BLOOD HERO'S

慶名 安

文字の大きさ
上 下
3 / 120
episode1 「黒炎の剣」

episode1 #2「ツインテ女子」

しおりを挟む
 ---「そう言えばスフィアってなんだ?」

 情報収集する為人気の多そうなビル街へと向かっているがスフィアというのが何なのかはよく思い出せ無い。
 
 (人の名前? それともお店の名前かな?)

 まずそれだけでも思い出せ無いものか?

 ドウゥゥーン

 「おわっ!」

 大きな騒音と地鳴りがして思わず驚いてしまった。どうやらビル街の方から聞こえてきたが。

 「どうすっかなあー」

 丁度向かっている所なのだが今行くと危ない気がしてきた。

 「オラー!! どけー!!」

 急に前から男が飛んできた。

 黒ずくめの男の前で着地するとそのまま横を通りまた飛んで行った。

 「おわっ!」

 (一体、何だったんだ?)

 後ろを振り返るとさっきの男はもう姿が見えなくなっていた。

 「??」

 もう何が起きているのか理解が追いつか無かった。ただでさえ記憶を失くしているというのに。

 「ああっ、せっかく捕まえたのにー!!」

 すると前から女の人の声がした。前に向き直すと金髪のツインテ女子が男の前に立っていた。

 (ひょっとしてさっきの人を追いかけてたのかな?)

 ツインテ女子は乱れた呼吸を整えながらこちらに向かって来た。

 「ねえ、ちょっとイイ?」

 ツインテ女子が男に話かけてきた。

 「ハ、ハイ?」

 あまり状況が飲み込めないまま返事をした。

 「さっき、コッチに男が飛んできたでしょ。どっちに行ったか分からない?」

 「えーと、よく見えなかったんですけど、多分真っ直ぐ行ったと思います」

 ツインテ女子の質問に渋々男は答えた。

 「そう、ありがと」

 そう言うとツインテ女子は立ち去ろうとした。

 男の横を通ろうとした時、一瞬左の袖に「Sphere(スフィア)」と描かれているのが見えた。

 「ちょっと待って!」

 すかさず男はツインテ女子の腕を掴んだ。

 「ちょっ、あんた、急に何よ!」

 流石にイキナリ掴んだものだからツインテ女子は少しキレ気味に言った。

 「ゴ、ゴメンなさい。1つ聞きたいことがあって…」

 「はあ、何?」

 少しイラついているご様子の彼女だが取り敢えず話を聞いてくれそうだったので男は彼女にとある事を聞いてみた。

 「あの、失礼ですがあなた、『スフィア』さんですか?」

 すると質問に対し彼女は…

 「はあ?」

 少しの間、静寂の空気が流れた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。

112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。 愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。 実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。 アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。 「私に娼館を紹介してください」 娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──

記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~

Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。 走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

愛してしまって、ごめんなさい

oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」 初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。 けれど私は赦されない人間です。 最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。 ※全9話。 毎朝7時に更新致します。

【完結】忘れてください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。 貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。 夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。 貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。 もういいの。 私は貴方を解放する覚悟を決めた。 貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。 私の事は忘れてください。 ※6月26日初回完結  7月12日2回目完結しました。 お読みいただきありがとうございます。

処理中です...