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episode3 「風神の豪鬼」
episode3 #3「白舞 涼子」
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部屋を出るとさっきまで数人いたハズが志村を除いて1人になっていた。時間を見るともう12時を超えていた。
(もうそんな時間になっていたのか? 皆、昼飯にでも行ったのかな?)
話を聞いていただけでもう3時間以上経っている事に驚きながらも取り敢えず一旦部屋に戻ろうとした。
「あ、あの!」
その時、ふと声を掛けられた。炎美の前に立つ女の子が声をかけてきた様だ。黒髪ロングにすらっとした体型。美少女ではあるが柑菜とは違いどこか大人っぽい雰囲気を出していた。
「あの、新米さんですよね? 私、白舞 涼子(しろまい りょうこ)って言います。よ、良かったらなんだけど…」
涼子は笑顔で自己紹介したかと思うと、少し頰を赤らめて恥ずかしそうにしている。
(感情豊かな子だなあ)
炎美は心の中でそう思った。
「良かったら一緒にお昼食べませんか?」
---それで涼子のご好意で一緒に昼飯を食べる事になった炎美。
(折角だし他の人達と交流しておかないとな!)
別に腹を空かしている訳では無いが他の人達の事も知る為、涼子の誘いを受けたのだった。
4階にある食堂に向かった。食堂の食事は食事担当の人が作っておりメニューが豊富で自分が食べたい物を担当の人に口頭で言えば基本何でも作ってくれる。炎美は適当に蕎麦を頼んだ。
---2人はそれぞれ注文した物をトレーで運びながら適当な場所に座った。因みに涼子はパスタを頼んだ様だ。
「急にゴメンね! 初対面なのにイキナリ誘っちゃって」
席に座るや否や涼子は申し訳なさそうに言った。
「全然構わないよ。むしろありがとう! ちょうど、色んな人と話してみたかったし」
炎美は気を遣わせない様にフォローした。
「ありがとう! 実は柑菜から話聞いてて気になってたの!」
「柑菜と仲良いんだ」
「うん! 柑菜とは同期で私にとっは大切な友達なんです!」
そう言う涼子の顔は楽しそうな顔をしていた。柑菜とは本当に仲が良いみたいだ。
「あ、炎美君とも仲良くしたいと思ってるから…」
涼子は付け足す様に言った。
「うん、ありがとう! こちらこそよろしくね涼子ちゃん!」
---話は思いの他盛り上がり、話は炎美自身の話になった。
「炎美君って記憶失くしてるんだよね! あっ、ゴメン!!」
「イヤ気にしなくていいよ! 本当の事だから」
「ソレってどこまで覚えて無いの?」
「俺が覚えてるのは自分の名前とスフィアって名前だけだった。もっと言うと物の名前とか一般的な事とかぐらいなら覚えてるけど…」
「じゃあ、逆に思い出せない事って?」
ガツガツ質問してくる涼子に炎美は正直に答えた。
「自分の過去の事は全然覚えて無いんだ! 自分が何者で今まで何をしてきたのか何1つ思い出せないんだ!」
「そうなんだ…」
その言葉の後、しばらく沈黙が続いたが炎美はゆっくりと口を開いた。
「でも、大丈夫だよ! きっと思い出せるさ! その為にココに来たんだ!」
「炎美君…」
「上手く言えないけど、ココでならきっと何か思い出せる気がするんだ! 根拠なんか無いけど、でもこの場所でなら何か思い出すきっかけはあると思うんだ!」
珍しく熱弁する炎美。
「炎美君がそう言うんだったらきっとそうだよね! 私も何か手伝える事があるなら手伝うよ!」
すると涼子は突然立ち上がり炎美の手を強く握った。
「あっ、ゴメンナサイ!」
涼子も流石にやり過ぎたと思ったのか慌てて手を引っ込めた。
「イヤ、大丈夫だよ! でもありがとうね、涼子ちゃん!」
こうして2人は食事を終えその後炎美は自分の部屋に戻っていった。
(もうそんな時間になっていたのか? 皆、昼飯にでも行ったのかな?)
