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第11章「異世界編、始まる」

第10話「シルヴィア・アフローティア」

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 ---「さあ、着きましたよ」

 気がつくと、俺達を包んでいた光はあっという間に消えていった。

 「…ここは?」

 すると、さっきまで居たはずの大草原みたいな草花は1つもなく、どこかの宮殿のような豪華絢爛ごうかけんらんな内装をしたものが目に映った。ここは建物の中か?

 どうやら俺達は転移魔法によって場所を移動したようだ。やっぱりあの魔法は梓とかが使っていたテレポーションだったみたいだな。

 「あれ? リアクションけっこう薄いですね? もっとこう「今の光は?!」とか、「私達、さっきまで大草原に居たはずなのに?!」とか、もっと驚くかと思ってたんですけど。大抵の人はこのセリフ使うんですけどね」

 「は、はあ」

 俺達のリアクションを期待していたのか、マルクスさんは若干テンションが下がっていた。残念ながら俺達(特に俺)はとっくにその魔法は経験済みだから大して驚くことはなかった。

 「マルクス技術開発長、ようやくお戻りになられましたか」

 そのとき、後ろからだれかが声をかけてきた。それについてはけっこう驚いた。まさか後ろにだれかいるとは思わなかった。

 「あっ、シルヴィア聖騎士長!」

 どうやらマルクスさんの顔見知りらしく、マルクスさんは後ろを振り返り、その人に敬礼をし出した。ひょっとして例の会わせたい人が来たのだろうか?

 「お疲れ様です。よくぞご無事…ではなさそうですね」

 「はい。まあ毎回こんなものですから多少は慣れてますけど、さすがに今回はなかなかいいものもらっちゃいましたね」

 マルクスさんとその人は冗談混じりになにか話しているようだが、おそらく俺達に関する話をしているのだろう。

 それより、話を聞いている感じ、相手は若い女性のようだ。さっきマルクスさんがと言っていたが、それってけっこう位が高い人なのではないか? 七◯の大◯だったら国王の次に偉いぞ?

 「それで、そちらの方々が今回の?」

 「ええ。今回の転移で装置が寿命を迎えてしまったので、彼等には頑張ってもらいたいのですが」

 「まあそれは本人達の意思次第にもよると思いますけどね」

 2人の話の内容も気になるところだが、それよりも相手の女性が気になる。3人も気になっていたのか、俺達はほぼ同時に後ろを振り返った。

 「ああ。自己紹介が遅れてしまいましたね。私はアルディーン国聖騎士長のシルヴィア・アフローティアと申します。以後、お見知りおきを」

 後ろを振り返ると、そこには銀白の鎧を身に纏った凛々しい女性が立っていた。
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