俺の高校生活に平和な日常を

慶名 安

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第5章「隣人のお姉さんにはご注意を」

第9話「由佳さんの目論見」

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 ---「…ん、んんー…っ!」

 徐々に意識が戻るとひどい頭痛がした。頭を鈍器で殴られたような痛みだ。流血とかしてないよな?

 「あら? 案外早いお目覚めね。おはよう、和彦くん♡」

 「…えっ?」

 そんな中、聞き覚えのある声が聞こえてきた。そういえば俺、由佳さんと話していた気がするのだが…って待て、この声、まさか…

 「…由佳…さ…うおっ!?」

 俺がふと顔を上げるとそこには由佳さんが不敵な笑みを浮かべながら俺を見下ろしていた。いや、見下ろしてるっていうか俺が座っていただけか。

 そんなことよりも彼女の姿に俺は思わず顔を背けた。Tシャツではなく胸からヘソ下までぱっくり開いたボンテージ姿だったのだ。童貞の俺にはあまりにも刺激が強すぎて直視出来ない。

 「うふふ♡ どうしたの和彦くん? 顔が真っ赤よ。ふふ、かわいい♡」

 「ど、ど、どうしたって、ゆ、ゆ、由佳さんこそ、な、な、なんですかその格好?!」

 突然のセクシー姿に動揺しまくる俺。そんな俺を面白がる彼女はどこかみのりに似てる気がする。くそ、完全にからかわれてる。

 「…って、アレ?」

 しかしそんなことよりなんか手がシビれてると思ったら両手を縄か何かで縛られていることに今更ながらに気づいた。これは一体どういうことだ?

 「アラ? 今更気づいたの? ふふっ、けど無駄よ。少なくとも今の君じゃあ無理でしょうね。試しに立ってみたら?」

 「えっ?」

 由佳さんがいきなり意味深なことを言いだしてふと自分の状態を確認してみる。両手は縛られているが足は縛られていない。

 だが身体に全く力が入らず立とうとしてもその場でコケてしまう。縄を自力で解こうとしたがそれも無理だった。

 しかしなぜか異常にムズムズいや、ムラムラする。まあ彼女のボンテージ姿が俺の息子に活力を与えているのかもしれないが。

 「ふふ♡ どうやら私特製の媚薬が効いてきてるみたいね」

 「び、媚薬?!」

 俺の状態を知ってか彼女は愉快そうにそう言った。媚薬なんてエロ本ぐらいでしか聞いたことないが、まさか本当にそんなものが? いやそれよりも聞かなければいけないことがあるはずだ。

 「由佳さん。これは一体なんのマネですか?」

 「んん?」

 俺はようやく本題を聞き出すことにした。この状況から察するに俺は由佳さんに拘束されている。

 しかし目的はなんだ? 拘束した割には口も塞いでないし声は発せられる。俺が大声をあげれば助けを呼ぶことは少なからず可能だ。要するに犯行を及ぶにしては甘すぎる犯行なのだ。

 「目的? それはねー…」

 だが彼女は不敵な笑みで口を開いた。その時の表情は寒気がするほど恐ろしく嫌な予感をさせられた。

 「君の精気を奪うことかな♡」
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