話を聞いていただけでもう3時間以上経っている事に驚きながらも取り敢えず一旦部屋に戻ろうとした。
「あ、あの!」
その時、ふと声を掛けられた。炎美の前に立つ女の子が声をかけてきた様だ。黒髪ロングにすらっとした体型。美少女ではあるが柑菜とは違いどこか大人っぽい雰囲気を出していた。
「あの、新米さんですよね? 私、白舞 涼子(しろまい りょうこ)って言います。よ、良かったらなんだけど…」
涼子は笑顔で自己紹介したかと思うと、少し頰を赤らめて恥ずかしそうにしている。
(感情豊かな子だなあ)
炎美は心の中でそう思った。
「良かったら一緒にお昼食べませんか?」
---それで涼子のご好意で一緒に昼飯を食べる事になった炎美。
(折角だし他の人達と交流しておかないとな!)
別に腹を空かしている訳では無いが他の人達の事も知る為、涼子の誘いを受けたのだった。
4階にある食堂に向かった。食堂の食事は食事担当の人が作っておりメニューが豊富で自分が食べたい物を担当の人に口頭で言えば基本何でも作ってくれる。炎美は適当に蕎麦を頼んだ。
---2人はそれぞれ注文した物をトレーで運びながら適当な場所に座った。因みに涼子はパスタを頼んだ様だ。
「急にゴメンね! 初対面なのにイキナリ誘っちゃって」
席に座るや否や涼子は申し訳なさそうに言った。
「全然構わないよ。むしろありがとう! ちょうど、色んな人と話してみたかったし」
炎美は気を遣わせない様にフォローした。
「ありがとう! 実は柑菜から話聞いてて気になってたの!」
「柑菜と仲良いんだ」
「うん! 柑菜とは同期で私にとっは大切な友達なんです!」
そう言う涼子の顔は楽しそうな顔をしていた。柑菜とは本当に仲が良いみたいだ。
「あ、炎美君とも仲良くしたいと思ってるから…」
涼子は付け足す様に言った。
「うん、ありがとう! こちらこそよろしくね涼子ちゃん!」
---話は思いの他盛り上がり、話は炎美自身の話になった。
「炎美君って記憶失くしてるんだよね! あっ、ゴメン!!」
「イヤ気にしなくていいよ! 本当の事だから」
「ソレってどこまで覚えて無いの?」
「俺が覚えてるのは自分の名前とスフィアって名前だけだった。もっと言うと物の名前とか一般的な事とかぐらいなら覚えてるけど…」
「じゃあ、逆に思い出せない事って?」
ガツガツ質問してくる涼子に炎美は正直に答えた。
「自分の過去の事は全然覚えて無いんだ! 自分が何者で今まで何をしてきたのか何1つ思い出せないんだ!」
「そうなんだ…」
その言葉の後、しばらく沈黙が続いたが炎美はゆっくりと口を開いた。
「でも、大丈夫だよ! きっと思い出せるさ! その為にココに来たんだ!」
「炎美君…」
「上手く言えないけど、ココでならきっと何か思い出せる気がするんだ! 根拠なんか無いけど、でもこの場所でなら何か思い出すきっかけはあると思うんだ!」
珍しく熱弁する炎美。
「炎美君がそう言うんだったらきっとそうだよね! 私も何か手伝える事があるなら手伝うよ!」
すると涼子は突然立ち上がり炎美の手を強く握った。
「あっ、ゴメンナサイ!」
涼子も流石にやり過ぎたと思ったのか慌てて手を引っ込めた。
「イヤ、大丈夫だよ! でもありがとうね、涼子ちゃん!」
こうして2人は食事を終えその後炎美は自分の部屋に戻っていった。
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