上 下
46 / 445
第2章「なんか色々とヤバい気がするんだが…」

第19話「アブノーマル・須川さん!」

しおりを挟む
 ---ヒュン

 俺が須川さんに拘束(?)され俺の頭が昇天しそうな時だった。何かが物凄いスピードで横切っていった。

 「くっ!」

 すると一気に体が解放されたのを感じた。

  「?」

  何が起きたのか分からなかったがいつの間にか須川さんとの距離が離れていた。

 「す、須川さん?」

 さっきまで興奮気味だった須川さんの顔がまた変わっていた。何処となく悔しそうな顔をしている。

 「覗き見なんてあまりいい趣味ではありませんね」

 「??」

 さっきから態度といい言動といいいつもの須川さんではなかった。それに今の発言は俺に対してではない様だ。俺はふと後ろを振り返ったがそこには誰も居なかった。

 「別に趣味なんかじゃないわよ」

 しかし何処からか聞き覚えのある声がする。俺はもう1度辺りを見回してみる。

 「うおっ!」

 すると突然近くにあった木から女の子が降ってきた。まさかの場所からの登場でビックリした。

 「あ、有紗?」

 よく見るとその人物が有紗だということが判明した。それにしてもいつから居たのか? ていうか何故そこに隠れてたんだ? 全く気づかなかった。

 「っていうか、まさかさっき何か飛んできたけど、おまえ…」

 「一応、助けてあげたんだから感謝しなさいよ」

 別に助けを呼んだ覚えはないんだが…まあ、あえて言わずにいた。

 「私に何か御用ですか? それとも佐藤君に?」

 「別に用なんかないわよ」

 「じゃあなんでいんだよ!?」

 思わずツッコンでしまった。だが俺のツッコミを無視して有紗は話を続けた。

 「ところであんた、一体何者なの?」

 急に訳の分からんことを言い出す有紗。何の話をしてるんだか。

 「何の話です?」

 俺の思っていたことをニッコリ笑顔で聞き出す須川さん。いつも見ている須川さんに戻った様だ。

 「あんたがそいつの首元に近づいた時、一瞬牙が生えたように見えたんだけど…」

 「はあ?」

 須川さんより先に俺が驚いてしまった。ますます意味不明の発言をしてくるな、コイツ。

 「あら? 何かの見間違いがじゃあないですか?」

 爽やかな笑顔で返す須川さんだが気のせいか少し焦っている様にも見えた。

 「じゃあコレ見てみたら?」

 有紗はスマホを取り出すと少しいじってから俺に投げてきた。俺に見ろということなのか?

 俺は促されるようにスマホの画面を見た。画面には1枚の写真が写っていた。そこには俺と須川さんが抱きしめ合っている写真が写って…

 「ななななんつーもん、とととってんだよ!!」

 写真を見てあからさまに動揺してしまった。バッチリ恥ずかしいとこ撮られてんじゃねーか! ホント何してんのこの人?

 「変な意味に受け取るんじゃないわよ! 首元の方を見なさいよ! 首元!!」

 逆ギレされた俺は仕方なく首元の方を見てみた。もうこの写真だけで衝撃的なのに他に衝撃的なものが写っているのだろうか?

 「ん? ナニコレ?」

 俺の首元には何もおかしな所はなかった。ただ須川さんの顔の方に違和感を感じた。初めて見る須川さんのアヘ顔に牙の様なものが生えていた。それは普通の歯に比べて明らかに鋭くなっている。

 俺はチラッと須川さんの方に視線を向けた。すると須川さんの様子がまたおかしくなっていた。

 「す、須川さん?」

 そして俺は今までで一番衝撃的な事実を知ることになったのだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした

黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。 日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。 ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。 人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。 そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。 太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。 青春インターネットラブコメ! ここに開幕! ※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。

家政婦さんは同級生のメイド女子高生

coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

始業式で大胆なパンチラを披露する同級生

サドラ
大衆娯楽
今日から高校二年生!…なのだが、「僕」の視界に新しいクラスメイト、「石田さん」の美し過ぎる太ももが入ってきて…

夢の世界からの転校生

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
青春
翔太は城の山高校に通う2年生で、弱小の山岳部部長。双子で人気の放送部の部長の結衣とは犬猿の中。今日も夢に出てきた少女に手を伸ばしたら柔らかいものに当たって喜んでいたら、実はそれが結衣の胸で、引っ叩かれて起こされるという最悪の出だしだった。そして、そこに転校生として現れたのが、まどかだった。まどかは翔太の夢に出てきた少女と全くそっくりだった。そのまどかが翔太に接近してきて……それに対して何故か結衣が機嫌が悪くなる。更にはハンサムで運動神経抜群の堀田という転校生に挑発されて翔太は対抗するが敵うわけもなく、悲惨な目に合う翔太。他にも現れる転校生に変な奴らの影までつきまとってくる。そんな中まどかを見て驚く翔太の母親。まどかの正体は如何に?初恋あり友情あり部活の悩みあり、青春の甘酸っぱい想いを物語にしました。男女誰でも楽しんで頂ける青春ドタバタ小説です。昔書いていた小説を大幅改変しました。ぜひともお読みください 

アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)
青春
とってもギャグな、お笑いな、青春学園物語、 料理があって、ちょびっとの恋愛と、ちょびっとのバトルで、ちょびっとのユリで、 エロ?もあったりで・・・とりあえず、合宿編23話まで読め! そして【お気に入り】登録を、【感想】をお願いします! してくれたら、作者のモチベーションがあがります おねがいします~~~~~~~~~ ___ 科学魔法と呼ばれる魔法が存在する【現代世界】 異世界から転生してきた【双子の兄】と、 兄の魔力を奪い取って生まれた【双子の妹】が、 国立関東天童魔法学園の中等部に通う、 ほのぼの青春学園物語です。 ___ 【時系列】__ 覚醒編(10才誕生日)→入学編(12歳中学入学)→合宿編(中等部2年、5月)→異世界編→きぐるい幼女編 ___ タイトル正式名・ 【アンタッチャブル・ツインズ(その双子、危険につき、触れるな関わるな!)】 元名(なろう投稿時)・ 【転生したら双子の妹に魔力もってかれた】

処理中です...