて行こうと思い、なつに付いてくるよう促し、先に歩き出した。そんな俺の後をなつは追いかけて行った。
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