転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

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第4章 入学試験編

第4章ー㊻

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 「サダメェェェ?!」

 「ん゛、ん゛ん゛っ?!」

 「いてててててて…」

 地面に叩きつけられ、顔面を強打し鼻に激痛が走る。これ確実に鼻血出ているだろうな。起き上がろうとするも、上から落ちてきたなにかに押し潰されたまま身動きが取れずにいた。一体何が起こっているんだ? それに、この弾力と感触、なんだか覚えがある気がするのだが。

 「ふー、まさか脱出した瞬間に空中に転移させられるとは思わなんだ。勢いあまりすぎて上手く着地出来なかったでござるー」

 「…」

 なにやら自分の上で人の声が聞こえるのだけれども、ひょっとして誰か自分の上に乗っているのか? しかもこの声、女の子の声に聞こえなくもない。ということは、この弾力はもしや…

 「しかし、どういうわけか思いの外痛くも痒くも…って、おろ? 拙者、浮いている?」

 「…あ、あのー…」

 「?」

 徐々に今の状況を理解出来た。今上に乗っているのは人だ。恐らく同じく受験者で脱出出来た最後の合格者。そして、この子は女子。何故か侍口調なのは若干気にはなるところだが、今はどうでもいい話だ。

 そして、肝心なのは自分を叩きつけたものの正体。この弾力がありつつ絶妙な柔さを持つ二つのブツ。一見下のブツにも感じなくはないが、それにしては小さすぎるし、凹凸部分の弾力が少々柔らかすぎるように感じる。それらを踏まえると、考え得る可能性は一つ。それは…

 「下、下」

 「ん?」



































               おっぱいだ!

 間違いない。エリカさんの抱擁を幾度となく受けてきた自分の知る限り、それ以外の可能性はゼロに等しい。今自分は女の子のおっぱいの下敷きにされているのだ。

 周りのざわつきようから察するに多分、物凄い視線を浴びているだろう。そりゃあ女の子が人の上に落ちてきて顔面下敷きにされるような珍事、気にならないわけがない。どうしよう、スゲー恥ずかしいのだが。暫く顔を上げられないんですけど。

 一応、ミオが彼女に自分が下敷きになっている事を伝え、遅れながら彼女は気づいてくれたみたいだが。

 「おっと、すまぬすまぬ。拙者としたことが、御仁《ごじん》に気が付かぬとばっ?!」

 「んぐむっ?!」

 「サダメェッ?!」

 彼女はすぐに起き上がろうとするものの、足がもつれたのかしらないが、もう一度自身の胸を自分の後頭部に叩きつけた。自分も同じように起き上がろうとしたタイミングと重なり、再び顔面を地面に強打。また鼻に強烈な痛みが走る。


















 拝啓、中学生の頃の自分へ。来世では君が夢にまで見たラッキースケベを体験する機会があったのですが、あれは強烈な痛みと羞恥心が伴い、正直あまりいいものではありません。淡い期待など抱かず、健全な生活を送ってください。 サダメ・レールステンより。
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