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第1章 転生編
第1章ーおまけー②
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それから数週間後、俺とステラの式が無事行われ、晴れて夫婦となった。式にはお互いの身内だけでなく、知り合いが多数参加してくれたおかげで大いに盛り上がり、俺達二人にとって掛け替えのない思い出となった。
その日の夜、宿屋に寝泊まりする事になったわけなのだが…
「…」
部屋には俺とステラの二人っきり。しかもステラは今入浴中で、なんなら俺もさっき入り終わった所だ。シャワーの音が聞こえるのも相まって、心臓がバックバクしている。バクバクしすぎて今にもショック死してしまいそうだ。
結局二人には有意義なアドバイスを貰えずじまいだが、この状況は誘えるチャンスなのでは? しかし、誘うってどうやって誘えばいいのだろうか? 「俺と子供作らないか?」うーん、なんかむずがゆいセリフだな。 「子供何人欲しい?」これって俺が言うセリフじゃない気がする。
「あら? 横にもならず考え事?」
「っ?!」
ベッドの上で座ったまま誘う方法を考えていると、風呂上りのステラが声を掛けてきた。声を掛けられるまで気づかなく、思わず飛び跳ねてしまいそうになっていた。考え込んでいたせいでシャワーの音すら聞こえていなかったようだ。
そんなことより、ここからどうする。言うならここしかないが、どう誘えばいいかわからずじまいだ。変に誘えば幻滅されてしまうかもしれないし。一体俺はどうすれば…
「ふふ、式が終わったばかりなのに、何をそんなに考えてるの?」
「んっ?!」
再び考えている間に、ステラは俺の隣に座ってきた。風呂上がり故、濡れた髪とシャンプーのいい香りで色香に惑わされそうになり変な声が漏れてしまった。
「い、いや、そ、その…別に…特には…」
しかし、どうやって性的行為に誘おうか考えていたなんて口が裂けても言えるわけがなく、必死に言い訳を探していた。
「ふふっ、なに緊張してるのよ?」
「っ?! べ、別に、緊張してるわけじゃ…」
図星を突かれてしまい、余計言い訳を考えてしまい、口が上手く回らなくなってきた。ヤバイ。この状況だと邪な事考えていると怪しまれる。いや、考えていないわけではないが。
「ひょっとして、ムラムラしてきちゃった?」
「なっ!?」
やはり怪しまれていた。どうする。ここは正直に言うべきか。
「ち、違う!? そういうわけじゃ…」
と内心思っている間に、口が勝手に動いて虚勢を張ってしまっていた。くそ、なんでこのタイミングで虚勢張ってしまうんだ俺は。
「あらあら? 私ってそんなに魅力ないのかしら?」
「?! いや、そんなことは…」
「ふふふっ、冗談よ」
「…っ」
しかし、それを知っているからか、ステラは俺をからかってくる。おかげで恥ずかしい思いをさせられた。
「ねえ? もう私達、付き合って2年以上経ってるし、式も挙げたのよ。もう我慢なんてしなくていいんじゃない?」
「…」
ステラには全てお見通しだったらしい。どうやら俺より彼女の方が理解力に長けているらしい。それを判っていても尚2年以上恋仲の関係を続け、籍まで入れてくたのだ。なんだか不甲斐ない気持ちが込み上げてきた。
「…すまない。俺、交際経験なんてなくて、初めて出来た君との関係が崩れるのが怖くて臆病になってた。けど、そんな俺の気持ちを汲んでくれた上に、人生の伴侶にまでなってくれた君を幸せにんっ?!」
とうとう俺は本心を彼女に打ち明けようとした。そのとき、彼女は自身の唇を俺の唇に重ねてきた。いきなりの事で俺は驚きを隠せずにいた。
「そんな堅苦しくしなくてもいいのよ。私は貴方を愛していたから一緒に添い遂げたいと思っただけ。いずれ貴方との子を授かりたいとも思ってたし。イノス、貴方はどうなの?」
「…」
彼女の問いかけにハッとさせられた。こんな俺を愛してくれた相手がそこまで言ってくれたんだ。ここで行動を起こさず、一体いつ起こすっていうんだ。
「…ステラ、愛してる」
こうしてその日の夜、俺は彼女と初めて目合った。
「ふふっ」
「どうしたんだよ、急に」
ステラと行為を済ませ、二人ベッドで横になっていると、ステラはなにかを思い出したかのように突然笑い出した。そんなステラに当然問いかけてみる。一体このタイミングでなにを思い出して笑っているのだろうか。
「いや、イノスが必死になってたのがなんか可愛いなと思って」
