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第4章「実は私」
第21話「テストが終わって」
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「……」
「……」
「……何よこれ?」
静寂な俺の部屋に俺、みのり、有紗の3人は揃ってテーブルに置いてある答案用紙を見つめていた。流石の事態に俺とみのりは言葉が出ず有紗は呆れたような表情を見せた。
---中間テストが終わった次の日、テストの返却がされた。正直に言ってテストの平均点はまあまあ良かった。国語や世界史が思いの外点が良かったからだ。英語も半分は取れた。そこまでは良かったのだ。
問題は難関だった数学だ。赤点は何とか免れたがハッキリ言うとギリギリだった。
今回のテスト勉強で1番時間を割いた。もっと言うとみのりに何時間も教えて貰っていたのだ。それにも関わらず赤点ギリギリって。
「なんか…すいません」
もうみのりには申し訳ない気分でいっぱいだった。いっそ俺の血を吸わせてあげてもいいんじゃないかとさえ思い始めてきた。
「そうですね。じゃあ…」
そう言うとみのりはいつの間にか俺の背後に回りソフトタッチに俺の肩を触りながら俺の首元を見つめていた。
「いや冗談だから! そして人の心を読まないで!」
俺は触れた手を振りほどいた。心の声を読まれて動揺のあまり顔から冷や汗が出てきた。
「そうですか。残念です」
みのりは本当に残念そうな表情でさっき座っていた位置に戻って行った。なんか色々とごめん。
「まあ今回は赤点はなかったことですし良かったですね」
みのりは元いた場所に座ると安堵の表情を浮かべながらフォローしてくれた。こういうところがあるから俺は彼女を敬遠出来ないのかもしれないな。
「テストも無事終わったことですしどうです? お疲れ様会でもしませんか?」
「それなんか懐かしい響きだな」
数学の件は一応終わり話は一変してお疲れ様会の話に切り替わった。中学の時やってたなぁお疲れ様会。テストが終わった日にカラオケとかボーリングとかしに行ってたわ。
「俺はいいけど有紗はどうする?」
「……」
「? 有紗?」
有紗の方を見るといつもの不機嫌そうな顔をしている。最早それが普通の顔なのかと思えてくる。無愛想なだけかもしれないが。
「今更だけど言わせて貰うわよ!」
「? 何を?」
何を言うつもりなのか俺には分からなかった。今更と言っていたがなんなのだろう?
「なんでこいつが当たり前のように家にいんのよ!」
そう言って有紗はみのりを指差した。確かに今更だと思うが一応俺のテスト勉強に付き合って貰ったのだから別に問題はないと思うけど。
「私達3人共、仲の良い友達じゃないですか」
「誰がアンタと友達よ!?」
凄い剣幕でみのりを睨む有紗。よっぽどみのりと馬が合わないのだろうか? 俺はむしろ2人共仲が良いように見えるが。
「別にいいじゃん。一応勉強教えて貰ってるし3人でやろうぜ!」
「そうですよ。夏目さんも一緒にお疲れ様会しましょうよ」
「…うう」
どうやら有紗は頭の中で葛藤しているようだった。そんなにみのりと一緒に何かをするのが嫌なのか? それとも自分なりのプライドらしきものがあるのだろうか?
「そんなに嫌でしたら和彦君。2人で行きましょう♡」
「……へ?」
有紗を説得するかと思いきや今度は俺に近づいてくるみのり。さっきとは打って変わってだな。
「どうします? カラオケとかが良いですかね? 私、2人っきりになれる場所ならどこでもいいですけど♡」
『なっ!?』
そこで俺と有紗の息があった。お疲れ様会のハズが何やらいやらしい話になってきているような気がするが。
「……いく…」
「ん?」
すると有紗は殺意のオーラを放ちながら何か言いたそうだった。なんか嫌な予感しかしないんですけど!
「私も…いく!!」
---こうして殺意に満ちた有紗と共にお疲れ様会をすることになった。俺の心は不安しかないが大丈夫なのだろうか?
