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第十章 ローラン王国
13 フォン・フォレストは千客万来
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ユーリがフォン・フォレストにエドアルド達と帰るのを見送ったグレゴリウスは、ガックリと落ち込んでしまった。ジークフリートとフランツはあれこれと慰めたが、海の底に沈んだ難破船より深く落ち込む。
夕食の後、ハインリッヒは見かねて、明日はフォン・フォレストに連れて行ってあげようと言う。
「叔父上、フォン・フォレストは警戒態勢を取っているとユーリ嬢も言ってましたよ。大丈夫ですか?」
「エドアルド皇太子殿下達が大丈夫だったのですから、心配はいりませんよ。モガーナ様は公平な方ですから、グレゴリウス皇太子殿下の滞在も快く許して下さるでしょう」
というかエドアルドの監視を、グレゴリウスとフランツに押し付けるだろうとハインリッヒは考えたのだ。ジークフリートもピンときて、流石に老練な外交官だと言い回しの上手さに感服する。
「そうですね、モガーナ様にはお見舞いの品も頂きましたから、お礼がてら訪問しましょう」
グレゴリウスは、国王を許していないモガーナが自分をフォン・フォレストに入れてくれるか不安だったが、指をくわえてエドアルドだけを同じ屋根の下に居させるわけにはいかないと決心する。
「あら、ハインリッヒ様、グレゴリウス皇太子殿下をお連れして下さったのね。ジークフリート卿も、お元気そうで良かったわ。フランツ卿も久し振りですわね」
モガーナは、愛想よく出迎える。ユーリが毎日フォン・キャシディに行っているのは、エドアルドに結界でも教えているのだろうと思っていたが、グレゴリウスまで参加していたのねと苦笑する。
モガーナはエドアルドの監視に飽きていたので、グレゴリウスにやって貰おうと考える。ここまではハインリッヒの読み通りだったが、二人の皇太子がユーリを巡って喧嘩するのも御免だと考えたモガーナは、指導の竜騎士なのだし、元気になったのなら仕事をして貰おうとジークフリートに責任を押し付ける。
「わざわざダンスを習いに、フォン・キャシディ家まで行くのは面倒でしょう。グレゴリウス皇太子殿下も、フランツも、ジークフリート卿も一緒だと賑やかで楽しいわ。部屋はいっぱいありますしね」
ジークフリートは二人の皇太子の監督は大変そうだと断りたかったが、モガーナに貴方がグレゴリウスを呼んだのでしょうと見抜かれていたので承諾する。ハインリッヒは甥のジークフリートに同情したが、ユーリから思わぬ反撃にあった。
「あら、でもグレゴリウス皇太子殿下とフランツは、ハインリッヒ様から外交官のノウハウの講義を受けに来たのでは無かったの?」
ある意味最強のユーリの一言で、ハインリッヒもフォン・フォレストに留まることになってしまう。若者達が竜と海水浴に出かけると、ハインリッヒはモガーナに愚痴を言った。
「モガーナ様、酷いじゃありませんか。監視なら、ジークフリートだけで良いでしょうに」
「あら、ユーリがグレゴリウス皇太子殿下やエドアルド皇太子殿下に、何を教えているか知らないとでも仰るの。フォン・キャシディで結界を教えているのでしょう。貴方はそれをご存知だったのに放置されたのだから、最後まで責任を取って頂きますわ。それにジークフリート卿はグレゴリウス皇太子殿下と結婚させようと思ってらっしゃるから、貴方に見張って頂かないと困りますわ」
ハインリッヒは引退したのに、苦労させられると溜め息をつく。
フォン・フォレストには、エドアルド皇太子一行の4人と、グレゴリウス皇太子殿下一行の4人と、昼過ぎにはアレックスがユングフラウに行く途中のカザリア王国の竜騎士に送られて到着して9人のお客様が滞在することになった。
アレックスはモガーナを見た瞬間に、これは逆らってはいけない存在だと背筋が凍る思いがした。到着の挨拶をしているアレックスを愛想よく出迎えたモガーナだったが、速攻で風呂に入るように命じる。
ユーリ達が帰って来た時には、キチンと髪の毛に櫛をつかって後ろで綺麗にくくり、清潔な身なりのアレックスがサロンで礼儀正しくモガーナとハインリッヒと一緒にお茶を飲んでいた。
「アレックス様、いらしていたのですね。お疲れではありませんか」
ユーリがアレックスを歓迎する様子に、グレゴリウス、フランツ、ジークフリートは驚いた。
「変人のアレックスを招待したのか?」
