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episode6「針鼠の巣窟」
episode6 #10「作戦決行前に」
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「ええ?! 私達にですか?!」
涼子は驚愕のあまり声をあげる。周りの皆も驚いているがこの状況を何言えばいいのか少しばかり戸惑っていた。
「ちょ、ちょっと待てや志村! 2人だけで行かせるきかいな? せめてもう1人ぐらい連れてってもええんちゃうか?」
少し静寂な時間が流れると豪鬼が堪らず反論に出た。
しかしそれは皆も思っていた事だった。この国最強の諜報部隊がやられてしまう程の手練れに対し新人の炎美と入って2、3年の涼子の若者2人には厳しい相手だと思ったからだ。
そんな皆が不安を感じても尚、志村は微笑みながら応える。
「そうしたいところなんだけど、他の皆には別の事頼みたくってねー」
「?」
志村の応えに皆首を傾げる。誰もその事は聞いていなかったようだ。
「他の者にはセブン・オーダーの行方を追ってもらいたい」
「ッ!?」
「?」
志村の一言で皆の顔が険しくなっていた。ただ1人炎美を除いては。
「これはつい先程入った情報なんだけど、この辺りで奴によく似た男が目撃されたそうだ」
「ホンマかそれ!?」
志村が話しを続けると豪鬼が反応した。
「まあまだ確定した訳じゃない。だから調べて欲しいのさ」
志村は豪鬼をなだめるように応えるとそれを察したかのように豪鬼は冷静に戻った。だが内心ではまだ焦燥せずにはいられなかった。
「とりあえず残るメンバーで周辺の捜索をお願いしたい! いいね?!」
「はっ!!」
そして豪鬼をなだめ終えた志村は皆に指示を出した。指示を出されるとそれぞれ返事を返し作戦会議は終了となった。
「あのー、ちょっといいですか?」
作戦会議が終わると涼子はそっと手を挙げ質問したそうに志村を見ていた。
「ん? 何だい涼子?」
それに気づいた志村は質問を受け付けてきた。皆も気になりその場に留まっていた。
「柑菜が居ないんですけど何か聞いてませんか?」
「ああん? そういやアイツおらんのお」
志村に対する質問に対し1番に反応を見せた豪鬼は辺りをキョロキョロ見渡していた。しかし涼子の言う通り柑菜の姿は見当たらなかった。
「ひょっとしてこの前の任務で何かあったんですか?!」
先日に柑菜が1人で任務に行った事をふと思い出した涼子は不安そうな表情を浮かべながら志村に問いただしてきた。それに対し志村は突然俯き出した。
「実はそうなんだ。この間の任務で柑菜は…」
「そんな…」
志村の哀れむ表情を見て涼子は嫌な予感が脳裏をよぎりショックを受けた。
そしてその時、ふと志村は不敵な笑みを浮かべ応えるのだった。
「風邪ひいたみたい☆」
涼子は驚愕のあまり声をあげる。周りの皆も驚いているがこの状況を何言えばいいのか少しばかり戸惑っていた。
「ちょ、ちょっと待てや志村! 2人だけで行かせるきかいな? せめてもう1人ぐらい連れてってもええんちゃうか?」
少し静寂な時間が流れると豪鬼が堪らず反論に出た。
しかしそれは皆も思っていた事だった。この国最強の諜報部隊がやられてしまう程の手練れに対し新人の炎美と入って2、3年の涼子の若者2人には厳しい相手だと思ったからだ。
そんな皆が不安を感じても尚、志村は微笑みながら応える。
「そうしたいところなんだけど、他の皆には別の事頼みたくってねー」
「?」
志村の応えに皆首を傾げる。誰もその事は聞いていなかったようだ。
「他の者にはセブン・オーダーの行方を追ってもらいたい」
「ッ!?」
「?」
志村の一言で皆の顔が険しくなっていた。ただ1人炎美を除いては。
「これはつい先程入った情報なんだけど、この辺りで奴によく似た男が目撃されたそうだ」
「ホンマかそれ!?」
志村が話しを続けると豪鬼が反応した。
「まあまだ確定した訳じゃない。だから調べて欲しいのさ」
志村は豪鬼をなだめるように応えるとそれを察したかのように豪鬼は冷静に戻った。だが内心ではまだ焦燥せずにはいられなかった。
「とりあえず残るメンバーで周辺の捜索をお願いしたい! いいね?!」
「はっ!!」
そして豪鬼をなだめ終えた志村は皆に指示を出した。指示を出されるとそれぞれ返事を返し作戦会議は終了となった。
「あのー、ちょっといいですか?」
作戦会議が終わると涼子はそっと手を挙げ質問したそうに志村を見ていた。
「ん? 何だい涼子?」
それに気づいた志村は質問を受け付けてきた。皆も気になりその場に留まっていた。
「柑菜が居ないんですけど何か聞いてませんか?」
「ああん? そういやアイツおらんのお」
志村に対する質問に対し1番に反応を見せた豪鬼は辺りをキョロキョロ見渡していた。しかし涼子の言う通り柑菜の姿は見当たらなかった。
「ひょっとしてこの前の任務で何かあったんですか?!」
先日に柑菜が1人で任務に行った事をふと思い出した涼子は不安そうな表情を浮かべながら志村に問いただしてきた。それに対し志村は突然俯き出した。
「実はそうなんだ。この間の任務で柑菜は…」
「そんな…」
志村の哀れむ表情を見て涼子は嫌な予感が脳裏をよぎりショックを受けた。
そしてその時、ふと志村は不敵な笑みを浮かべ応えるのだった。
「風邪ひいたみたい☆」
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