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第2章 脱出編
第2章ーおまけ②
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「いやー、ミオちゃんは恥ずかしがり屋さんだなー」
家に帰る道中、父はこっちに向かって話しかけていたが、自分は無視しながら歩いていた。なぜなら…
「けど、女の子はあれぐらいが可愛いか。なーサダメー、お前もそう思うだろー?」
「…」
「優しくて良い子だしー、おまけに治癒魔法も使える。ウチに嫁いでくれば色々嬉しーよなー、サダメー?」
「…」
滅茶苦茶ウザい絡み方をしてくるから。後ろを歩いているにも関わらず、父のにやけ面が想像出来てしまう程にウザい。今後ろを振り向いたらノータイムで殴ってしまいそうだ。
恐らく父は、唯一同い年であるミオと恋仲的なものを期待しているのだろう。だがこっちは中身が30手前のおっさんである。可愛いと思うことはあっても、変な欲情を抱いたりはしない。そういう楽しみ方は二次元ぐらいだ。まあ、それでも流石に4歳児はないな。
「炎魔法の俺と治癒魔法の母さん。うん。やっぱりなにか運命を感じる。なーサダメー?」
けど、彼女が大きくなったらどう思うだろうか。きっと、彼女が大きくなれば立派な美人に成長するだろう。そうなった時、自分の気持ちに変化が起こるのだろうか。
「いいかサダメ、あーいう子は自分から行かなきゃダメだぞ。受動的になってたらいつまで経っても相手から来ないぞ!」
そういえば、自分の初恋いつだっただろうかと、ふと前世の記憶を思い返す。たしか小2の頃だったか、クラスメイトの加奈ちゃんの笑顔にドキッとさせられた時に初めて恋愛感情というのものが芽生えた気がする。
「まあ、なにか恋愛の事で困った時は父さんに何でも聞きなさい! 男と男の約束だ!」
それから小4の頃になって、保育園から一緒だったみのりちゃんの事を意識するようになったっけ。家も割と近かったし、隣の席になることも多かった事もあり、小学校まではそれなりに喋る機会はあった。のだが、中学校に入ってからはクラスも別々になり、お互い思春期ということもあったりして、話す機会はほぼゼロに近かった。それで結局片思いのまま終わってしまったな。今頃なにをしているのだろうか。自分みたいに早死して異世界転生なんてしてなきゃいいんだけど。
「あっ、でも、キスとかそういうのはまだダメだからな!? そういうのにも順序とか年齢とか…」
高校の頃は、同じ陸上部の内田さんの優しさに心惹かれてしまった。自分みたいなブサイクで陽キャで人見知りな自分にも気さくに話しかけてくるとにかくいい子だった。連絡先も知らないし、高校を卒業してから一度も会ってはいないが、元気にやっているだろうか。自分みたいに早死して異世界転生なんてしていなければよいのだが。
「って、さっきから聞いてるのかサダメ?!」
「…あ゛っ?!」
「うぉっ!?」
そんなことより、さっきからずっとシカトしていたにも関わらず、一人でひたすら話しかけてくる父に嫌気が差してきた。嫌気が差すあまり、振り返るや否や睨み返すと、流石の父も驚きようやく黙ってくれた。というか、あんだけシカトしたのにメンタル鋼かよこの人。
「な、なんだよ?」
「…はあ…」
「?」
しかし、ここまでしても何に対して怒っているのか分からない程の鈍感っぷりである。あまりの鈍感っぷりに怒りを通り越して呆れてため息が出てしまった。チヤドールさんとは真逆だな。
「なんでもない。早く帰ろう」
「お、おう」
父の鈍感っぷりに呆れながらも、自分は父と共に家に帰るのだった。当然帰るまでの間、父の話が止まる事はなく、自分はまたシカトし続けた。
家に帰る道中、父はこっちに向かって話しかけていたが、自分は無視しながら歩いていた。なぜなら…
「けど、女の子はあれぐらいが可愛いか。なーサダメー、お前もそう思うだろー?」
「…」
「優しくて良い子だしー、おまけに治癒魔法も使える。ウチに嫁いでくれば色々嬉しーよなー、サダメー?」
「…」
滅茶苦茶ウザい絡み方をしてくるから。後ろを歩いているにも関わらず、父のにやけ面が想像出来てしまう程にウザい。今後ろを振り向いたらノータイムで殴ってしまいそうだ。
恐らく父は、唯一同い年であるミオと恋仲的なものを期待しているのだろう。だがこっちは中身が30手前のおっさんである。可愛いと思うことはあっても、変な欲情を抱いたりはしない。そういう楽しみ方は二次元ぐらいだ。まあ、それでも流石に4歳児はないな。
「炎魔法の俺と治癒魔法の母さん。うん。やっぱりなにか運命を感じる。なーサダメー?」
けど、彼女が大きくなったらどう思うだろうか。きっと、彼女が大きくなれば立派な美人に成長するだろう。そうなった時、自分の気持ちに変化が起こるのだろうか。
「いいかサダメ、あーいう子は自分から行かなきゃダメだぞ。受動的になってたらいつまで経っても相手から来ないぞ!」
そういえば、自分の初恋いつだっただろうかと、ふと前世の記憶を思い返す。たしか小2の頃だったか、クラスメイトの加奈ちゃんの笑顔にドキッとさせられた時に初めて恋愛感情というのものが芽生えた気がする。
「まあ、なにか恋愛の事で困った時は父さんに何でも聞きなさい! 男と男の約束だ!」
それから小4の頃になって、保育園から一緒だったみのりちゃんの事を意識するようになったっけ。家も割と近かったし、隣の席になることも多かった事もあり、小学校まではそれなりに喋る機会はあった。のだが、中学校に入ってからはクラスも別々になり、お互い思春期ということもあったりして、話す機会はほぼゼロに近かった。それで結局片思いのまま終わってしまったな。今頃なにをしているのだろうか。自分みたいに早死して異世界転生なんてしてなきゃいいんだけど。
「あっ、でも、キスとかそういうのはまだダメだからな!? そういうのにも順序とか年齢とか…」
高校の頃は、同じ陸上部の内田さんの優しさに心惹かれてしまった。自分みたいなブサイクで陽キャで人見知りな自分にも気さくに話しかけてくるとにかくいい子だった。連絡先も知らないし、高校を卒業してから一度も会ってはいないが、元気にやっているだろうか。自分みたいに早死して異世界転生なんてしていなければよいのだが。
「って、さっきから聞いてるのかサダメ?!」
「…あ゛っ?!」
「うぉっ!?」
そんなことより、さっきからずっとシカトしていたにも関わらず、一人でひたすら話しかけてくる父に嫌気が差してきた。嫌気が差すあまり、振り返るや否や睨み返すと、流石の父も驚きようやく黙ってくれた。というか、あんだけシカトしたのにメンタル鋼かよこの人。
「な、なんだよ?」
「…はあ…」
「?」
しかし、ここまでしても何に対して怒っているのか分からない程の鈍感っぷりである。あまりの鈍感っぷりに怒りを通り越して呆れてため息が出てしまった。チヤドールさんとは真逆だな。
「なんでもない。早く帰ろう」
「お、おう」
父の鈍感っぷりに呆れながらも、自分は父と共に家に帰るのだった。当然帰るまでの間、父の話が止まる事はなく、自分はまたシカトし続けた。
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