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第4章「実は私」

第14話「妄想の中なら俺は最強!」

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 俺の誕生日も終わり中間テストまで残り1日と迫っていた。

 結局、有紗からの返事待ちの形になってしまいここ最近はそんなドキドキの中でテスト勉強どころか授業もロクに聞いてない始末だ。と言ってもテスト勉強期間中だからほとんど自習か復習の時間になっているのだが、このままだと確実に赤点を取ってしまう。

 「んんー!!」

 俺は家に帰るや否や自分のベッドに飛び込み枕を口に当て今まで溜まっていた感情を出しまくった。叫んで叫んで叫びまくった。

 幸い梓は学校で友達とテスト勉強しているらしいし(中学も中間テストが近いらしい)有紗もまだ帰って来ていない(またネコ達とじゃれあってるのだろうか?)。

 「ハア…ハア…」

 ありったけに叫んだせいで息切れを起こし枕を口から離し仰向けに姿勢を変え呼吸を整えた。

 「んあーん、もうマジでどうしたらいいんだよー俺はー!!」

 こんな気持ちになったのは初めてだからだろうか? もどかしい気持ちでいっぱいだった。冗談で言ってしまったのがそもそもの始まりなのだが、こんなことになってしまうとは誰が予想出来たのだろうか?

 「なんか罪悪感もあるし、本当のこと言うべきかなぁ?」

 こんなことになるのならいっそ殴られる覚悟で真実を話した方がいいのではないかとここ数日思い始めてきた。

 「けど、もしかしたらオッケーもらえるかもしんないしなぁー」

 正直言うと俺の予想ではいい返事がもらえる気がしている。嫌ならあの時既にフっている筈だろうし。

 「それにあの時貰ったプレゼントは『オッケー』と捉えてもいいんじゃないか?」

 有紗から貰ったキスのプレゼント。アレは好意を寄せていなければ出来ないと思うがアメリカってそういう文化があると聞くが誰にでもするもんなのかな?

 「ハア…」

 色々と考えていると俺の脳が疲労を訴え始めている。妄想ならいくらでも出来るのだがリアルな考え事になると話が別だ。

 「…そーだ。妄想しちまえばいいのか!?」

 俺は色々なことに押し潰されそうになり現実逃避をすることにした。そーだよ! 妄想で有紗と万が一付き合った時のことを考えてしまえば少しはマシになるかもしれない!

 初デートはどこに行こうか? 水族館? 動物園? それとも映画館? 初デートは一生記憶に残る思い出にしておきたいから遊園地がいいだろうか?

 遊園地に行くならまず何のアトラクションから行く? いきなりジェットコースター? それともあえてお化け屋敷かな? ウォーターアトラクションも面白そうだな。

 最後はやっぱり観覧車に乗って、2人っきりの中そこで、そこで…

 「…ウヘヘ♡」

 リアルではチキン野郎だが妄想の中では大胆かつ強気でいられる。妄想の中の俺なら最強だ! ヨダレを垂らしながら威張ることではないがな。

 「…有紗…」

 その後暫くは妄想の中で存分に有紗を余すところなく堪能した俺だった。前から自覚していたが本当に俺は根っからのクソ野郎だなと思ったよ。
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