俺の高校生活に平和な日常を

慶名 安

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第4章「実は私」

第6話「気がつくと彼女(みのり)の太もものうえ」

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 ---「ううっ」

 一体どれくらい気を失っていたのだろうか? うっすらと視界が明るくなってきた。

 「ようやく起きたみたいですね」

 気を取り戻すとみのりの声が聞こえてきた。

 「ん?」

 何か違和感を感じる。枕のようなものが俺の後頭部に敷かれていた。だが枕にしては人肌のような温もりを感じるというか太もものような柔らかさがあるのだが。

 「って、うおおーー!!」

 イヤ間違ってない! 俺は太もものうえで寝ていた。いわゆる膝枕だ。俺は慌てて体を起こした。

 「ふふ♡ よく眠れましたか?」

 みのりの声が後ろから聞こえた。俺は後ろを振り向くとみのりはニコニコしながら正座していた。まさか俺、みのりに膝枕を!?

 しかもよく見ると生足だ! 俺はみのりの生足で膝枕をして貰っていたのか!?

 「流石に太もものうえで寝返りをうたれた時はドキドキしましたけど…」

 ね、寝返り!? みのりは恥ずかしがるように顔を赤らめた。その表情と『寝返り』というフレーズで俺お得意の妄想が止まらなくなった。

 俺はみのりに膝枕して貰ってそのうえで寝返りをうったってことは…

 「って、んなことしてる場合じゃねー!!」

 俺はギリギリのところでふと我に返った。そうだ、元はと言えばみのりが変なことを言ってしまって俺は有紗にぶっ飛ばされたのだ。危うく騙されるところだった。

 「みのりのせいで俺、ヒドイ目にあったんですけど!?」

 「ごめんなさい。ちょっと悪ふざけが過ぎてしまいましたね♪」

 「『しまいましたね♪』じゃねーよ! 危うく三途の河渡りそうだったんだぞ!?」

 相変わらずニコニコした顔で済ませようとするみのり。もう彼女のことを信頼出来なくなってきた。

 「ってアレ? 有紗は?」

 そういえば俺を三途の河まで導いた有紗が見当たらなかった。

 「夏目さんならもう帰りましたよ。一応誤解は解いてはみましたけど、不機嫌な顔されて帰って行きましたね」

 そりゃあそうだろう。怒り狂った有紗が人の話をマトモに聞いているとは思えない。しかも元凶が相手なら尚更だろう。

 「っていうか、もう夜か?」

 時計をふと見ると時間は夜の7時を超えていた。ここに着いたのは確か夕方の5時頃だった。気を失ったのも大体そのくらいだろう。少なくとも2時間は気を失っていたことになる。

 「そうですね。お詫びの印としては何ですが晩ご飯をご馳走させてくれませんか?」

 すると流石に反省したのか申し訳なさそうな顔をしてご飯に誘ってくれた。しかし頭痛がしてそれどころではなかった。

 「ごめん。今日はもう帰るよ。気持ちだけは有難く受け取っておくよ」

 俺は誘いを断って家に帰ることにした。しかし家には有紗が待っている。どうしようかな?
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