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第3章 逆襲編
第3章ー㉚
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「はあ、よかったー。いきなり鼻血出した時はビックリしちゃったよー」
「す、すいません」
「…」
あの後、なんとか鼻血を抑えた自分は天女から昼飯をご馳走して貰っていた。それから少ししてミオも目覚め一緒に飯を食べていた。自分が鼻血を出した話を聞いて何故か不機嫌そうな顔をしている。いや、まだ状況が呑み込めなくて難しい顔になっただけか?
「どう? 美味しい?」
「はい! エリカさんのご飯、とっても美味しいです」
それはさておき、昼飯を食べながら色々話を聞く事ができた。今自分達が居るのはリーヴ村の中にある教会。そしてそこに居る金髪美女の天女さんはここのシスターを務めているエリカ・レーベルさん。歳は二十五。悪くない。だが、聖職者故恋愛は不可能。だが、それも悪くない。因みにあの時服を脱いでいたのは買い物に行く為に着替えをする為だったらしい。恐らく自分は異性として全く見られていないようだ。おかげでいいものを見られたが、なんだか複雑な気持ちだ。見た目がショタだから仕方あるまいが。
話が脱線したが、自分達が眠った後勇者がこの村に自分達を連れて来てくれたようだ。あそこからだとすると馬で二日以上は掛かる筈だが、ドレーカ村で勇者は馬より速く走れるらしいという話を聞いていたのを思い出した。つまり、それ以上の速さでここに辿り着いたことになる。まあ、なにもなければの話ではあるが。
自分達はここで一日以上は眠っていたそうで、それを踏まえると自分達は二日以上寝ていたことになる。そんない寝ていたのかと思うと、今さらながらに驚きを隠しきれない。
「そういえば、その勇者は今何処に?」
「えっ、えーっと、昨日一晩寝ていたんだけど、今朝用事があるって言って村を出て行ったわ。なんでも急ぎの用みたい」
「…そう、ですか」
勇者は急ぎの用でここを立ち去った後らしい。急ぎの用とはなんなのだろうか。他の村に居る魔物の退治でもしに行ったのか。そういえば、ドレーカ村の状況について話しておかないと。それだけじゃない。まだ勇者に話さなければならないことが沢山ある。
「…ここに戻って、来ますかね?」
「うーん、どうだろう。勇者様も色々忙しいでしょうし、もうここには戻って来ないんじゃないかな」
「…」
戻ってこない。そりゃあそうか。勇者だって暇じゃないんだ。それに、いつ自分達が目覚めるかなんてわかるわけがない。待ってる時間も惜しいのだろう。
「どうかしたの、サダメくん?」
「…すいません」
「えっ!? ちょっ…」
だが、どうしても勇者と話がしたかった。その思いがドンドンと強くなっていき、居ても立っても居られなくなった自分は慌てて立ち上がり、エリカさんの制止を振り切って教会を立ち去った。
「す、すいません」
「…」
あの後、なんとか鼻血を抑えた自分は天女から昼飯をご馳走して貰っていた。それから少ししてミオも目覚め一緒に飯を食べていた。自分が鼻血を出した話を聞いて何故か不機嫌そうな顔をしている。いや、まだ状況が呑み込めなくて難しい顔になっただけか?
「どう? 美味しい?」
「はい! エリカさんのご飯、とっても美味しいです」
それはさておき、昼飯を食べながら色々話を聞く事ができた。今自分達が居るのはリーヴ村の中にある教会。そしてそこに居る金髪美女の天女さんはここのシスターを務めているエリカ・レーベルさん。歳は二十五。悪くない。だが、聖職者故恋愛は不可能。だが、それも悪くない。因みにあの時服を脱いでいたのは買い物に行く為に着替えをする為だったらしい。恐らく自分は異性として全く見られていないようだ。おかげでいいものを見られたが、なんだか複雑な気持ちだ。見た目がショタだから仕方あるまいが。
話が脱線したが、自分達が眠った後勇者がこの村に自分達を連れて来てくれたようだ。あそこからだとすると馬で二日以上は掛かる筈だが、ドレーカ村で勇者は馬より速く走れるらしいという話を聞いていたのを思い出した。つまり、それ以上の速さでここに辿り着いたことになる。まあ、なにもなければの話ではあるが。
自分達はここで一日以上は眠っていたそうで、それを踏まえると自分達は二日以上寝ていたことになる。そんない寝ていたのかと思うと、今さらながらに驚きを隠しきれない。
「そういえば、その勇者は今何処に?」
「えっ、えーっと、昨日一晩寝ていたんだけど、今朝用事があるって言って村を出て行ったわ。なんでも急ぎの用みたい」
「…そう、ですか」
勇者は急ぎの用でここを立ち去った後らしい。急ぎの用とはなんなのだろうか。他の村に居る魔物の退治でもしに行ったのか。そういえば、ドレーカ村の状況について話しておかないと。それだけじゃない。まだ勇者に話さなければならないことが沢山ある。
「…ここに戻って、来ますかね?」
「うーん、どうだろう。勇者様も色々忙しいでしょうし、もうここには戻って来ないんじゃないかな」
「…」
戻ってこない。そりゃあそうか。勇者だって暇じゃないんだ。それに、いつ自分達が目覚めるかなんてわかるわけがない。待ってる時間も惜しいのだろう。
「どうかしたの、サダメくん?」
「…すいません」
「えっ!? ちょっ…」
だが、どうしても勇者と話がしたかった。その思いがドンドンと強くなっていき、居ても立っても居られなくなった自分は慌てて立ち上がり、エリカさんの制止を振り切って教会を立ち去った。
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