414 / 445
第11章「異世界編、始まる」
第44話「逃走」
しおりを挟む
「くっ!?」
「ウルアァァァ!!」
有紗に向かって突っ込んでくるベオウルフマンに有紗は銃で応戦した。
しかし、それをもろともせず突っ込んでいくベオウルフマン。
「はあぁっ!!」
「ッ!?」
そのとき、みのりはベオウルフマンの側頭部にラ◯ダーキックをお見舞いした。
そうか。ほぼほぼ忘れていたが、みのりは吸血鬼のハーフだった。ステータスではなぜか有紗に若干劣っているものの身体能力は高い方だし、なにより翼があるから空を飛べる。
「グヴゥゥゥ」
みのりに不意を突かれたベオウルフマンはふらふらとよろけた。
「ウアァァァ!!」
なんとか体勢を立て直したベオウルフマンはこんどはみのりを標的にした。
「はっ!」
ベオウルフマンはみのりを捕まえようとするが、みのりはそれを空中でひらりと回避し距離を取った。
「グルルルルル」
そんなみのりに露骨に苛立ちを見せるベオウルフマン。今のはけっこう頭にキタようだ。
「私はまだ戦えます! だから、今のうちに逃げてください!」
みのりは俺達に向かって逃げるように促した。たしかに疲弊しきった有紗よりかはまだ戦力にはなる。ここはみのりに時間を稼いでもらって、その間に有紗達を逃した方がよさそうだ。
「有紗、行くぞ!?」
「なっ?! ちょっと?!」
俺はとりあえず有紗を逃がすために半ば強引に背負って逃げることにした。
「梓、行くぞ!?」
「う、うん!」
有紗を背負った俺は梓にも促しながら走り出した。
とにかく逃げることしか考えておらず、来た道かどうかもわからない獣道をひたすら走り続けた。
「ウルアァァァ!」
無論、ベオウルフマンは逃げる俺達を追いかけてくる。足の速さは向こうの方が圧倒的に速いし、後ろから迫って来るような足音がめちゃくちゃ怖い。
「はあっ!!」
しかし、空からみのりが良いタイミングでちょっかいを出してくるおかげで距離を詰められてもすぐに離せた。
「ウガアァッ!!」
それに対してベオウルフマンはちょっかいを出してくる度にみのりを捕まえようとするが、中々捕まえられない上に獲物との距離が一向に詰められないからさらに苛立っていた。
とにかく俺達の目標はこの森から抜けることだ。それからどうするかはまだ考えていないが、とりあえず人気のある場所まで行ければ他の冒険者が助けてくれるはずだ。
あのモンスターの体力もそこそこ減っているだろうし、他の冒険者と協力できれば倒せるかもしれない。
そんなわずかな望みに賭け、俺達はひたすら走り続けた。
「ウルアァァァ!!」
有紗に向かって突っ込んでくるベオウルフマンに有紗は銃で応戦した。
しかし、それをもろともせず突っ込んでいくベオウルフマン。
「はあぁっ!!」
「ッ!?」
そのとき、みのりはベオウルフマンの側頭部にラ◯ダーキックをお見舞いした。
そうか。ほぼほぼ忘れていたが、みのりは吸血鬼のハーフだった。ステータスではなぜか有紗に若干劣っているものの身体能力は高い方だし、なにより翼があるから空を飛べる。
「グヴゥゥゥ」
みのりに不意を突かれたベオウルフマンはふらふらとよろけた。
「ウアァァァ!!」
なんとか体勢を立て直したベオウルフマンはこんどはみのりを標的にした。
「はっ!」
ベオウルフマンはみのりを捕まえようとするが、みのりはそれを空中でひらりと回避し距離を取った。
「グルルルルル」
そんなみのりに露骨に苛立ちを見せるベオウルフマン。今のはけっこう頭にキタようだ。
「私はまだ戦えます! だから、今のうちに逃げてください!」
みのりは俺達に向かって逃げるように促した。たしかに疲弊しきった有紗よりかはまだ戦力にはなる。ここはみのりに時間を稼いでもらって、その間に有紗達を逃した方がよさそうだ。
「有紗、行くぞ!?」
「なっ?! ちょっと?!」
俺はとりあえず有紗を逃がすために半ば強引に背負って逃げることにした。
「梓、行くぞ!?」
「う、うん!」
有紗を背負った俺は梓にも促しながら走り出した。
とにかく逃げることしか考えておらず、来た道かどうかもわからない獣道をひたすら走り続けた。
「ウルアァァァ!」
無論、ベオウルフマンは逃げる俺達を追いかけてくる。足の速さは向こうの方が圧倒的に速いし、後ろから迫って来るような足音がめちゃくちゃ怖い。
「はあっ!!」
しかし、空からみのりが良いタイミングでちょっかいを出してくるおかげで距離を詰められてもすぐに離せた。
「ウガアァッ!!」
それに対してベオウルフマンはちょっかいを出してくる度にみのりを捕まえようとするが、中々捕まえられない上に獲物との距離が一向に詰められないからさらに苛立っていた。
