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第10章「初めての学園祭」
第5話「さの付く苗字多過ぎねーか?」
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---「……」
しばらくしたあと、俺達男子は隣の空き教室に移動させられていた。
わざわざ空き教室に移動させられた理由は、早川さんのお願いで、出来上がった衣装の試着をするためである。当然、着替えをするわけだから男女別々にしなければいけないのだ、
「どお? サイズ、キツくない?」
「うん! ちょうどいい感じ」
「すっごーい! その衣装、かわいいー♡」
「……」
隣から女子達の楽しそうな声がはっきりと聞こえてくるほど、俺達のいる教室は静まりかえっていた。まるで、死刑執行を待つ囚人達のような重苦しい雰囲気が漂っていた。
最初はぶつくさ文句ばっかり言っていた女子達だったが、気がつくとかなり乗り気になっている。学園祭だからというのもあるだろうが、本当はコスプレとかそういうのに興味があったのだろうか? それともただ単純に学園祭が楽しみなだけなのだろうか? んー、やっぱり女子ってわからん。
それに比べ男子は相変わらず沈黙の空気が流れている。まあみんなハズレを引いてしまったから、仕方ないのかもしれないが。
「…なあ、今の声、笹野かなぁ? どんなの着んだろう?」
「やっぱ、メイド服じゃねーの? 俺、佐々木さんに着て欲しいなー♡」
「俺は沢村さんのチャイナドレス姿が見たい!」
「僕は佐野さんのブルマが見たいですね!」
「だったら俺は澤部にゴスロリ1票だ!!」
「なら俺は沢谷さんに…」
「……」
と思っていた矢先だった。1人の男子が問いかけた途端、溜め込んでいたかのように各々しゃべり始めた。どうやら黙っていたのは、恥ずかしい衣装を着なければいけないというショックからではなく、単純に隣にいる女子達の会話を盗み聞きするためだったようだ。
まさかあんなに重たい雰囲気を漂わせてまで会話を盗み聞きしたかったとはな。男子も男子でよくわからん。
つーかウチのクラス、さの付く苗字多過ぎねーか? なんでこのクラスにさの付く苗字が集結してんだ? いや、そう言われると俺もさなんだけどさ。
「キャー♡ 夏目さん、かわいいー♡」
「そ、そう?」
「うんうん。すっごくかわいいよ!」
「……」
そんなことを思っていると、女子達がものすごいはしゃいでいる声が聞こえてきた。どうやら有紗の衣装姿を見て、大はしゃぎしているようだ。
「な、なあ。夏目さんってなに着るのかなぁ?」
「女子達のはしゃぎようからして多分、すごいいいやつ着てるんじゃないか?」
「夏目さんかあ。夏目さんも捨てがたいなー」
「ちょっと冷たい感じするけど、それがまたいいんだよなぁ。俺、夏目さんに罵られたいかも」
「うん。それ、悪くないかも」
「……」
女子達のはしゃぎようを盗み聞きしていた男子達は有紗の話で持ちきりなっていた。
こいつら言ってやりたい。あいつは口より先に手が出るほどの凶暴なやつだから、あまりそういうのを期待したらいけないということを。あと、殴られそうになったら死を覚悟しておいた方がいい。
「男子達ー、おまたせー!」
「ッ!?」
みんなが有紗の話で盛り上がる中、俺達がいる空き教室に早川さんが入ってきた。それを見て男子達は慌てて会話を止めた。盗み聞きしていたのをバレたくないのだろう。
「それじゃあ、始めよっか!」
しばらくしたあと、俺達男子は隣の空き教室に移動させられていた。
わざわざ空き教室に移動させられた理由は、早川さんのお願いで、出来上がった衣装の試着をするためである。当然、着替えをするわけだから男女別々にしなければいけないのだ、
「どお? サイズ、キツくない?」
「うん! ちょうどいい感じ」
「すっごーい! その衣装、かわいいー♡」
「……」
隣から女子達の楽しそうな声がはっきりと聞こえてくるほど、俺達のいる教室は静まりかえっていた。まるで、死刑執行を待つ囚人達のような重苦しい雰囲気が漂っていた。
最初はぶつくさ文句ばっかり言っていた女子達だったが、気がつくとかなり乗り気になっている。学園祭だからというのもあるだろうが、本当はコスプレとかそういうのに興味があったのだろうか? それともただ単純に学園祭が楽しみなだけなのだろうか? んー、やっぱり女子ってわからん。
それに比べ男子は相変わらず沈黙の空気が流れている。まあみんなハズレを引いてしまったから、仕方ないのかもしれないが。
「…なあ、今の声、笹野かなぁ? どんなの着んだろう?」
「やっぱ、メイド服じゃねーの? 俺、佐々木さんに着て欲しいなー♡」
「俺は沢村さんのチャイナドレス姿が見たい!」
「僕は佐野さんのブルマが見たいですね!」
「だったら俺は澤部にゴスロリ1票だ!!」
「なら俺は沢谷さんに…」
「……」
と思っていた矢先だった。1人の男子が問いかけた途端、溜め込んでいたかのように各々しゃべり始めた。どうやら黙っていたのは、恥ずかしい衣装を着なければいけないというショックからではなく、単純に隣にいる女子達の会話を盗み聞きするためだったようだ。
まさかあんなに重たい雰囲気を漂わせてまで会話を盗み聞きしたかったとはな。男子も男子でよくわからん。
つーかウチのクラス、さの付く苗字多過ぎねーか? なんでこのクラスにさの付く苗字が集結してんだ? いや、そう言われると俺もさなんだけどさ。
「キャー♡ 夏目さん、かわいいー♡」
「そ、そう?」
「うんうん。すっごくかわいいよ!」
「……」
そんなことを思っていると、女子達がものすごいはしゃいでいる声が聞こえてきた。どうやら有紗の衣装姿を見て、大はしゃぎしているようだ。
「な、なあ。夏目さんってなに着るのかなぁ?」
「女子達のはしゃぎようからして多分、すごいいいやつ着てるんじゃないか?」
「夏目さんかあ。夏目さんも捨てがたいなー」
「ちょっと冷たい感じするけど、それがまたいいんだよなぁ。俺、夏目さんに罵られたいかも」
「うん。それ、悪くないかも」
「……」
女子達のはしゃぎようを盗み聞きしていた男子達は有紗の話で持ちきりなっていた。
こいつら言ってやりたい。あいつは口より先に手が出るほどの凶暴なやつだから、あまりそういうのを期待したらいけないということを。あと、殴られそうになったら死を覚悟しておいた方がいい。
「男子達ー、おまたせー!」
「ッ!?」
みんなが有紗の話で盛り上がる中、俺達がいる空き教室に早川さんが入ってきた。それを見て男子達は慌てて会話を止めた。盗み聞きしていたのをバレたくないのだろう。
「それじゃあ、始めよっか!」
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