俺の高校生活に平和な日常を

第7章番外編「私の初めて」

第4話「調べもの」

　「…えーっと…」

　それから数時間、私はタイムループに関する情報を洗いざらい調べていた。発動に必要な条件や発動方法、解除方法など、本には色々な情報が載っていた。

　中でも私は解除方法についてを重点的に調べていた。まずはこの状況を打破する。そうすれば今回の件の首謀者がまた動き出すはず。犯人探しはそれからにすればいい。あっちも解除したやつを探すでしょうし。

　「ん？　これは…」

　そんなことを思っていると、ふと一冊の本に私は目を奪われていた。

　それは魔剣十指の１つといわれているエンドレス・リアルについて書かれていた本だった。たしかこれもタイムループみたいな能力だったかしら？

　だけど、魔剣十指の所在を知っているものはいないはず。この間、ミシェーラが持っていたマジック・イーターだって、きっと偶然見つけたもの。他の魔剣がだれかの手に渡っている可能性はかなり低い。あれはそれだけ入手困難な代物だから。

　「…いちおう確認してみようかしら」

　とりあえず調べてみようと私はその本を手に取った。いちおうなにか参考になるようなことが書かれているかもしれないしね。

　「…なにコレ」

　しかし、その本はなんともふざけていた。ほとんどのページが真っ白だったのだ。

　唯一書かれていたのは解除方法だけだった。しかもその解除方法は『異性との接吻』。どこのおとぎ話よ。

　「……」

　一瞬、燃やしてしまおうかと思ったが、ママが残した本だから留めておくことにした。しかしママもよくこんなくだらない本を残していたものだ。この本の著者もなぜこんなふざけた内容の本を作ってしまったのだろうか？　それだけこと魔剣の情報が少ないということなのかしら？

　「とにかく色々試してみるしかないわね」

　そして、本を読み終えた私は早速、解除を色々試してことにした。

　時間を確認してみると夜の12時をとっくに越えていた。日付けの方は2016年の9月1日になっている。やっぱりこの島は干渉を受けていないから正常に動いているみたい。ただ、私が外に出るとこの島にも影響を受けタイムループを起こしてしまうようね。現に本当なら今日の日付は2016年の9月2日になっているはずだしね。

　「ここだけ影響が受けないしても現状はなにも変わらない。さっさとこの現象を止めないと」

　そう思った私はすぐに空間魔法を出し外に飛び出して行った。