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第5章 入学編
第5章ー㉙
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「はあ、この学園に来てから良い事ねーな、俺って」
午後の授業が終わり、一人学園内を歩いていた。散々な目に遭った自分は保健室で軽い怪我の治療をして貰っていた。ミオは不機嫌だから頼みづらく、仕方なく遠路はるばる学園内の保健室を利用する羽目になった。一時間ぐらい走らされて自分もヘトヘトだというのに。ミオの奴、あの乱暴な性格をどうにかして欲しいものだ。
「ん?」
心の中で彼女への不満を呟きながら廊下を歩いていると、どこからかカチャカチャとキーボードのような音が聞こえてきた。この学園にパソコン部屋なんてあっただろうか。
一応、この学園では電子機器はある程度普及している。連絡用の携帯電話も教師だけではあるが所持しているし、ギリスケもゲーム機を色々持って来ているからパソコンがあってもおかしくはない。が、パソコン部屋なんてなかった筈だし、職員室でも置いてはいなかった。そう考えると、パソコン自体はまだまだ普及している訳ではなさそうだ。
妙にキーボード音が気になった自分はついで感覚で音のする方向に歩いていた。この世界のパソコンがどんなものなのか気になるしな。そもそも、この世界ってインターネットっていう概念があるのだろうか。携帯電話はあくまで連絡用だし、ゲームもオフラインで遊べるものしかなかった。流石にこれだけ文明が進んでいて、ないという可能性は低いだろうけども。
「♪~」
「…あそこか?」
少し歩いていると、キーボード音に混じるように鼻歌が聞こえてきた。夕方でほとんどの教室は閉まっている筈だが、目の前に唯一明かりが点いている教室があった。恐らくそこから音がしているのだろう。
入学してまだ日が浅く、全ての教室を把握している訳ではないが、この辺は殆ど空き教室だったと記憶している。空き教室ばっかりの場所に誰かがパソコン作業しているのも奇妙だな。
「んっ、んん?」
目当ての教室に辿り着き、やや半開きのドア窓越しから様子を伺う。明かりが点いていると思っていたが、室内は割と暗くてよく見えない。アレはパソコン画面かなにかの光だったのか? 何をやっているのか気になるが、あまり覗きすぎても不審に思われるだろうし、もうちょっとだけ観察して見えなさそうだったら諦める…
「なーに見てるのかな?」
「いっ!?」
かと考えていると、ドアの隙間から話しかける声が聞こえビックリする自分。明らかにこっちに話しているような発言に思わず尻餅をついてしまった。
「はっはっはっは! そんなに驚かなくてもいいだろ? 大袈裟だなーきみー?」
自分が尻餅をつくと、中に居た人物が笑いながらドアを開けていた。
「それでー? 私に何かご用かな?」
ドアを開けると、そこには一人の少女が立っていた。
午後の授業が終わり、一人学園内を歩いていた。散々な目に遭った自分は保健室で軽い怪我の治療をして貰っていた。ミオは不機嫌だから頼みづらく、仕方なく遠路はるばる学園内の保健室を利用する羽目になった。一時間ぐらい走らされて自分もヘトヘトだというのに。ミオの奴、あの乱暴な性格をどうにかして欲しいものだ。
「ん?」
心の中で彼女への不満を呟きながら廊下を歩いていると、どこからかカチャカチャとキーボードのような音が聞こえてきた。この学園にパソコン部屋なんてあっただろうか。
一応、この学園では電子機器はある程度普及している。連絡用の携帯電話も教師だけではあるが所持しているし、ギリスケもゲーム機を色々持って来ているからパソコンがあってもおかしくはない。が、パソコン部屋なんてなかった筈だし、職員室でも置いてはいなかった。そう考えると、パソコン自体はまだまだ普及している訳ではなさそうだ。
妙にキーボード音が気になった自分はついで感覚で音のする方向に歩いていた。この世界のパソコンがどんなものなのか気になるしな。そもそも、この世界ってインターネットっていう概念があるのだろうか。携帯電話はあくまで連絡用だし、ゲームもオフラインで遊べるものしかなかった。流石にこれだけ文明が進んでいて、ないという可能性は低いだろうけども。
「♪~」
「…あそこか?」
少し歩いていると、キーボード音に混じるように鼻歌が聞こえてきた。夕方でほとんどの教室は閉まっている筈だが、目の前に唯一明かりが点いている教室があった。恐らくそこから音がしているのだろう。
入学してまだ日が浅く、全ての教室を把握している訳ではないが、この辺は殆ど空き教室だったと記憶している。空き教室ばっかりの場所に誰かがパソコン作業しているのも奇妙だな。
「んっ、んん?」
目当ての教室に辿り着き、やや半開きのドア窓越しから様子を伺う。明かりが点いていると思っていたが、室内は割と暗くてよく見えない。アレはパソコン画面かなにかの光だったのか? 何をやっているのか気になるが、あまり覗きすぎても不審に思われるだろうし、もうちょっとだけ観察して見えなさそうだったら諦める…
「なーに見てるのかな?」
「いっ!?」
かと考えていると、ドアの隙間から話しかける声が聞こえビックリする自分。明らかにこっちに話しているような発言に思わず尻餅をついてしまった。
「はっはっはっは! そんなに驚かなくてもいいだろ? 大袈裟だなーきみー?」
自分が尻餅をつくと、中に居た人物が笑いながらドアを開けていた。
「それでー? 私に何かご用かな?」
ドアを開けると、そこには一人の少女が立っていた。
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