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第5章 入学編
第5章ー⑭
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あれから数時間後、いよいよ入学式が始まった。自分とギリスケもなんとか出席する事が出来た。ミオの奴、殴られた箇所がまだヒリヒリするのだが。怒った時の彼女は魔物より強暴だ。マジでなんで自分まで殴られたのかは謎だけど。
その話は置いといて、入学式は魔法学園の生徒と関係者だけで行われた。貴族の方々は前日に終わったそうだ。なので、全校生徒は千人程いるものの、今日出席しているのは上級生や教師陣合わせても百人ちょっとしか居ない。そのことを踏まえると、父は相当顔が広かったのだと思う。まさか貴族様とも仲良くしてたとは。ここに来て父の偉大さを知る事になろうとは思わなんだ。
『それでは最後に、ソワレル学園兼ソワレル魔法学園の理事を務めるリーフ・エンドレッドよりお言葉を頂きたいと思います』
式は順調に進み、関係者の祝辞が読まれると、最後に理事長であるリーフさんの祝辞が始まった。
『えー、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本日は式に相応しい程晴れ渡っており、御天道様もさぞや喜ばれている…』
「…」
リーフさんはいつもの冗談を入れつつ、スラスラと祝辞を読んでいた。自分と話した事など本当に気にしていないようだ。話といえば、リーフさんが妙な事を言っていたのを思い出した。
『君は不思議な運命に導かれている。きっと、これからも君の前には幾つもの困難な運命が立ちはだかることだろう』
不思議な運命。確かに自分の名前は運命《サダメ》だけれども。そういえば昔、父から名前の由来を聞いた事があったような気がする。けど、だいぶ前の話だから記憶がうろ覚えだ。思い出そうとするが、中々思い出せない。
『最後に新入生の諸君へ、これだけはどうか覚えておいて欲しい』
「ッ?!」
必死に思い出そうとしている最中、リーフさんが大事な話をしようとしていて我に返ってしまった。もう少しで思い出せなくもない気はしたが、まあ、今思い出した所でなんにもならないし別にいっか。ふとした時にでも思い出すだろう。
『魔法学園の生徒である異常、危険な任務を任せてしまう事があるかもしれない。無理難題をぶつけてくるかもしれない。だが、決して最後まで諦めないでいて欲しい。君達の人生を不運だったという理由で終わって欲しくはない」
「…リーフさん…」
リーフさんからの一言に自分の心臓の鼓動が早まった気がした。あの時言った自分が感情のままに発してしまった言葉を、あの人は真剣に受け止めてくれてたように思えてちょっとだけ目頭が熱くなった。
『挫けそうになったら隣に居る仲間達を、すぐ側に居る上級生達を、ここに居る我々職員を頼って欲しい。君達が一人も欠ける事無く無事に卒業してくれる事を心から願っているよ。私からの祝辞はこれにて締めさせて頂く。ご清聴の程感謝する』
リーフさんは爽やかな笑顔で熱い言葉を投げ、祝辞を終えた。これにて、入学式のプログラムは終了となった。
その話は置いといて、入学式は魔法学園の生徒と関係者だけで行われた。貴族の方々は前日に終わったそうだ。なので、全校生徒は千人程いるものの、今日出席しているのは上級生や教師陣合わせても百人ちょっとしか居ない。そのことを踏まえると、父は相当顔が広かったのだと思う。まさか貴族様とも仲良くしてたとは。ここに来て父の偉大さを知る事になろうとは思わなんだ。
『それでは最後に、ソワレル学園兼ソワレル魔法学園の理事を務めるリーフ・エンドレッドよりお言葉を頂きたいと思います』
式は順調に進み、関係者の祝辞が読まれると、最後に理事長であるリーフさんの祝辞が始まった。
『えー、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本日は式に相応しい程晴れ渡っており、御天道様もさぞや喜ばれている…』
「…」
リーフさんはいつもの冗談を入れつつ、スラスラと祝辞を読んでいた。自分と話した事など本当に気にしていないようだ。話といえば、リーフさんが妙な事を言っていたのを思い出した。
『君は不思議な運命に導かれている。きっと、これからも君の前には幾つもの困難な運命が立ちはだかることだろう』
不思議な運命。確かに自分の名前は運命《サダメ》だけれども。そういえば昔、父から名前の由来を聞いた事があったような気がする。けど、だいぶ前の話だから記憶がうろ覚えだ。思い出そうとするが、中々思い出せない。
『最後に新入生の諸君へ、これだけはどうか覚えておいて欲しい』
「ッ?!」
必死に思い出そうとしている最中、リーフさんが大事な話をしようとしていて我に返ってしまった。もう少しで思い出せなくもない気はしたが、まあ、今思い出した所でなんにもならないし別にいっか。ふとした時にでも思い出すだろう。
『魔法学園の生徒である異常、危険な任務を任せてしまう事があるかもしれない。無理難題をぶつけてくるかもしれない。だが、決して最後まで諦めないでいて欲しい。君達の人生を不運だったという理由で終わって欲しくはない」
「…リーフさん…」
リーフさんからの一言に自分の心臓の鼓動が早まった気がした。あの時言った自分が感情のままに発してしまった言葉を、あの人は真剣に受け止めてくれてたように思えてちょっとだけ目頭が熱くなった。
『挫けそうになったら隣に居る仲間達を、すぐ側に居る上級生達を、ここに居る我々職員を頼って欲しい。君達が一人も欠ける事無く無事に卒業してくれる事を心から願っているよ。私からの祝辞はこれにて締めさせて頂く。ご清聴の程感謝する』
リーフさんは爽やかな笑顔で熱い言葉を投げ、祝辞を終えた。これにて、入学式のプログラムは終了となった。
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