俺の高校生活に平和な日常を

慶名 安

文字の大きさ
上 下
81 / 445
第3章番外編「私の願いは…」

第4話「佐藤家、最大の悲劇」

しおりを挟む
 ---バードさんとの出会いから1年くらいが経ちました。バードさんに契約の話を持ちだされた時、最初は契約するつもりで了承しかけようとしていました。

 「うう…」

 その時ちょうど気絶していたお兄ちゃんの目が覚めそうでした。するとバードさんは翼を羽ばたかせどこかに向かおうとしていました。

 「そろそろ目覚めそうだな。そんじゃそろそろおいとまさせてもらおうかな」

 「あ、ちょっと待って!」

 私はバードさんを引き止めようとしましたがバードさんは飛びながら私の顔を見てこう言いました。

 「自分から話持ちかけといて悪いけど今は契約すると色々とマズい事になるからまた今度会った時に気が変わってなかったら返事聞かせてくれ。じゃあな!」

 そう言ってバードさんは飛び去って行った。

 「んー…ん?」

 バードさんが飛び去ると同時にお兄ちゃんが目を覚ましました。結局、その時には返事を返せずに終わってしまいました。

 それからバードさんとは一度も会う事なく1年が過ぎていきました。私が11でお兄ちゃんは12歳を迎えた時でした。お母さんが半年前過労で倒れてしまい病院生活を余儀なくされました。その半年後、追い打ちをかけるかのようにがんが発症し帰らぬ人となってしまいました。

 私達家族はお母さんの最後を見届けた後、悲しみの雰囲気に包まれました。私はお母さんのところに身を寄せ大泣きしました。お兄ちゃんもベットの隣にある椅子に座ったまま顔を下に向けながら大粒の涙を流していました。

 お父さんもお仕事で外国に行っていましたがお母さんのことを聞いてわざわざ大事なお仕事をキャンセルしてまで病院に駆けつけてくれました。

 いつも外国に行っているお父さんですが家に帰ってきた時はニコニコしながら私とよく遊んでくれたりしてくれました。ただお兄ちゃんはお父さんのことを嫌悪していましたが。

 そんなお父さんもその時は大泣きとはいかずも目に涙が浮かび上がっていました。多分、子供の前で涙は見せまいとして必死に堪えていたけど、我慢出来ずに涙が出てきたんだと思います。

 それから数日間私はお母さんのことで悲しみにくれていました。お兄ちゃんもその日から変わっていったと思います。お父さんはお母さんが亡くなってからは暫く私達の面倒を見る為、日本に残ってくることになりました。

 しかしお父さんとお兄ちゃんの関係だけは変わらずかなり距離を空けていました。どちらかというとお兄ちゃんが一方的に距離を置いていたと思います。

 そんな複雑な家族関係になっていた時、バードさんとの1年ぶりで2度目の出会いを迎えました。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

Bグループの少年

櫻井春輝
青春
 クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。

ながしょー
青春
 ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。  このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...