ハロルドは、フランツにユーリが前からフォン・フォレストに来たがっていたアレックスをお祖母様と二人っきりにするのは不安だから、自分達がいる間に呼んだと言っていたと説明する。
「でも、あの様子なら心配要らなかったみたいですよね。モガーナ様の前で、不作法な真似をする根性は誰一人持ち得ませんよ」
そういえば変人のビクター夫妻も変身を遂げて美男美女カップルとして、行儀良く滞在していたとユーリが驚いていたなと思い出す。
「モガーナ様は猛獣使いならぬ、変人使いになれますね……それにしても、ユーリは何を考えているのでしょう」
フランツはエドアルドやグレゴリウスに結界を教えたり、アレックスを呼び寄せたりとユーリの行動に疑問を持つ。ローラン王国へ自分一人行って無かったので、ユーリ、ユージーン、グレゴリウス、ジークフリートがどんな目に合ったのか想像だけでも怒りがこみ上げてきたが、当事者達がどれほどの傷を負ったのか考える。
ユージーンも、何だか様子がおかしいんだよなとフランツは心配していたのだ。命の危険に陥ったグレゴリウスとジークフリートも微妙な変化をしていたが、ユーリとユージーンは危ういなとフランツには感じられたのだ。
「海岸は寒かったでしょう。暖かいお茶をお飲みなさいな」
モガーナにお茶を進められて飲んでいたメンバーは、不作法にもお茶を吹き出しそうになった。
「それで皇太子殿下達は、結界の張り方をマスターされたのですか?」
ユーリの下手な芝居ではバレているとは思ったが、モガーナにいきなり質問されてお茶に咽せたメンバーだ。
「お祖母様、知っていらしたの?」
ユーリが驚いているのに、モガーナは笑ったが何を考えているのやらと心配する。
「貴女は何を考えているの? 皇太子殿下達に結界を教えるのは、何故かしらね。私には人を呪うと穴二つと、真っ当な事を言ってましたのに、自分で復讐するつもりなのではないですか」
ユーリは自分の動機を深く考えてはいなかったが、皇太子殿下達に結界を教えたのは、ゲオルク王が戦争を仕掛けてくるのは必至だから、防衛に役立つと思ったのも確かだけど、自分が倒れた後に残った人々を守って欲しいからだと気づいた。
「お祖母様、私はゲオルク王が許せないの! 絶対に……」
モガーナは馬鹿な娘ねと、泣き出したユーリを抱きしめて諭す。
「ゲオルクなんて、ほっておきなさい。彼はいずれ自滅しますわ。貴女が手を汚す必要はありませんわ。そのくらい、わかっているでしょう。彼は竜から魔力を引き出しているのでしょうが、その竜の寿命も切れるわ」
「でも、戦争を仕掛けてくる!」
べそべそ泣いているこの孫娘に、どう言い聞かせば良いのかしらと、モガーナは困った。
「武術も苦手な貴女が、どうやってゲオルク王を倒すつもりだったのか理解できませんが、戦争は殿方に任せておきなさい。馬鹿な考えをしているうちは、フォン・フォレストを出しませんからね」
「エ~ッ、治療に役立つ真名を見つけたのに! お祖母様、武術は駄目だけど治療ぐらいは役に立ちたいの」
愚図るユーリだったが、モガーナの意志は固い。
「治療の技も、精神的に不安定な貴女には無理ですわ。今の貴女は瀕死の怪我人を救う為に、自分の命を投げ出しかねないですもの。医師には、冷静な目が必要なのです。全員を救えるわけでは無いのよ。それで貴女が傷つくとわかっているのに、私が許可するわけがありませんわ」
「では精神的に落ち着いたら、良いのですね。このままじゃいけないのは、わかってますわ」
あれほどモガーナにキツく言われたかのに、しぶといとハインリッヒは呆れる。エドアルドとグレゴリウスはユーリがゲオルク王に復讐しようと考えていたのと、そのために自分達に結界の張り方を教えていたのだと知って驚き怒った。
「ユーリ、馬鹿な考えを捨てない限り、フォン・フォレストから出てはいけませんよ」
「どうやってゲオルク王に復讐するつもりだったのか! とにかく外出禁止だよ」
二人からガミガミ叱られて、ぷ~っとふくれているユーリにモガーナは少し安心する。
「治療に役立つ真名って、何ですか?」
モガーナが恐ろしくて大人しくしていたアレックスが、我慢できずに尋ねたのにユーリは『癒』の文字を教える。
「この文字も、気を付けなければいけないのね。自分の力を使いすぎては駄目なのは、ゲオルク王を見たらわかってもいい筈だったのに……ヘルメス様なら、この真名も扱えるかも知れないわ」
これ以上変人を増やさないでくれとのジークフリートの願いも虚しく、ヘルメスのみならずビクター夫妻も付いて来てしまった。
