164 / 445
第5章「隣人のお姉さんにはご注意を」
第15話「名探偵アリサの事件簿(後編)」
しおりを挟む
「? スマホ?」
有紗が懐から取り出したのは一台のスマホだった。有紗が普段から使っているごく普通のスマホのようだが、そのスマホに何があるというのだろうか?
「この声、聞き覚えないかしら?」
有紗はそう言いながらスマホを素早く操作し出した。有紗の言い方からして何かを録音していたようだが。
『ふふふっ♡ これで6人目かしら?』
「?!」 「?!」
すると有紗が再生した音声に聞き覚えのある声が聞こえてきた。っていうか、この声ってまさか…
『藤波君ってば、見かけによらず強引なんだから♡』
間違いなく目の前にいる由佳さんの声だった。藤波君って、さっき有紗が言っていた前に住んでいた隣人さんのことだろうか?
『でもおかげでこんなに精気がしぼり取れたわ♡ 彼には感謝しないとね』
声のトーンからしてかなり上機嫌のようだったが、それがかなり不気味に感じた。
『まあもう死んじゃったけどね、ふふふっ♡』
そして再生された音声から決定的な証言が出てきた。由佳さんはたしかに『死んじゃった』と言っている。聞き間違いようがない。
「……」
それを聞いて由佳さんは俯いたまま黙り始めた。どうやら本人にも心当たりがあるようだ。
「どお? 私のスマホ、改造して盗聴機能が付いてあるの。これで隣の部屋のあんたの声を盗み聞きさせてもらったのよ」
有紗は録音した音声を一時停止し自慢気に暴露してきた。スマホに盗聴機能を付けるとはなんと恐ろしい子。俺の部屋も盗聴されているのではと考えるとより恐ろしい。今後、自分の部屋でも迂闊に変なことは言えんな。
「あんたは自分で藤波が死んだと言ったわ。この続きでもあんたは自分の犯罪を語ってる。それと次のターゲットがこいつであることもね。覚えがあるんじゃないの?」
そして有紗は由佳さんに問い詰めてくる。しかし由佳さんは俯いたまま何も喋ろうとしない。最早、認めているようなものだ。
「…ふふふっ…」
だが、暫くした後、由佳さんは俯いたまま突然、笑い始めた。よくドラマとかでみる追い込まれて可笑しくなってしまったのだろうか?
「まさか、こんな可愛いらしい女の子に見つかってしまうなんてね。けど、残念」
「?!」
そう思っていた矢先だった。由佳さんは不敵な笑みを浮かべると突然、目の前から姿を消した。いや、消えたというより暗闇に同化したように見えた。
そして元々暗かった部屋がより一層暗くなっていく。足元どころか俺を担いでいる有紗の姿もよく見えない。
だが、暫くすると目が慣れてきて有紗の姿を確認できる程度には見えるようになった。
しかし、有紗の様子がどこかおかしい。息づかいが少し荒くなっているような気がする。さっきまで全然普通だったのに。
「ふふふっ♡ あなた達はここで終わりよ!」
有紗が懐から取り出したのは一台のスマホだった。有紗が普段から使っているごく普通のスマホのようだが、そのスマホに何があるというのだろうか?
「この声、聞き覚えないかしら?」
有紗はそう言いながらスマホを素早く操作し出した。有紗の言い方からして何かを録音していたようだが。
『ふふふっ♡ これで6人目かしら?』
「?!」 「?!」
すると有紗が再生した音声に聞き覚えのある声が聞こえてきた。っていうか、この声ってまさか…
『藤波君ってば、見かけによらず強引なんだから♡』
間違いなく目の前にいる由佳さんの声だった。藤波君って、さっき有紗が言っていた前に住んでいた隣人さんのことだろうか?
『でもおかげでこんなに精気がしぼり取れたわ♡ 彼には感謝しないとね』
声のトーンからしてかなり上機嫌のようだったが、それがかなり不気味に感じた。
『まあもう死んじゃったけどね、ふふふっ♡』
そして再生された音声から決定的な証言が出てきた。由佳さんはたしかに『死んじゃった』と言っている。聞き間違いようがない。
「……」
それを聞いて由佳さんは俯いたまま黙り始めた。どうやら本人にも心当たりがあるようだ。
「どお? 私のスマホ、改造して盗聴機能が付いてあるの。これで隣の部屋のあんたの声を盗み聞きさせてもらったのよ」
有紗は録音した音声を一時停止し自慢気に暴露してきた。スマホに盗聴機能を付けるとはなんと恐ろしい子。俺の部屋も盗聴されているのではと考えるとより恐ろしい。今後、自分の部屋でも迂闊に変なことは言えんな。
「あんたは自分で藤波が死んだと言ったわ。この続きでもあんたは自分の犯罪を語ってる。それと次のターゲットがこいつであることもね。覚えがあるんじゃないの?」
そして有紗は由佳さんに問い詰めてくる。しかし由佳さんは俯いたまま何も喋ろうとしない。最早、認めているようなものだ。
「…ふふふっ…」
だが、暫くした後、由佳さんは俯いたまま突然、笑い始めた。よくドラマとかでみる追い込まれて可笑しくなってしまったのだろうか?
「まさか、こんな可愛いらしい女の子に見つかってしまうなんてね。けど、残念」
「?!」
そう思っていた矢先だった。由佳さんは不敵な笑みを浮かべると突然、目の前から姿を消した。いや、消えたというより暗闇に同化したように見えた。
そして元々暗かった部屋がより一層暗くなっていく。足元どころか俺を担いでいる有紗の姿もよく見えない。
だが、暫くすると目が慣れてきて有紗の姿を確認できる程度には見えるようになった。
しかし、有紗の様子がどこかおかしい。息づかいが少し荒くなっているような気がする。さっきまで全然普通だったのに。
「ふふふっ♡ あなた達はここで終わりよ!」
0
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
Bグループの少年
櫻井春輝
青春
クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる