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第5章 入学編
第5章ー⑧
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あれから三日が経過。あの後、気まずくてリーフさんとはほとんど話せずにいた。向こうも気を遣ってかあまり声を掛けてくる事もなく、気が付けば学園に到着してしまった。
「足元お気をつけて」
「ありがとうございます」
御者の人に丁寧に降ろされ馬車を出る。せめて、最後に謝罪しておくべきだろうか。しかし、どう切り出せばいいものか。
「サダメ君」
「ッ?! リーフさん!」
そう思っていた矢先、リーフさんが馬車から出て来て自分に声を掛けてきた。謝罪するには丁度いいタイミングだが、向こうもなにか話があるのだろうか。
「君の発言を聞いて、私も少し考えていたんだ」
「考えてた? なにをです?」
「君の運についてさ。私から見れば幸運に恵まれているものだと思っていたが、君からすれば不運の連続だったのだろう。だから、君の言い分は間違っていない」
「…」
どうやらリーフさんは、自分の発言を相当気にしていたらしい。わざわざ訂正までさせるなんて。ホント自分って最低だな。
「けど、これだけは言っておきたくたくてね」
「はい?」
しかし、話には続きがあるようで、リーフさんは何か言いたげだったようだ。言っておきたいこととはなんなのだろう。
「君は不思議な運命に導かれている。きっと、これからも君の前には幾つもの困難な運命が立ちはだかることだろう」
「…?」
「もし、困難な壁が立ちはだかって挫けそうになった時は他者を頼るといい。今の言葉、どうか忘れないでいて欲しい」
「は、はあ…」
ややポエミーっぽい言い方が気になってしまい、言っている意味をよく分からずに頷いてしまったが、辛くなったら人を頼れという意味合いとして受け取ればよいのだろうか。
「それじゃあ、君達も諸々準備があるだろうし、私はこれで」
「あ、あの!?」
「ん?」
リーフさんは話し終えると、荷台の中へ戻ろうとしていた。マズい。今逃したら謝る機会がないかもしれない。もやもやするぐらいならここで謝るべきだと、今度は自分がリーフさんを呼び止めた。
「そ、その、いきなりキレたりして、すいませんでした。あと、色々とありがとうございました」
「…」
頭を下げながら、謝罪と共にここまで送ってくれた事に対しての感謝の言葉を述べた。
「…ふふっ、気にしていないよ。学園生活、思う存分楽しんでくれ」
「…はい!」
リーフさんは爽やかな笑顔で返し、去って行った。自分は再び頭を下げ、リーフさんを暫く見送っていた。とりあえず、わだかまりを残さなかった事に一安心した。
そうしてなんやかんやあり、いよいよ自分の学園生活が始まろうとしていた。
―転生勇者が死ぬまで、残り4102日
「足元お気をつけて」
「ありがとうございます」
御者の人に丁寧に降ろされ馬車を出る。せめて、最後に謝罪しておくべきだろうか。しかし、どう切り出せばいいものか。
「サダメ君」
「ッ?! リーフさん!」
そう思っていた矢先、リーフさんが馬車から出て来て自分に声を掛けてきた。謝罪するには丁度いいタイミングだが、向こうもなにか話があるのだろうか。
「君の発言を聞いて、私も少し考えていたんだ」
「考えてた? なにをです?」
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「…」
どうやらリーフさんは、自分の発言を相当気にしていたらしい。わざわざ訂正までさせるなんて。ホント自分って最低だな。
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「はい?」
しかし、話には続きがあるようで、リーフさんは何か言いたげだったようだ。言っておきたいこととはなんなのだろう。
「君は不思議な運命に導かれている。きっと、これからも君の前には幾つもの困難な運命が立ちはだかることだろう」
「…?」
「もし、困難な壁が立ちはだかって挫けそうになった時は他者を頼るといい。今の言葉、どうか忘れないでいて欲しい」
「は、はあ…」
ややポエミーっぽい言い方が気になってしまい、言っている意味をよく分からずに頷いてしまったが、辛くなったら人を頼れという意味合いとして受け取ればよいのだろうか。
「それじゃあ、君達も諸々準備があるだろうし、私はこれで」
「あ、あの!?」
「ん?」
リーフさんは話し終えると、荷台の中へ戻ろうとしていた。マズい。今逃したら謝る機会がないかもしれない。もやもやするぐらいならここで謝るべきだと、今度は自分がリーフさんを呼び止めた。
「そ、その、いきなりキレたりして、すいませんでした。あと、色々とありがとうございました」
「…」
頭を下げながら、謝罪と共にここまで送ってくれた事に対しての感謝の言葉を述べた。
「…ふふっ、気にしていないよ。学園生活、思う存分楽しんでくれ」
「…はい!」
リーフさんは爽やかな笑顔で返し、去って行った。自分は再び頭を下げ、リーフさんを暫く見送っていた。とりあえず、わだかまりを残さなかった事に一安心した。
そうしてなんやかんやあり、いよいよ自分の学園生活が始まろうとしていた。
―転生勇者が死ぬまで、残り4102日
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