「……」
「……何よこれ?」
静寂な俺の部屋に俺、みのり、有紗の3人は揃ってテーブルに置いてある答案用紙を見つめていた。流石の事態に俺とみのりは言葉が出ず有紗は呆れたような表情を見せた。
---中間テストが終わった次の日、テストの返却がされた。正直に言ってテストの平均点はまあまあ良かった。国語や世界史が思いの外点が良かったからだ。英語も半分は取れた。そこまでは良かったのだ。
問題は難関だった数学だ。赤点は何とか免れたがハッキリ言うとギリギリだった。
今回のテスト勉強で1番時間を割いた。もっと言うとみのりに何時間も教えて貰っていたのだ。それにも関わらず赤点ギリギリって。
「なんか…すいません」
もうみのりには申し訳ない気分でいっぱいだった。いっそ俺の血を吸わせてあげてもいいんじゃないかとさえ思い始めてきた。
「そうですね。じゃあ…」
そう言うとみのりはいつの間にか俺の背後に回りソフトタッチに俺の肩を触りながら俺の首元を見つめていた。
「いや冗談だから! そして人の心を読まないで!」
俺は触れた手を振りほどいた。心の声を読まれて動揺のあまり顔から冷や汗が出てきた。
「そうですか。残念です」
みのりは本当に残念そうな表情でさっき座っていた位置に戻って行った。なんか色々とごめん。
「まあ今回は赤点はなかったことですし良かったですね」
みのりは元いた場所に座ると安堵の表情を浮かべながらフォローしてくれた。こういうところがあるから俺は彼女を敬遠出来ないのかもしれないな。
「テストも無事終わったことですしどうです? お疲れ様会でもしませんか?」
「それなんか懐かしい響きだな」
数学の件は一応終わり話は一変してお疲れ様会の話に切り替わった。中学の時やってたなぁお疲れ様会。テストが終わった日にカラオケとかボーリングとかしに行ってたわ。
「俺はいいけど有紗はどうする?」
「……」
「? 有紗?」
有紗の方を見るといつもの不機嫌そうな顔をしている。最早それが普通の顔なのかと思えてくる。無愛想なだけかもしれないが。
「今更だけど言わせて貰うわよ!」
「? 何を?」
何を言うつもりなのか俺には分からなかった。今更と言っていたがなんなのだろう?
「なんでこいつが当たり前のように家にいんのよ!」
そう言って有紗はみのりを指差した。確かに今更だと思うが一応俺のテスト勉強に付き合って貰ったのだから別に問題はないと思うけど。
「私達3人共、仲の良い友達じゃないですか」
「誰がアンタと友達よ!?」
凄い剣幕でみのりを睨む有紗。よっぽどみのりと馬が合わないのだろうか? 俺はむしろ2人共仲が良いように見えるが。
「別にいいじゃん。一応勉強教えて貰ってるし3人でやろうぜ!」
「そうですよ。夏目さんも一緒にお疲れ様会しましょうよ」
「…うう」
どうやら有紗は頭の中で葛藤しているようだった。そんなにみのりと一緒に何かをするのが嫌なのか? それとも自分なりのプライドらしきものがあるのだろうか?
「そんなに嫌でしたら和彦君。2人で行きましょう♡」
「……へ?」
有紗を説得するかと思いきや今度は俺に近づいてくるみのり。さっきとは打って変わってだな。
「どうします? カラオケとかが良いですかね? 私、2人っきりになれる場所ならどこでもいいですけど♡」
『なっ!?』
そこで俺と有紗の息があった。お疲れ様会のハズが何やらいやらしい話になってきているような気がするが。
「……いく…」
「ん?」
すると有紗は殺意のオーラを放ちながら何か言いたそうだった。なんか嫌な予感しかしないんですけど!
「私も…いく!!」
---こうして殺意に満ちた有紗と共にお疲れ様会をすることになった。俺の心は不安しかないが大丈夫なのだろうか?
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