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第6章「ようこそ愛ヶ咲島」
第27話「愛結びの儀」
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---『皆さま、この度は愛ヶ咲島及び愛咲祭にご参加いただき、まことにありがとうございます!』
岬に着くと大きな銅像が見えてきた。あれがメインイベントに使うっていう銅像だろうか。思っていた以上に大きいな。
銅像は10メートルは軽く超えていてほぼ半裸状態の女性像だった。よく世界史の教科書とかで載っていそうな銅像だ。
その銅像の前で誰かがハンディメガホンを使って挨拶をしていた。
「アレ? あの人、ひょっとして…」
しかしどこか聞き覚えのある声だった。俺はそれが気になり銅像の前にいる人に視線を向けた。
『愛咲祭の歴史はまだ浅いにも関わらず、これだけの方がおいでくださるとは、我々実行委員会としては、大変嬉しく思います!」
「…相田さん?」
視線の先には相田さんの姿があった。話を聞く限りどうやら相田さんはこの祭の実行委員会のメンバーの1人らしい。民宿をやりながらこの祭の準備を進めていたとは、随分大変だったろうな。
『…えー、それではですね、愛咲祭のメインイベントとなります、愛結びの儀を執り行いたいと思います! 皆様、こちらの像の前にお集まりください!』
相田さんは挨拶を済ませると、皆んなに銅像の前に集まるように促した。いよいよ愛結びの儀が始まるようだ。
皆んな相田さんに促されぞろぞろと銅像の前に歩いて行く。まるでこれから大きな花火が打ち上げられるかのような盛況ぶりだった。
「さっ、和彦君、私達も行きましょう!」
「ああ、わか…ん?」
俺はみのりに促され銅像の前に集まろうとしたが、ふと後ろを振り返ると、梓とイーリスちゃんが、なにやら話し込んでいた。
「梓、イーリスちゃん?! そろそろ始まるみたいだぞ?!」
「うん、わかった! お兄ちゃん達先に行ってていいよ!」
「? ああ、わかった」
俺は2人の様子が気になり声をかけてみたが、梓に先に行くように言われたので、俺はみのりと有紗について行った。まあ別に俺が気にするようなことでもないっか。
『さあ皆さん! 準備はよろしいですか?! 愛結びの儀はこちらにある愛の女神・アプロディーテー像に祈りを捧げ、恋愛が成就するよう祈願する儀式です! 皆さまの恋が実るよう誠意を込めて祈りましょう!』
梓とイーリスちゃんが中々戻って来ない中、相田さんは愛結びの儀についての説明をし始めた。なるほど。俺は相田さんの説明を聞いて噂の根源について理解した。この儀式を行なった人が偶然結ばれて、それが噂として広まったのだろう。まあ噂なんてしょせんそんなものか。
『さあ皆さん! 祈りを捧げる前にアプロディーテー像をご覧ください!』
すると今度は銅像を見るように促す相田さん。あの像に何かあるのだろうか?
「…えっ?」
すると俺も含め、周りの人達もざわつき始めた。
「…なんだよ、あの光」
なぜなら目の前にあるアプロディーテー像の目が赤く光り、その光りが皆んなを包むように広がり出したのだ。
「うおっ! 眩しい!!」
「きゃあ! 何この光り?!」
「なんだよこれ、なんも見えねーよ!?」
光りに包まれた皆んなは次々と悲鳴をあげた。あまりの明るさで目が開けられなくなった。ライトの調整を間違えたとか、そういうレベルじゃねーぞこれ!
『さあ、皆さん。祈りを捧げなさい』
光りの中で聞こえる相田さんの声が妙に怪しげだった。一体、どういうことなのか?
「うっ…」
そんなことを考えていると、急に眠気が襲ってきた。これは由佳さんの時と同じ感覚だった。
「まさか、相田さ…」
俺は薄々嫌な予感がしたが、それは既に手遅れとなり、そのまま気を失うのだった。
岬に着くと大きな銅像が見えてきた。あれがメインイベントに使うっていう銅像だろうか。思っていた以上に大きいな。
銅像は10メートルは軽く超えていてほぼ半裸状態の女性像だった。よく世界史の教科書とかで載っていそうな銅像だ。
その銅像の前で誰かがハンディメガホンを使って挨拶をしていた。
「アレ? あの人、ひょっとして…」
しかしどこか聞き覚えのある声だった。俺はそれが気になり銅像の前にいる人に視線を向けた。
『愛咲祭の歴史はまだ浅いにも関わらず、これだけの方がおいでくださるとは、我々実行委員会としては、大変嬉しく思います!」
「…相田さん?」
視線の先には相田さんの姿があった。話を聞く限りどうやら相田さんはこの祭の実行委員会のメンバーの1人らしい。民宿をやりながらこの祭の準備を進めていたとは、随分大変だったろうな。
『…えー、それではですね、愛咲祭のメインイベントとなります、愛結びの儀を執り行いたいと思います! 皆様、こちらの像の前にお集まりください!』
相田さんは挨拶を済ませると、皆んなに銅像の前に集まるように促した。いよいよ愛結びの儀が始まるようだ。
皆んな相田さんに促されぞろぞろと銅像の前に歩いて行く。まるでこれから大きな花火が打ち上げられるかのような盛況ぶりだった。
「さっ、和彦君、私達も行きましょう!」
「ああ、わか…ん?」
俺はみのりに促され銅像の前に集まろうとしたが、ふと後ろを振り返ると、梓とイーリスちゃんが、なにやら話し込んでいた。
「梓、イーリスちゃん?! そろそろ始まるみたいだぞ?!」
「うん、わかった! お兄ちゃん達先に行ってていいよ!」
「? ああ、わかった」
俺は2人の様子が気になり声をかけてみたが、梓に先に行くように言われたので、俺はみのりと有紗について行った。まあ別に俺が気にするようなことでもないっか。
『さあ皆さん! 準備はよろしいですか?! 愛結びの儀はこちらにある愛の女神・アプロディーテー像に祈りを捧げ、恋愛が成就するよう祈願する儀式です! 皆さまの恋が実るよう誠意を込めて祈りましょう!』
梓とイーリスちゃんが中々戻って来ない中、相田さんは愛結びの儀についての説明をし始めた。なるほど。俺は相田さんの説明を聞いて噂の根源について理解した。この儀式を行なった人が偶然結ばれて、それが噂として広まったのだろう。まあ噂なんてしょせんそんなものか。
『さあ皆さん! 祈りを捧げる前にアプロディーテー像をご覧ください!』
すると今度は銅像を見るように促す相田さん。あの像に何かあるのだろうか?
「…えっ?」
すると俺も含め、周りの人達もざわつき始めた。
「…なんだよ、あの光」
なぜなら目の前にあるアプロディーテー像の目が赤く光り、その光りが皆んなを包むように広がり出したのだ。
「うおっ! 眩しい!!」
「きゃあ! 何この光り?!」
「なんだよこれ、なんも見えねーよ!?」
光りに包まれた皆んなは次々と悲鳴をあげた。あまりの明るさで目が開けられなくなった。ライトの調整を間違えたとか、そういうレベルじゃねーぞこれ!
『さあ、皆さん。祈りを捧げなさい』
光りの中で聞こえる相田さんの声が妙に怪しげだった。一体、どういうことなのか?
「うっ…」
そんなことを考えていると、急に眠気が襲ってきた。これは由佳さんの時と同じ感覚だった。
「まさか、相田さ…」
俺は薄々嫌な予感がしたが、それは既に手遅れとなり、そのまま気を失うのだった。
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