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第3章 逆襲編
第3章ー⑳
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「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ダークボルトの様子が先程までとは打って変わり、飢えた獣のような雰囲気を感じる。紅天画撃を両手で強く握りしめ、姿勢を極限まで低くしている。まるで四足歩行の獣。腹を空かせたかのように口元から密かに涎を垂らしていた。本人は気づいているのかどうかはわからんがそれほどまでに集中している様子だった。その様子を見ただけでわかる。奴の本気はこれからなのだと。
「【神武流《かぶる》】」
「ぬっ!?」
ダークボルトが魔法を唱えると同時に上半身を前に傾けた瞬間、ダークボルトが勇者の目の前まで接近。速さは相変わらずの俊足といったところだが、勇者は剣で防御しようとしている様子を見るに反応は間に合っている。これならさっきと同じ結果にしかなっらない。あれだけ威勢よく構えていたのに、また対応され…
「くうっ!?」
「えっ?!」
るかと思いきや、ダークボルトの攻撃を受け止めたはずの勇者の体勢が大きく崩された。一体なにが起きたんだ?
「貰ったぁぁぁっ!!」
「ちっ!?」
体勢を崩され、勇者の正面ががら空きに。そこにすかさずダークボルトの攻撃がもう一度襲い掛かってくる。
「んんっ!!」
しかし、体勢の崩れた状態で勇者は紅天画撃に向かって剣を思いっきり振り下ろした。おかげで紅天画撃は地面に叩きつけられ難を逃れた。今のはマジで危なかった。
「ちっ、やり損ねた!」
勝ちを確信していたであろうダークボルトから舌打ちが聞こえた。あれで殺しきれなかったのが悔しかったのだろうが、こっちはヒヤヒヤさせられたよ。
「なるほど、今のは強化系の魔法か」
「はっ、流石に気づいたか。そうだよ、神武流は肉体強化の魔法。俺の黒雷《こくらい》魔法による速度の強化と併せれば近接戦最強よぉ」
ダークボルト曰く、さっきの魔法は強化系の魔法とのこと。脱兎跳躍《ラジャスト》や部分魔力強化《パージング》の部類に入る魔法だ。しかし、ダークボルトの使用した魔法は恐らく脱兎跳躍や部分魔力強化の上位互換といったところか。
尋常じゃないスピードに加え、パワーまで加わってしまった。これはかなりマズイ状況ではないだろうか。
「たしかに、近接戦においてスピードとパワーは重要視される力だ。だが…」
しかし、勇者はまだ余裕の表情を見せていた。近接戦最強の相手を前にしても臆することはなかった。あの余裕っぷり、勇者にはまだ打開の余地があるというのか。
「まだこっちは魔法を使ってねえぞ。勝負はここからだ」
そう発言した勇者の剣から、荒々しく燃える紅蓮の炎が噴き出していた。
ダークボルトの様子が先程までとは打って変わり、飢えた獣のような雰囲気を感じる。紅天画撃を両手で強く握りしめ、姿勢を極限まで低くしている。まるで四足歩行の獣。腹を空かせたかのように口元から密かに涎を垂らしていた。本人は気づいているのかどうかはわからんがそれほどまでに集中している様子だった。その様子を見ただけでわかる。奴の本気はこれからなのだと。
「【神武流《かぶる》】」
「ぬっ!?」
ダークボルトが魔法を唱えると同時に上半身を前に傾けた瞬間、ダークボルトが勇者の目の前まで接近。速さは相変わらずの俊足といったところだが、勇者は剣で防御しようとしている様子を見るに反応は間に合っている。これならさっきと同じ結果にしかなっらない。あれだけ威勢よく構えていたのに、また対応され…
「くうっ!?」
「えっ?!」
るかと思いきや、ダークボルトの攻撃を受け止めたはずの勇者の体勢が大きく崩された。一体なにが起きたんだ?
「貰ったぁぁぁっ!!」
「ちっ!?」
体勢を崩され、勇者の正面ががら空きに。そこにすかさずダークボルトの攻撃がもう一度襲い掛かってくる。
「んんっ!!」
しかし、体勢の崩れた状態で勇者は紅天画撃に向かって剣を思いっきり振り下ろした。おかげで紅天画撃は地面に叩きつけられ難を逃れた。今のはマジで危なかった。
「ちっ、やり損ねた!」
勝ちを確信していたであろうダークボルトから舌打ちが聞こえた。あれで殺しきれなかったのが悔しかったのだろうが、こっちはヒヤヒヤさせられたよ。
「なるほど、今のは強化系の魔法か」
「はっ、流石に気づいたか。そうだよ、神武流は肉体強化の魔法。俺の黒雷《こくらい》魔法による速度の強化と併せれば近接戦最強よぉ」
ダークボルト曰く、さっきの魔法は強化系の魔法とのこと。脱兎跳躍《ラジャスト》や部分魔力強化《パージング》の部類に入る魔法だ。しかし、ダークボルトの使用した魔法は恐らく脱兎跳躍や部分魔力強化の上位互換といったところか。
尋常じゃないスピードに加え、パワーまで加わってしまった。これはかなりマズイ状況ではないだろうか。
「たしかに、近接戦においてスピードとパワーは重要視される力だ。だが…」
しかし、勇者はまだ余裕の表情を見せていた。近接戦最強の相手を前にしても臆することはなかった。あの余裕っぷり、勇者にはまだ打開の余地があるというのか。
「まだこっちは魔法を使ってねえぞ。勝負はここからだ」
そう発言した勇者の剣から、荒々しく燃える紅蓮の炎が噴き出していた。
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