とにかく俺達の目標はこの森から抜けることだ。それからどうするかはまだ考えていないが、とりあえず人気のある場所まで行ければ他の冒険者が助けてくれるはずだ。
あのモンスターの体力もそこそこ減っているだろうし、他の冒険者と協力できれば倒せるかもしれない。
そんなわずかな望みに賭け、俺達はひたすら走り続けた。
0
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
プレッシャァー 〜農高校球児の成り上がり〜
三日月コウヤ
青春
父親の異常な教育によって一人野球同然でマウンドに登り続けた主人公赤坂輝明(あかさかてるあき)。
父の他界後母親と暮らすようになり一年。母親の母校である農業高校で個性の強いチームメイトと生活を共にしながらありきたりでありながらかけがえのないモノを取り戻しながら一緒に苦難を乗り越えて甲子園目指す。そんなお話です
*進行速度遅めですがご了承ください
*この作品はカクヨムでも投稿しております
居候高校生、主夫になる。〜娘3人は最強番長でした〜
蓮田ユーマ
青春
父親が起こした会社での致命的なミスにより、責任と借金を負い、もう育てていくことが出来ないと告白された。
宮下楓太は父親の友人の八月朔日真奈美の家に居候することに。
八月朔日家には地元でも有名らしい3人の美人姉妹がいた……だが、有名な理由は想像とはまったく違うものだった。
愛花、アキラ、叶。
3人は、それぞれが通う学校で番長として君臨している、ヤンキー娘たちだった。
※小説家になろうに投稿していて、アルファポリス様でも投稿することにしました。
小説家になろうにてジャンル別日間6位、週間9位を頂きました。
優等生の美少女に弱みを握られた最恐ヤンキーが生徒会にカチコミ決めるんでそこんとこ夜露死苦ぅ!!
M・K
青春
久我山颯空。十六歳。
市販の安いブリーチで染め上げた片側ツーブロックの髪型。これ見よがしに耳につけられた銀のピアス。腰まで下ろしたズボン、踵が潰れた上履き。誰もが認めるヤンキー男。
学力は下の下。喧嘩の強さは上の上。目つきも態度も立ち振る舞いまでもが悪い彼が通うのは、言わずと知れた名門・清新学園高等学校。
品行方正、博学卓識な者達ばかりが集まる学校には似つかわしくない存在。それは自他ともに持っている共通認識だった。
ならば、彼はなぜこの学校を選んだのか? それには理由……いや、秘密があった。
渚美琴。十六歳。
颯空と同じ清新学園に通い、クラスまでもが一緒の少女。ただ、その在り方は真逆のものだった。
成績はトップクラス。超が付くほどの美少女。その上、生徒会にまで所属しているという絵にかいたような優等生。
彼女の目標は清新学園の生徒会長になる事。そのため"取り締まり"という名の点数稼ぎに日々勤しんでいた。
交わる事などありえなかった陰と陽の二人。
ひょんな事から、美琴が颯空の秘密を知ってしまった時、物語が動き出す。
魔法少女の敵なんだが魔法少女に好意を寄せられて困ってる
ブロッコリークイーン
青春
この世界では人間とデスゴーンという人間を苦しめることが快楽の悪の怪人が存在している。
そのデスゴーンを倒すために魔法少女が誕生した。
主人公は人間とデスゴーンのハーフである。
そのため主人公は人間のフリをして魔法少女がいる学校に行き、同じクラスになり、学校生活から追い詰めていく。
はずがなぜか魔法少女たちの好感度が上がってしまって、そしていつしか好意を寄せられ……
みたいな物語です。
ペア
koikoiSS
青春
中学生の桜庭瞬(さくらばしゅん)は所属する強豪サッカー部でエースとして活躍していた。
しかし中学最後の大会で「負けたら終わり」というプレッシャーに圧し潰され、チャンスをことごとく外してしまいチームも敗北。チームメイトからは「お前のせいで負けた」と言われ、その試合がトラウマとなり高校でサッカーを続けることを断念した。
高校入学式の日の朝、瞬は目覚まし時計の電池切れという災難で寝坊してしまい学校まで全力疾走することになる。すると同じく遅刻をしかけて走ってきた瀬尾春人(せおはると)(ハル)と遭遇し、学校まで競争する羽目に。その出来事がきっかけでハルとはすぐに仲よくなり、ハルの誘いもあって瞬はテニス部へ入部することになる。そんなハルは練習初日に、「なにがなんでも全国大会へ行きます」と監督の前で豪語する。というのもハルにはある〝約束〟があった。
友との絆、好きなことへ注ぐ情熱、甘酸っぱい恋。青春の全てが詰まった高校3年間が、今、始まる。
※他サイトでも掲載しております。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる