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第4章 入学試験編
第4章ー㉓
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「ちょ、止めてください!」
「ああん? 俺らは別に何もしてないだろ?」
「いや、そういう意味じゃなくて…」
「いいだろ? 私達の相手を出来るなんて光栄のことなんだぞ?」
「だから、そういうの困ります」
ミオが男達に怯えながらもなにか断っている様子。恐らくナンパかなにかだろう。流石都会だ。こういう輩が昼間から居るものなのだな。こりゃあたしかに女の子一人で歩くのは危険だな。
「あっ、サダメ!?」
「あん?」
ミオはすぐに自分の存在に気が付き、助けを求めてきた。無論最初から助けるつもりでいたが、どうやって切り抜けよう。普通に連れを待たせてたと言ってこの場をすぐ去るべきか。それが無難だな。
「すいません。この子ウチの連れでして、失礼しま…」
作り笑顔を浮かべ、すぐに彼女の元へ向かおうと男二人の間を遮ろうとした。面倒事になる前に早く去らねば。
「触るな!!」
「ッ?!」
「サダメ?!」
だが、二人の間を通ろうとした矢先、一人の男に裏拳を食らう。男の裏拳が自分の顔面に直撃し、自分は尻餅をついた。いきなりの反撃で脳が混乱する。
「庶民風情が。気安く私に触れるな」
「ああ、ああ。庶民の汚い血でこいつの手が汚れちまったじゃねーか。どう責任取ってくれんだ?」
「…」
自分の頭が混乱している中、二人の男はこちらに振り返っていた。さっき裏拳を入れた男は小太りで低身長。もう一人は痩せ細っていて若干猫背になっている。二人とも、よく見ると周りの人とは違うような豪華な服を身にまとっていた。
小太りな男は、先程の一撃で付着した自分の血をハンカチで拭き取りながら見下すような視線を送っている。自分が尻餅をついているのもあるだろうが、明らかに自分を見下しているように見える。一方のやせ細った男の方は、罵声を浴びせながら自分に詰め寄って来ている。マズいな。どうやらミオは、かなり面倒な相手に絡まれていたようだ。
「いいかゴミ。私達貴族の誘いを邪魔するようなことは死罪に値する。女も、それを断る事は許さん」
「なっ!? そんな無茶苦茶な!?」
太った男は自分をゴミ呼ばわりしながら自身の暴論を語り始める。まさか、如何にも悪そうな貴族みたいな奴がこの世界に居たとは。あまりにも言ってる事が滅茶苦茶すぎるあまり、先程まで怯えていたミオも怒り心頭である。
「教養のないゴミだから今回は見逃してやる。わかったら失せろ。そして二度と私達に醜い顔を見せるな」
「ぶへへっ。よかったなーゴミ。さあ、とっとと消えろ。じゃなきゃ、俺が殺しちまうぞー?」
「…サダメ…」
「…」
男達は吐き捨てるように暴言を吐き、自分を追い返そうとしていた。ミオはそんな自分を心配そうに見ていた。
しかし、自分はその程度で引き下がるつもりはなかった。こいつらをなんとか負かしてミオを助ける。その方法を尻餅をつきながら考える。さて、どうすっかな。
「ああん? 俺らは別に何もしてないだろ?」
「いや、そういう意味じゃなくて…」
「いいだろ? 私達の相手を出来るなんて光栄のことなんだぞ?」
「だから、そういうの困ります」
ミオが男達に怯えながらもなにか断っている様子。恐らくナンパかなにかだろう。流石都会だ。こういう輩が昼間から居るものなのだな。こりゃあたしかに女の子一人で歩くのは危険だな。
「あっ、サダメ!?」
「あん?」
ミオはすぐに自分の存在に気が付き、助けを求めてきた。無論最初から助けるつもりでいたが、どうやって切り抜けよう。普通に連れを待たせてたと言ってこの場をすぐ去るべきか。それが無難だな。
「すいません。この子ウチの連れでして、失礼しま…」
作り笑顔を浮かべ、すぐに彼女の元へ向かおうと男二人の間を遮ろうとした。面倒事になる前に早く去らねば。
「触るな!!」
「ッ?!」
「サダメ?!」
だが、二人の間を通ろうとした矢先、一人の男に裏拳を食らう。男の裏拳が自分の顔面に直撃し、自分は尻餅をついた。いきなりの反撃で脳が混乱する。
「庶民風情が。気安く私に触れるな」
「ああ、ああ。庶民の汚い血でこいつの手が汚れちまったじゃねーか。どう責任取ってくれんだ?」
「…」
自分の頭が混乱している中、二人の男はこちらに振り返っていた。さっき裏拳を入れた男は小太りで低身長。もう一人は痩せ細っていて若干猫背になっている。二人とも、よく見ると周りの人とは違うような豪華な服を身にまとっていた。
小太りな男は、先程の一撃で付着した自分の血をハンカチで拭き取りながら見下すような視線を送っている。自分が尻餅をついているのもあるだろうが、明らかに自分を見下しているように見える。一方のやせ細った男の方は、罵声を浴びせながら自分に詰め寄って来ている。マズいな。どうやらミオは、かなり面倒な相手に絡まれていたようだ。
「いいかゴミ。私達貴族の誘いを邪魔するようなことは死罪に値する。女も、それを断る事は許さん」
「なっ!? そんな無茶苦茶な!?」
太った男は自分をゴミ呼ばわりしながら自身の暴論を語り始める。まさか、如何にも悪そうな貴族みたいな奴がこの世界に居たとは。あまりにも言ってる事が滅茶苦茶すぎるあまり、先程まで怯えていたミオも怒り心頭である。
「教養のないゴミだから今回は見逃してやる。わかったら失せろ。そして二度と私達に醜い顔を見せるな」
「ぶへへっ。よかったなーゴミ。さあ、とっとと消えろ。じゃなきゃ、俺が殺しちまうぞー?」
「…サダメ…」
「…」
男達は吐き捨てるように暴言を吐き、自分を追い返そうとしていた。ミオはそんな自分を心配そうに見ていた。
しかし、自分はその程度で引き下がるつもりはなかった。こいつらをなんとか負かしてミオを助ける。その方法を尻餅をつきながら考える。さて、どうすっかな。
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