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第10章「初めての学園祭」
第4話「早川礼奈」
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2016/9/26
---学園祭まで残り2週間を切っていた。他のクラスの様子を見ると、順調に完成に向かっているところもあるが、なにかしらのトラブルが起きたのか、ドタバタしているところもあった。
ウチのクラスは特に問題もなく、内装は着実に完成しているし、コスプレ喫茶で出すメニューもほとんど決まってきている。順調にいけば、今週中には完成できそうな勢いだった。
だかしかし、ウチのクラスには1つだけ問題があった。いや、これは個人的な問題というべきか。
「……」
いや、やっぱりこれはウチのクラスの問題になりつつある。周りを見て見ると、何人かよそよそしい雰囲気を醸し出しているやつがいる。特に男子の方が。
---「おっまったせー!!」
「ッ!?」
それから1時間ぐらい経った頃、教室の扉を勢いよく開け、数人の女子が教室に入ってきた。
その瞬間、クラス全員が『来た!』と心の中で思いながらも視線を彼女達に向けた。
教室に入ってきた彼女達は家庭科部のメンバーだった。
家庭科部のメンバーは衣装作りを担当しており、この間のクジ引きのあと、すぐにクラス全員の採寸を測っていた。
そして、みのりから紙を受け取り、家庭科室に向かって行ったのだった。おそらく受け取った紙にはだれがなにを着るのか書かれていたのだろう。
それからしばらくは俺達クラスメイトとは別で家庭科室にこもり、衣装製作に勤しんでいたようだ。まあ40人全員の衣装をたった数人で作るとなると、かなりの時間が必要になるはずだからな。
「早川さん。衣装製作の方は順調ですか?」
そんな家庭科部に視線を集中していると、みのりが真っ先に家庭科部のメンバーの1人である早川 礼奈さんに声をかけていた。
どうやら早川さんが衣装製作を仕切っているらしく、衣装のデザインとかもほとんど早川さんが考えているらしい。
失礼な話かもしれないが、健康的な褐色の肌と引き締まった身体だったから、俺は彼女を最初見たとき、陸上部かそういう系の運動部に入ってる人だと思ってた。
しかし、早川さんは体育の成績はごく普通なのだが、家庭科の成績はかなり良い。実際に家庭科の授業を見ても、料理も裁縫もクラスの中で1番上手い。
家庭的で顔もスタイルも良いし、実はけっこうモテると思う。今まで有紗やみのりとかが目立ち過ぎていて気づかなかったが。そう言われてみると、けっこうこのクラス、いやこの学校の女子のレベルが高い気がする。
「うん! まだ全員分はできてないけど、何人かのはできてるよ」
「さすが早川さん。仕事が早くて助かります」
「えへへー♡ まあみんなの作業が速かったおかげなんだけどね」
みのりは自分の問いかけに答えた早川さんに賞賛の言葉を送ると、早川さんは照れ笑いを浮かべながらそう言った。
たしかに、クラス全員の衣装を学園祭当日までに作るのは難しいはずだ。早川さんだけでなく、他の家庭科部のメンバーの人達も相当頑張っていたんだろうな。
「それでさー、みんなにお願いがあるんだけど」
「お願い、ですか?」
そんな早川さん達からクラス全員にお願いがあるらしい。一体、なんなのだろうか?
「サイズ合ってるか確認したいから、何人か試着お願いしたいんだけど、いいかな?」
---学園祭まで残り2週間を切っていた。他のクラスの様子を見ると、順調に完成に向かっているところもあるが、なにかしらのトラブルが起きたのか、ドタバタしているところもあった。
ウチのクラスは特に問題もなく、内装は着実に完成しているし、コスプレ喫茶で出すメニューもほとんど決まってきている。順調にいけば、今週中には完成できそうな勢いだった。
だかしかし、ウチのクラスには1つだけ問題があった。いや、これは個人的な問題というべきか。
「……」
いや、やっぱりこれはウチのクラスの問題になりつつある。周りを見て見ると、何人かよそよそしい雰囲気を醸し出しているやつがいる。特に男子の方が。
---「おっまったせー!!」
「ッ!?」
それから1時間ぐらい経った頃、教室の扉を勢いよく開け、数人の女子が教室に入ってきた。
その瞬間、クラス全員が『来た!』と心の中で思いながらも視線を彼女達に向けた。
教室に入ってきた彼女達は家庭科部のメンバーだった。
家庭科部のメンバーは衣装作りを担当しており、この間のクジ引きのあと、すぐにクラス全員の採寸を測っていた。
そして、みのりから紙を受け取り、家庭科室に向かって行ったのだった。おそらく受け取った紙にはだれがなにを着るのか書かれていたのだろう。
それからしばらくは俺達クラスメイトとは別で家庭科室にこもり、衣装製作に勤しんでいたようだ。まあ40人全員の衣装をたった数人で作るとなると、かなりの時間が必要になるはずだからな。
「早川さん。衣装製作の方は順調ですか?」
そんな家庭科部に視線を集中していると、みのりが真っ先に家庭科部のメンバーの1人である早川 礼奈さんに声をかけていた。
どうやら早川さんが衣装製作を仕切っているらしく、衣装のデザインとかもほとんど早川さんが考えているらしい。
失礼な話かもしれないが、健康的な褐色の肌と引き締まった身体だったから、俺は彼女を最初見たとき、陸上部かそういう系の運動部に入ってる人だと思ってた。
しかし、早川さんは体育の成績はごく普通なのだが、家庭科の成績はかなり良い。実際に家庭科の授業を見ても、料理も裁縫もクラスの中で1番上手い。
家庭的で顔もスタイルも良いし、実はけっこうモテると思う。今まで有紗やみのりとかが目立ち過ぎていて気づかなかったが。そう言われてみると、けっこうこのクラス、いやこの学校の女子のレベルが高い気がする。
「うん! まだ全員分はできてないけど、何人かのはできてるよ」
「さすが早川さん。仕事が早くて助かります」
「えへへー♡ まあみんなの作業が速かったおかげなんだけどね」
みのりは自分の問いかけに答えた早川さんに賞賛の言葉を送ると、早川さんは照れ笑いを浮かべながらそう言った。
たしかに、クラス全員の衣装を学園祭当日までに作るのは難しいはずだ。早川さんだけでなく、他の家庭科部のメンバーの人達も相当頑張っていたんだろうな。
「それでさー、みんなにお願いがあるんだけど」
「お願い、ですか?」
そんな早川さん達からクラス全員にお願いがあるらしい。一体、なんなのだろうか?
「サイズ合ってるか確認したいから、何人か試着お願いしたいんだけど、いいかな?」
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