夏空模様

慶名 安

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第11話

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 ---「あっ、これ私知ってるよ。フ◯ートナ◯トってやつでしょ?」

 「意外だな。なつってゲームやってたっけ?」

 「ううん。秋ちゃんがやってるの見たことあるから。私、見る専門だから」

 「ああ、そういうこと」

 朝めしを食べ終えた後、俺達はそのまま自分の部屋に戻っていた。

 部屋に戻った俺はテレビを点けゲームを始めた。最近ハマっているフ◯ートナ◯トというバトルロワイヤル系のゲームをプレイしていると、なつが横から話しかけてきた。ちなみに秋ちゃんというのはなつの東京あっちの幼馴染らしい。話では度々出てくるが、実際に会ったことはない。

 「あっ、そこ宝箱あるよ!」

 「あっ、ホントだ」

 「あのパーティーの人にシールドポーションあげたら?」

 「そ、そうだな」

 「あっ、あっちに敵いるよ!?」

 「えっ? どこ?」

 「敵が撃ってきてるよ! 早く建築しないと!?」

 「おいおい、あんま急かすなって」

 「あっ、パーティーの人倒れた! 壁作って蘇生させないと!? あと回復もあげてあげた方がいいんじゃない?!」

 「見る専門なのに知識だけ豊富だなおまえは!?」

 しばらくプレイしていて思わずツッコんでしまった。見る専門の割にはやたらと的確に指示を出してきやがる。ほんとに見る専門か?

 「えへへ、秋ちゃんのプレイ見てるうちに覚えてきちゃって。あっ、秋ちゃんならなっちゃんより早く建築できるよ!」

 「なんでおまえが自慢気に言う」

 するとなつは自慢気に秋ちゃんの自慢をしてきた。秋ちゃんがけっこうなガチ勢だというのはなんとなくわかった。

 「そんなに知識豊富なら見る専門じゃなくて、プレイすればいいのに」

 「ムリだよ! 操作方法忘れちゃうもん!」

 「そんだけゲームの知識豊富なら操作方法ぐらい覚えれるだろ?!」

 そんななつに俺はプレイを進めてみると、まさかの操作が覚えきれないと言ってきた。あんだけフ◯ートナ◯トの知識があるのに操作方法が覚えきれないなんておかしいだろ?

 「ほら、やってみ?」

 「えっ? う、うん」

 それがなんだかゲーマーとして放っておけず、俺は自分が持っていたPS◯のコントローラーをなつに渡した。なつは一瞬、きょとんとしながらも俺からコントローラーを受け取った。

 ---「ほら、ここで銃を構えて、このボタンで撃つんだよ」

 「ほうほう。武器の切り替えって、どれで変えるの?」

 「このボタンだよ。っていうか、それは画面に表記されてるから」

 それからしばらく、俺はなつに操作方法を教えながらなつのゲームプレイを見守っていた。なんだかんだでちょっと楽しかったな。
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