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第5章 入学編
第5章ー㉓
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「お前、サダメとかいったな?」
「お、おう」
突然話しかけられ、若干緊張している。自分を睨んでいたりしていたが、こんな積極的に話しかけてくるとは思わなかった。
「おうおうおう。ウチの大将に何か用かい?」
「大将って…」
「我等が大将と話したくば拙者達を通して貰おうか」
「…マヒロも乗っかんないでくれる? 話が進まなくなるから」
「いやー、面白そうだったので、つい」
真面目な話をしようとしていた矢先、ギリスケが半分冗談混じりでありつつも彼に威圧的な態度を取り、それになぜかマヒロも乗っかってきた。この二人、想像以上に気が合うな。けど、今は冗談を言っている雰囲気じゃないんですけど。
「お前、勇者を目指してるんだろ?」
「…」
それはさておき、彼も自分の夢の話を持ち出してきた。だが、マヒロのように好奇心で聞いている様子ではない。冷たい眼差しと口調で分かる。
「俺は魔王を殺せるだけの力を身に着ける為にこの学園に来た。だから、勇者を目指してるお前は俺にとって邪魔な存在でしかないんだよ」
「なっ!?」
「…」
冷たい目で容赦のない一言。間違いなく本音だ。正直、クスクス陰で笑われるよりどぎつい一言だった。
「おいおいおい、今の台詞聞き捨てなら…」
「もし、お前が本気で勇者を目指すというなら…」
「シカトかよ!?」
ギリスケの反論は彼の耳には入っていないようで、話を続けてきた。これだけうるさい奴を無視出来るのは、相当の胆力の持ち主か、周りの連中を眼中に入れてない奴ぐらいだ。恐らく彼は後者の方だろう。
「俺が、てめえを潰す」
「ッ!?」
そんな彼の一言が背筋をゾクッとさせた。脅しなんかじゃないと分かっているから余計に寒気が走った。そう、これは脅しではなく、宣戦布告だ。
「おい! いくらなんでも喧嘩うりすぎ…」
「この学園で無事卒業したいなら…」
「だからシカトしてんじゃねーよ!?」
宣戦布告してきた彼は、更に自分の元にゆっくり歩み寄って来る。目の前でギャーギャー騒ぐギリスケを無視して自分の耳元まで顔を近づけてくる。気のせいか、彼から妙な冷気を感じる。喋っている時の口が物理的に冷たい。まるで彼そのものが氷のようだ。
「勇者なんて諦めて、青春ごっこでも楽しんでろ」
「…」
彼は自分の耳元で一言周りに聞こえるか聞こえないかの声量で呟いた。彼はそう言い残し、後を去ろうとしていた。
何故彼は自分を貶めるような事を言うのか、何故自分が勇者の道を諦めなければならないのか、何故そこまでして魔王を殺したいのか、彼の考えている事が何も分からない。
「アラガ」
「…」
けど、彼に言わなければならない事がある。
「お、おう」
突然話しかけられ、若干緊張している。自分を睨んでいたりしていたが、こんな積極的に話しかけてくるとは思わなかった。
「おうおうおう。ウチの大将に何か用かい?」
「大将って…」
「我等が大将と話したくば拙者達を通して貰おうか」
「…マヒロも乗っかんないでくれる? 話が進まなくなるから」
「いやー、面白そうだったので、つい」
真面目な話をしようとしていた矢先、ギリスケが半分冗談混じりでありつつも彼に威圧的な態度を取り、それになぜかマヒロも乗っかってきた。この二人、想像以上に気が合うな。けど、今は冗談を言っている雰囲気じゃないんですけど。
「お前、勇者を目指してるんだろ?」
「…」
それはさておき、彼も自分の夢の話を持ち出してきた。だが、マヒロのように好奇心で聞いている様子ではない。冷たい眼差しと口調で分かる。
「俺は魔王を殺せるだけの力を身に着ける為にこの学園に来た。だから、勇者を目指してるお前は俺にとって邪魔な存在でしかないんだよ」
「なっ!?」
「…」
冷たい目で容赦のない一言。間違いなく本音だ。正直、クスクス陰で笑われるよりどぎつい一言だった。
「おいおいおい、今の台詞聞き捨てなら…」
「もし、お前が本気で勇者を目指すというなら…」
「シカトかよ!?」
ギリスケの反論は彼の耳には入っていないようで、話を続けてきた。これだけうるさい奴を無視出来るのは、相当の胆力の持ち主か、周りの連中を眼中に入れてない奴ぐらいだ。恐らく彼は後者の方だろう。
「俺が、てめえを潰す」
「ッ!?」
そんな彼の一言が背筋をゾクッとさせた。脅しなんかじゃないと分かっているから余計に寒気が走った。そう、これは脅しではなく、宣戦布告だ。
「おい! いくらなんでも喧嘩うりすぎ…」
「この学園で無事卒業したいなら…」
「だからシカトしてんじゃねーよ!?」
宣戦布告してきた彼は、更に自分の元にゆっくり歩み寄って来る。目の前でギャーギャー騒ぐギリスケを無視して自分の耳元まで顔を近づけてくる。気のせいか、彼から妙な冷気を感じる。喋っている時の口が物理的に冷たい。まるで彼そのものが氷のようだ。
「勇者なんて諦めて、青春ごっこでも楽しんでろ」
「…」
彼は自分の耳元で一言周りに聞こえるか聞こえないかの声量で呟いた。彼はそう言い残し、後を去ろうとしていた。
何故彼は自分を貶めるような事を言うのか、何故自分が勇者の道を諦めなければならないのか、何故そこまでして魔王を殺したいのか、彼の考えている事が何も分からない。
「アラガ」
「…」
けど、彼に言わなければならない事がある。
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