「んっ!?」
しかし、ステラの返しを聞くと恥ずかしさがこみ上げ、問いかけたことに対して若干後悔していた。そんなに必死だったのか、俺。経験のなさがここに来て痛感されるのだった。
その日の夜、宿屋に寝泊まりする事になったわけなのだが…
「…」
部屋には俺とステラの二人っきり。しかもステラは今入浴中で、なんなら俺もさっき入り終わった所だ。シャワーの音が聞こえるのも相まって、心臓がバックバクしている。バクバクしすぎて今にもショック死してしまいそうだ。
結局二人には有意義なアドバイスを貰えずじまいだが、この状況は誘えるチャンスなのでは? しかし、誘うってどうやって誘えばいいのだろうか? 「俺と子供作らないか?」うーん、なんかむずがゆいセリフだな。 「子供何人欲しい?」これって俺が言うセリフじゃない気がする。
「あら? 横にもならず考え事?」
「っ?!」
ベッドの上で座ったまま誘う方法を考えていると、風呂上りのステラが声を掛けてきた。声を掛けられるまで気づかなく、思わず飛び跳ねてしまいそうになっていた。考え込んでいたせいでシャワーの音すら聞こえていなかったようだ。
そんなことより、ここからどうする。言うならここしかないが、どう誘えばいいかわからずじまいだ。変に誘えば幻滅されてしまうかもしれないし。一体俺はどうすれば…
「ふふ、式が終わったばかりなのに、何をそんなに考えてるの?」
「んっ?!」
再び考えている間に、ステラは俺の隣に座ってきた。風呂上がり故、濡れた髪とシャンプーのいい香りで色香に惑わされそうになり変な声が漏れてしまった。
「い、いや、そ、その…別に…特には…」
しかし、どうやって性的行為に誘おうか考えていたなんて口が裂けても言えるわけがなく、必死に言い訳を探していた。
「ふふっ、なに緊張してるのよ?」
「っ?! べ、別に、緊張してるわけじゃ…」
図星を突かれてしまい、余計言い訳を考えてしまい、口が上手く回らなくなってきた。ヤバイ。この状況だと邪な事考えていると怪しまれる。いや、考えていないわけではないが。
「ひょっとして、ムラムラしてきちゃった?」
「なっ!?」
やはり怪しまれていた。どうする。ここは正直に言うべきか。
「ち、違う!? そういうわけじゃ…」
と内心思っている間に、口が勝手に動いて虚勢を張ってしまっていた。くそ、なんでこのタイミングで虚勢張ってしまうんだ俺は。
「あらあら? 私ってそんなに魅力ないのかしら?」
「?! いや、そんなことは…」
「ふふふっ、冗談よ」
「…っ」
しかし、それを知っているからか、ステラは俺をからかってくる。おかげで恥ずかしい思いをさせられた。
「ねえ? もう私達、付き合って2年以上経ってるし、式も挙げたのよ。もう我慢なんてしなくていいんじゃない?」
「…」
ステラには全てお見通しだったらしい。どうやら俺より彼女の方が理解力に長けているらしい。それを判っていても尚2年以上恋仲の関係を続け、籍まで入れてくたのだ。なんだか不甲斐ない気持ちが込み上げてきた。
「…すまない。俺、交際経験なんてなくて、初めて出来た君との関係が崩れるのが怖くて臆病になってた。けど、そんな俺の気持ちを汲んでくれた上に、人生の伴侶にまでなってくれた君を幸せにんっ?!」
とうとう俺は本心を彼女に打ち明けようとした。そのとき、彼女は自身の唇を俺の唇に重ねてきた。いきなりの事で俺は驚きを隠せずにいた。
「そんな堅苦しくしなくてもいいのよ。私は貴方を愛していたから一緒に添い遂げたいと思っただけ。いずれ貴方との子を授かりたいとも思ってたし。イノス、貴方はどうなの?」
「…」
彼女の問いかけにハッとさせられた。こんな俺を愛してくれた相手がそこまで言ってくれたんだ。ここで行動を起こさず、一体いつ起こすっていうんだ。
「…ステラ、愛してる」
こうしてその日の夜、俺は彼女と初めて目合った。
「ふふっ」
「どうしたんだよ、急に」
ステラと行為を済ませ、二人ベッドで横になっていると、ステラはなにかを思い出したかのように突然笑い出した。そんなステラに当然問いかけてみる。一体このタイミングでなにを思い出して笑っているのだろうか。
「いや、イノスが必死になってたのがなんか可愛いなと思って」
「んっ!?」
しかし、ステラの返しを聞くと恥ずかしさがこみ上げ、問いかけたことに対して若干後悔していた。そんなに必死だったのか、俺。経験のなさがここに来て痛感されるのだった。
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