転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

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第6章 初任務編

第6章ー㊷

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 「大丈夫サダメ?」

 「ああ。おかげさまでな」

 ミオのおかげで瀕死状態からなんとか復活。身体の調子も悪くなさそうだし、まだイケそうだな。幸いなことに手放していた迅雷をドーム内に落ちており、すぐに回収出来た。これがないと素手で戦わないといけなくなる所だった。ナイフ持ってる相手にそれは少々厳しい。護身術とか覚えておけば話は別だったかもしれないが。

 「とりあえず、アイツをなんとかしないと」

 「えっ?! まだやるの?!」

 「ああ」

 「駄目だよ! さっき死にかけてたのに。それに、先生が言ってたでしょ? 私達の目的は集落の人達の避難で戦闘は極力控えろって。あの人は騎士団の人に任せた方がいいって!?」

 「…そのことなんだが…」

 完全回復した自分はホープを止めようと策を考えようとしていた。しかし、その様子を見兼ねたミオが止めに入ろうとしてきた。そうか、彼女はまだ状況を把握しきれていないのか。そんな彼女に自分は現状を説明することにした。





 「…ウソ。皆死んじゃったってこと? 騎士団の人も?」

 「あいつの言うことが真実ならそういうことになる。現にここに集落があった筈の形跡も人が血を流した跡もあちこちにある。皆殺しにしてその辺に埋めたか燃やしたかして死体を消した可能性は少なからずあり得る」

 「…酷い!」

 ミオに事のあらましを説明すると、彼女の顔が急に青ざめる。無理もない。自分だって話を聞いた時は激怒したものだ。

 あの惨状を見る辺り、恐らく奴は嘘を吐いていない。騎士団の人のあの腕も作り物なんかじゃなさそうだったしな。

 しかし、そこで疑問がいくつか浮上。まず、どうやってあの惨状を作れたのだろうか。死体を全部隠したのは百歩譲ったとして、問題は建物だ。集落とはいえ、ちゃんとした家があった筈だ。実際に木造やらセメント製の建物らしき残骸が残っていた。原型は一割も残ってはいなかったが。

 なにか不自然だ。激しい戦闘があったとは思うが、にしてもあそこまで原型を留めていないものだろうか。瓦礫があまりにも少なすぎる。一体他の瓦礫等はどこに行ってしまったのだろうか。

 「…あいつの魔法が関係しているのか?」

 そこで更に疑問に思った事がある。それはホープの魔法。一瞬しか見えなくてよく分からなかったが、あれは恐らく重力系の魔法といった所だろうか。さっきの魔法は引力で自分の身体を引き寄せ、体勢を崩させる。そういった感じの魔法だったのだろう。地味だが中々に厄介な魔法だな。

 だが、それだけで建物をなんとか出来るか? それとも、別の方法で? なにか奥の手的なものでもあったのだろうか。

 「…なら、試してみるか。ミオ、力貸してくれ」

 「え? 何?」

 ここでいくら考えても無駄だと判断した自分は、ホープを止める為にミオの力を借りることにした。奴の魔法が重力系の魔法なら彼女の魔法で対処できるかもしれない。まずは奴の魔法を攻略する。話はそのあとだ。
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