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第4章 入学試験編
第4章ー㊹
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『報告。只今、一人の脱出を確認。残りは四名となりました。受験者の皆様、引き続き試験頑張ってください』
合格者は残り四人とアナウンスが入る。もう時期ここにも大勢の受験者が集まって来るかもしれない。自分としては奴等が反撃に出る前に来て欲しいところだが。
「爆ぜる焔よ、火《か》の球《きゅう》として聚合《しゅうごう》し、眼前に移りし…」
少しでも集まりやすいように落石で塞がれていた道を開こうと火球の詠唱を唱えようとしていた。思い返せばバンバン魔法使って洞窟内に相当音が響いてただろうし、誰か一人ぐらいは聞きつけて様子を見に来てもおかしくはなさそうなものだが。
「ッ?!」
試しに魔力感知で向こう側の様子を探った瞬間、一瞬で背筋が凍り付いた。なにかがこちらに向かって来ている。受験者の一人かもと思ったが、異様な魔力を放っている。まるで魔物のような。
「…」
あそこに魔法を撃ってはいけないと本能が言っている。撃てばただでは済まない、そんな予感がした。これが蛇に睨まれた蛙。明らかに異質な魔力に当てられ、身動きが取れなくなっていた。
『報告。只今、一人の脱出を確認。残りは三名となりました。受験者の皆様、引き続き試験頑張ってください』
「はっ?!」
しかし、運良くアナウンスが流れ我に帰った。そうだ、これ以上他者を相手にする必要はない。自分はもう脱出口の付近まで来ているのだ。あとは脱出するだけなのだから。
「…くっ!!」
暫く硬直していた身体がようやく動き、脱出口まで走って行く。そのとき、後ろを振り返ってはいけないとまたしても本能が言っており、脇目も降らずに走った。
『報告。只今、一人の脱出を確認。残りは二名となりました。受験者の皆様、引き続き試験頑張ってください』
アナウンスの内容すら頭に入ってこず、ただひたすら走り抜けた。脱出口の扉を開けると、少し先に青く光る魔法陣が地面に設置されていた。どうやらアレで脱出が出来るようだ。
「…」
中に入ると、扉はゆっくりと閉まっていく。それで少し安堵したのか、不意に後ろの方を振り向いた。あの異質な魔力の正体はなんだったのか。怖いもの見たさでつい気になってしまった。
すると、さっきまで道を塞いでいた落石がいつの間にか破壊されており、砂埃が舞う中、薄っすらと人影のようなものが見えた。魔力の正体なのだろうか。
「…んっ」
目を凝らして正体を掴もうとするも、砂埃でまだ見えない。その上、扉が徐々に閉まっていき、視界が狭まっていく。
『報告。只今、一人の脱出を確認。残りは一名となりました。受験者の皆様、引き続き試験頑張ってください』
結局、謎の人影が何者なのか捉えきれず、もやもやしたまま自分は脱出を果たした。
合格者は残り四人とアナウンスが入る。もう時期ここにも大勢の受験者が集まって来るかもしれない。自分としては奴等が反撃に出る前に来て欲しいところだが。
「爆ぜる焔よ、火《か》の球《きゅう》として聚合《しゅうごう》し、眼前に移りし…」
少しでも集まりやすいように落石で塞がれていた道を開こうと火球の詠唱を唱えようとしていた。思い返せばバンバン魔法使って洞窟内に相当音が響いてただろうし、誰か一人ぐらいは聞きつけて様子を見に来てもおかしくはなさそうなものだが。
「ッ?!」
試しに魔力感知で向こう側の様子を探った瞬間、一瞬で背筋が凍り付いた。なにかがこちらに向かって来ている。受験者の一人かもと思ったが、異様な魔力を放っている。まるで魔物のような。
「…」
あそこに魔法を撃ってはいけないと本能が言っている。撃てばただでは済まない、そんな予感がした。これが蛇に睨まれた蛙。明らかに異質な魔力に当てられ、身動きが取れなくなっていた。
『報告。只今、一人の脱出を確認。残りは三名となりました。受験者の皆様、引き続き試験頑張ってください』
「はっ?!」
しかし、運良くアナウンスが流れ我に帰った。そうだ、これ以上他者を相手にする必要はない。自分はもう脱出口の付近まで来ているのだ。あとは脱出するだけなのだから。
「…くっ!!」
暫く硬直していた身体がようやく動き、脱出口まで走って行く。そのとき、後ろを振り返ってはいけないとまたしても本能が言っており、脇目も降らずに走った。
『報告。只今、一人の脱出を確認。残りは二名となりました。受験者の皆様、引き続き試験頑張ってください』
アナウンスの内容すら頭に入ってこず、ただひたすら走り抜けた。脱出口の扉を開けると、少し先に青く光る魔法陣が地面に設置されていた。どうやらアレで脱出が出来るようだ。
「…」
中に入ると、扉はゆっくりと閉まっていく。それで少し安堵したのか、不意に後ろの方を振り向いた。あの異質な魔力の正体はなんだったのか。怖いもの見たさでつい気になってしまった。
すると、さっきまで道を塞いでいた落石がいつの間にか破壊されており、砂埃が舞う中、薄っすらと人影のようなものが見えた。魔力の正体なのだろうか。
「…んっ」
目を凝らして正体を掴もうとするも、砂埃でまだ見えない。その上、扉が徐々に閉まっていき、視界が狭まっていく。
『報告。只今、一人の脱出を確認。残りは一名となりました。受験者の皆様、引き続き試験頑張ってください』
結局、謎の人影が何者なのか捉えきれず、もやもやしたまま自分は脱出を果たした。
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