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第4章番外編「私の守りたいもの」
第11話「魔剣『魔法喰』」
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「ッ!? アンタ、その剣…」
ミシェーラが空間魔法で取り出した剣にはとてつもなく禍々しい魔力を感じる。まさかあの剣は…
「どうよ? 魔剣十指(まけんじゅっし)の1つ『魔法喰』、カッコいいでしょ?」
「魔剣十指?! なんでそんなものをアンタが…」
魔剣は魔法道具の中でも強力な代物でさらにその中でも魔剣十指は名工の刀鍛冶の剣に強力な魔力を込められ造られた世界で十本しか存在しない最強クラスの魔法道具。さらに付け加えると魔法喰は魔剣十指でも最強の剣。
その剣は名前の通りあらゆる魔法を喰らう。だが最強がゆえに危険視されその剣を造った本人が数十年も前にどこかに隠したと言われている。そんな代物をアイツはどこで手に入れたの?
「伝説の魔剣をどうして持ってんの? って顔してんねー」
「……」
そりゃあそうよ。伝説の魔剣と言われた魔剣十指、行方を知る者なんているとは思えない。っていうことは、アレはニセモノ? いや、あの剣に宿る禍々しい魔力はただの魔剣ではない。
全長2メートルは超える大剣に魔力が漆黒のオーラと化して剣に纏っている。実物を見たことはないがアレはおそらく本物だろう。
「へへっ、この間ママが見つけて私にくれたんだよ。最初は私も信じられなかったけど、この剣を握った時、間違いなく本物だって思ったよ。試し斬りもしたしなあ」
ママが見つけた? まさかミージュラは魔剣十指を探していたの? 一体何の為に?
私のママ、アイリスが亡くなり事実上今のトップはミージュラになっている。しかし未だにミージュラの素性があまり知られていない。私もミージュラの顔を一度も見たことがない。
「どうしたイーリス? まさかこんなことになるなんて想像もつかなかったんだろ? 私もアンタと同じ立場ならそう思うしね」
「アンタがどう思おうが知ったことじゃないわよ」
ミシェーラはまた人を見透かしたような聞き方をしてくるが変わらず冷たい態度で返す。まあ今のは本音だったのだけれど。
「ホンッット冷たいよねー。いつからそんな冷たい子になったんだか。まあいいや」
ミシェーラはそんな私の態度につまらなそうな表情を見せてくる。自分であんなことしておいてよくそんなことが言えたわね。
そんなつまらなそうな表情を戻しミシェーラはいつもの不適な笑みを浮かべ本題に入ろうとしていた。
「いちおう言っておくけど、この島を明け渡すっていう平和的選択肢もあるんだけど…」
「ふざけるなっ!!」
「ッ!?」
呆れた発言に思わず大声を出してしまった。我ながららしくないことをしたとは思うがそれも当然よ。ここを明け渡す? ふざけないで!
「アンタ達なんかに渡すものか! この島は私が守る!!」
そう。私にはこの島を守る理由がある。だから誰であってもどんなことがあっても絶対に渡さない!そう思いながら私は魔法書を力強く握りしめる。
「かかってきなさい!! ミシェーラ!!」
ミシェーラが空間魔法で取り出した剣にはとてつもなく禍々しい魔力を感じる。まさかあの剣は…
「どうよ? 魔剣十指(まけんじゅっし)の1つ『魔法喰』、カッコいいでしょ?」
「魔剣十指?! なんでそんなものをアンタが…」
魔剣は魔法道具の中でも強力な代物でさらにその中でも魔剣十指は名工の刀鍛冶の剣に強力な魔力を込められ造られた世界で十本しか存在しない最強クラスの魔法道具。さらに付け加えると魔法喰は魔剣十指でも最強の剣。
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「伝説の魔剣をどうして持ってんの? って顔してんねー」
「……」
そりゃあそうよ。伝説の魔剣と言われた魔剣十指、行方を知る者なんているとは思えない。っていうことは、アレはニセモノ? いや、あの剣に宿る禍々しい魔力はただの魔剣ではない。
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「へへっ、この間ママが見つけて私にくれたんだよ。最初は私も信じられなかったけど、この剣を握った時、間違いなく本物だって思ったよ。試し斬りもしたしなあ」
ママが見つけた? まさかミージュラは魔剣十指を探していたの? 一体何の為に?
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「アンタがどう思おうが知ったことじゃないわよ」
ミシェーラはまた人を見透かしたような聞き方をしてくるが変わらず冷たい態度で返す。まあ今のは本音だったのだけれど。
「ホンッット冷たいよねー。いつからそんな冷たい子になったんだか。まあいいや」
ミシェーラはそんな私の態度につまらなそうな表情を見せてくる。自分であんなことしておいてよくそんなことが言えたわね。
そんなつまらなそうな表情を戻しミシェーラはいつもの不適な笑みを浮かべ本題に入ろうとしていた。
「いちおう言っておくけど、この島を明け渡すっていう平和的選択肢もあるんだけど…」
「ふざけるなっ!!」
「ッ!?」
呆れた発言に思わず大声を出してしまった。我ながららしくないことをしたとは思うがそれも当然よ。ここを明け渡す? ふざけないで!
「アンタ達なんかに渡すものか! この島は私が守る!!」
そう。私にはこの島を守る理由がある。だから誰であってもどんなことがあっても絶対に渡さない!そう思いながら私は魔法書を力強く握りしめる。
「かかってきなさい!! ミシェーラ!!」
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