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第5章 入学編
第5章ー㉒
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「それにしても、サダメは勇者になりたかったのでござるか?」
「ん? ああ、まあ、うん。そうだけど…」
「いいでござるな! カッコイイでござるー!」
「う、うん。ありがとう」
移動中、マヒロが自分の夢の事について聞き出してきた。彼女の事だから好奇心で聞きたがっているようだが、これはこれで恥ずかしいな。
「皆、ちゃんとした目標があって羨ましいでござる」
「マヒロは『猛者といっぱい戦いたい』だっけ?」
「うむ。そうなのでござるが、皆の話を聞いていると目標としては些か弱いでござるよなー」
彼女は皆の将来の夢を聞いて、自身の夢について頭を悩ませていたようだ。たしかに、彼女の夢はあまりにも大雑把すぎるし、終わりのない夢で少々目標としては弱い気がする。かといって、ギリスケと同じ扱いに思われるのは若干、いやかなり不服ではあるが。
「拙者ももっと具体的な夢を掲げたいでござるな」
「例えば?」
「うーむ、天下統一、とか?」
「どうやってやんだよ?!」
マヒロは頭を抱え新しい夢を口に出すが、それもまた果てしない内容であった。というか、この時代に天下統一ってどうやってやるつもりなのだろうか。まさか国王の首でも狩るつもりか? あながち本気でやりかねないのが彼女の怖い所だ。万が一そんな事態になった時はなにがなんでも止めなくては。
「うーん、では、拙者も勇者を目指してみるでござる!」
「…」
結局、自分に乗っかるかのように勇者になることを目標にする彼女だった。なんだろう。自分があの時覚悟を賭して語ったのが馬鹿みたいに思えてくる。
「けど、勇者とはどうやってなるものなのでござるか?」
「えっ? えーっと、勇者は国王が認めた人がなるものだから…うーん、やっぱ実績が必要になってくるのかな?」
「なんの実績をでござる?」
「えー、魔物いっぱい倒したり、大勢の民衆を助けたり…って、それだと騎士団でも出来ることだよな?」
しかし、彼女の疑問はいい所を突いてきた。よくよく考えてみれば、勇者ってどうやってなるものなのだろうか? あの時聞いた時は国王の命でとかなんとか聞いた気がするけど、そもそもどうやって国王からその任を与えられるのかは定かではない。アレ? そうなると、自分の夢も結構果てしない道のりになってくる気がするが、でも、あの時の勇者は十代後半から二十代前半ぐらいだった筈。だとすると、あの若さでどうやって勇者になったのだろうか。
「おい」
「ん?」
思わず立ち止まって考え込んでいると、後ろから何者かに呼ばれる声がした。後ろを振り返ると、そこにはあの白髪で眼帯の少年が立っていた。
「ん? ああ、まあ、うん。そうだけど…」
「いいでござるな! カッコイイでござるー!」
「う、うん。ありがとう」
移動中、マヒロが自分の夢の事について聞き出してきた。彼女の事だから好奇心で聞きたがっているようだが、これはこれで恥ずかしいな。
「皆、ちゃんとした目標があって羨ましいでござる」
「マヒロは『猛者といっぱい戦いたい』だっけ?」
「うむ。そうなのでござるが、皆の話を聞いていると目標としては些か弱いでござるよなー」
彼女は皆の将来の夢を聞いて、自身の夢について頭を悩ませていたようだ。たしかに、彼女の夢はあまりにも大雑把すぎるし、終わりのない夢で少々目標としては弱い気がする。かといって、ギリスケと同じ扱いに思われるのは若干、いやかなり不服ではあるが。
「拙者ももっと具体的な夢を掲げたいでござるな」
「例えば?」
「うーむ、天下統一、とか?」
「どうやってやんだよ?!」
マヒロは頭を抱え新しい夢を口に出すが、それもまた果てしない内容であった。というか、この時代に天下統一ってどうやってやるつもりなのだろうか。まさか国王の首でも狩るつもりか? あながち本気でやりかねないのが彼女の怖い所だ。万が一そんな事態になった時はなにがなんでも止めなくては。
「うーん、では、拙者も勇者を目指してみるでござる!」
「…」
結局、自分に乗っかるかのように勇者になることを目標にする彼女だった。なんだろう。自分があの時覚悟を賭して語ったのが馬鹿みたいに思えてくる。
「けど、勇者とはどうやってなるものなのでござるか?」
「えっ? えーっと、勇者は国王が認めた人がなるものだから…うーん、やっぱ実績が必要になってくるのかな?」
「なんの実績をでござる?」
「えー、魔物いっぱい倒したり、大勢の民衆を助けたり…って、それだと騎士団でも出来ることだよな?」
しかし、彼女の疑問はいい所を突いてきた。よくよく考えてみれば、勇者ってどうやってなるものなのだろうか? あの時聞いた時は国王の命でとかなんとか聞いた気がするけど、そもそもどうやって国王からその任を与えられるのかは定かではない。アレ? そうなると、自分の夢も結構果てしない道のりになってくる気がするが、でも、あの時の勇者は十代後半から二十代前半ぐらいだった筈。だとすると、あの若さでどうやって勇者になったのだろうか。
「おい」
「ん?」
思わず立ち止まって考え込んでいると、後ろから何者かに呼ばれる声がした。後ろを振り返ると、そこにはあの白髪で眼帯の少年が立っていた。
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