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第15話
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---「わあー、ジンベエザメだー!? すっごい大っきいー!?」
触れ合いコーナーを立ち去った俺達は色々館内を見回った後、メインであるジンベエザメのいる大きな水槽のところまで来ていた。
この水族館の見どころはメインである大水槽はギネスにも認定されているアクリルパネルを使用していることでも有名だ。
そして1番の見どころといえば、そのアクリルパネルを使用した大水槽の中で泳いでいるジンベエザメだ。
魚類最大級といわれているジンベエザメが数匹泳いでおり、その光景を見ると圧倒させられる。特に食事のシーンは撮影したがる人が続出するほどだ。
それだけでなく、マンタや他のサメも見られるから、しばらくここで立ち尽くしながら見ている人も多い。俺も久しぶりに見たが、その気持ちはわからんでもない。
「はあー、すごいなぁー」
一方でなつはギリギリのところまで顔を近づけ興奮気味の状態で水槽をまじまじと眺めていた。
「………」
そんななつの横顔を無意識のうちに見つめている俺。さっきのがまだ頭の中に残っているせいか、なつの顔を見るとまたドキッとさせられる。
「ん? どうかしたの、なっちゃん?」
「ッ!? い、いや、なんでもない!?」
そんな時だった。なつが俺に向かって話しかけてきた。俺は慌ててそっぽを向いた。いかんいかん。
「そ、そろそろ他んところ行くか?」
「えー? 私、もうちょっと見てたーい!」
「まだウミガメとかイルカのショー、見てないだろ?」
「はっ!? そうだ、早く見に行こう、なっちゃん!?」
「お、おいおい。なつ、そんなに急かすなって!?」
俺はなんとかごまかそうと他のところに行こうとなつに提案してみると、なつは最初、反論したものの、ウミガメとイルカの単語を聞くや否やすぐに賛同し、すぐに俺の手を掴み、その場から移動を始めた。いきなり手を掴まれた俺は一瞬、足がもつれそうになりながらなつに連れて行かれた。
---その後、昼食を挟みながらウミガメを見に行ったりイルカのショーを見たり、一通り水族館を見学し、気がつけば夕方になっていた。
「んー、楽しかったー!! ねー、なっちゃん!?」
「ああ、久しぶりに来たけど、けっこう楽しかったな」
「ホント!? えへへ、よかったー」
満喫しきったなつは俺に感想を求めてきた。俺が素直に感想を述べるとなつは嬉しそうな表情を浮かべていた。
元々、俺を外に出すという名目でなつが提案してきたのだ。俺のために考えた以上、俺が楽しめなければ意味がない。だからこそさっきの感想は嬉しかったのだ。
「また行きたいね、なっちゃん」
「…ああ、そうだな」
そしてふとなつが口にした一言に俺は賛同し、水族館を後にした。
触れ合いコーナーを立ち去った俺達は色々館内を見回った後、メインであるジンベエザメのいる大きな水槽のところまで来ていた。
この水族館の見どころはメインである大水槽はギネスにも認定されているアクリルパネルを使用していることでも有名だ。
そして1番の見どころといえば、そのアクリルパネルを使用した大水槽の中で泳いでいるジンベエザメだ。
魚類最大級といわれているジンベエザメが数匹泳いでおり、その光景を見ると圧倒させられる。特に食事のシーンは撮影したがる人が続出するほどだ。
それだけでなく、マンタや他のサメも見られるから、しばらくここで立ち尽くしながら見ている人も多い。俺も久しぶりに見たが、その気持ちはわからんでもない。
「はあー、すごいなぁー」
一方でなつはギリギリのところまで顔を近づけ興奮気味の状態で水槽をまじまじと眺めていた。
「………」
そんななつの横顔を無意識のうちに見つめている俺。さっきのがまだ頭の中に残っているせいか、なつの顔を見るとまたドキッとさせられる。
「ん? どうかしたの、なっちゃん?」
「ッ!? い、いや、なんでもない!?」
そんな時だった。なつが俺に向かって話しかけてきた。俺は慌ててそっぽを向いた。いかんいかん。
「そ、そろそろ他んところ行くか?」
「えー? 私、もうちょっと見てたーい!」
「まだウミガメとかイルカのショー、見てないだろ?」
「はっ!? そうだ、早く見に行こう、なっちゃん!?」
「お、おいおい。なつ、そんなに急かすなって!?」
俺はなんとかごまかそうと他のところに行こうとなつに提案してみると、なつは最初、反論したものの、ウミガメとイルカの単語を聞くや否やすぐに賛同し、すぐに俺の手を掴み、その場から移動を始めた。いきなり手を掴まれた俺は一瞬、足がもつれそうになりながらなつに連れて行かれた。
---その後、昼食を挟みながらウミガメを見に行ったりイルカのショーを見たり、一通り水族館を見学し、気がつけば夕方になっていた。
「んー、楽しかったー!! ねー、なっちゃん!?」
「ああ、久しぶりに来たけど、けっこう楽しかったな」
「ホント!? えへへ、よかったー」
満喫しきったなつは俺に感想を求めてきた。俺が素直に感想を述べるとなつは嬉しそうな表情を浮かべていた。
元々、俺を外に出すという名目でなつが提案してきたのだ。俺のために考えた以上、俺が楽しめなければ意味がない。だからこそさっきの感想は嬉しかったのだ。
「また行きたいね、なっちゃん」
「…ああ、そうだな」
そしてふとなつが口にした一言に俺は賛同し、水族館を後にした。
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