「ビクトリア様? ビクター様?」
ユーリから話には聞いていたが、変身ぶりには驚きを隠せないグレゴリウス達だ。
「モガーナ様の館を訪れるのだから、髭は剃ってきたのだ。アレックスもいたのか! 旧館の発禁本のコレクションを見たか?」
見た目は真っ当になっても、中身は一緒の変人三人組みは、旧館へ走り去った。変人の中では真っ当なヘルメスは、モガーナに丁寧に挨拶する。が、やはり変人のヘルメスはユーリから真名について聞くと、ジークフリートを裸にしかねない勢いで服を脱がそうとした。
慌ててジークフリートは上着を脱いで、シャツの袖を捲り上げて傷の跡もほとんど残って無いのをヘルメスに見せた。
「ふ~ん、これは凄いな! 言われなければ、傷の跡すらも気づかない。ユーリ、真名を使っての治療は効果は絶大だが、体力の消耗はどうなんだろう。疲れて医師が倒れては、使えないぞ。前の戦争の時も、医師の不足で無理をし過ぎて倒れる者が続出したのだ。竜騎士達は基本的に何らかの魔力を持っているのだから、治療の技を身につけるべきなのに、剣を振り回してばかりなのだからな」
じろりとその場にいる、竜騎士と見習い竜騎士を睨みつける。
「そうね、リューデンハイムで治療の技も必修にすれば良いのよ。巡回の竜騎士が、治療の技が使えたら便利よね」
ジークフリートは戦争中は戦闘だけで体力を消耗するので、無理ではないかと抗議する。
「何を言っているんだ。前線の竜騎士が治療の技を使えたら便利だろう、練習するぞ!」
だが、ヘルメスの考えに反して、治療の技の習得に全員手間取る。見かねたモガーナは、無理ではないかと口を挟む。
「竜騎士は何らかの魔力を持ってますが、それが治療に向いているかどうかは別ですわ。何人かは治療の技が習得できるでしょうが、どう見てもジークフリート卿や、エドアルド皇太子殿下と、ハロルド卿、ジェラルド卿は無理そうですわ。グレゴリウス皇太子殿下とフランツ様、ユリアン卿は少し望みが有りそうですけど」
モガーナに資質なしとされた人達はホッとしたが、グレゴリウス達はまだヘルメスのしごきに付き合うのかと思うと涙が出そうだ。特にグレゴリウスは、エドアルドがユーリから結界の個人レッスンを受けているのに、自分は変人の伯父に捕まって楽しくない治療の技の習得をさせられているのは不公平だとこぼす。
エドアルドはユーリを口説きに来たのに、アレックスだけでなく、ビクター夫妻とか、ヘルメスとか変人達とグレゴリウス達に邪魔されて、全く目的とかけ離れていると愚痴りたくなる。
でも、ユーリに竜心石の『魂』という真名を教えてもらい、結界の精度を高めたり、一瞬パッと結界を張って矢を防御する練習をしたりと屋敷の外での練習は二人になれるチャンスだと張り切ったが、ヘルメスに見放されたジークフリートの監視が邪魔だった。
それに、やはり竜心石を真名で覚醒化させると体力の消耗が激しく、エドアルドは微熱を出してしまった。
「大丈夫ですか? やはり真名は使わない方が良いかもしれませんね」
心配そうに額のタオルを冷たい水で冷やしなおしたりしているユーリを独占できたエドアルドは、微熱ぐらい平気だ。ユーリの手をとって、なんとなく気持ちが寂しいのですと甘えていると、ヘルメスが点滴しようと部屋に入ってきて、腕に針を刺され、効果があって熱はひいてしまった。
「早く熱がひいて、良かったですわね」
ユーリは熱がひいて喜んだが、エドアルドは余計なお世話をしてくれたヘルメスに文句たらたらだ。ハロルド達は熱がひいたのに安心したが、エドアルドからユーリが看病してくれていたのにと、山ほどの愚痴を聞かされてウンザリする。
そうこうするうちに一週間が過ぎて、いくら何でもとニューパロマから帰国を促す竜騎士が迎えに来て、エドアルドは到着した時にイリスに火を噴きかけられそうになった時から一度も口説く機会もなくフォン・フォレストを後にするのかと泣きたくなる。
「どうやら、タイムリミットみたいです。ユーリ、お願いですから馬鹿な考えは捨てて下さいね」
エドアルドは出立の時にユーリを抱きしめて、心から心配して言い聞かせる。
「頭ではわかっているのですが、なかなか難しいですわ。でも、ユングフラウのパーラーも、ミシンの習得所もほったままですし、実習も怠けてばかりではいけませんわね。お祖母様の許しが出るまでには時間がかかりそうですが、私が精神的に落ち着かないとイリスも不安定ですもの……」
ユーリが少し落ち着いてきた様子にエドアルドは安心したが、グレゴリウスが居残るのを不安に感じる。
「このまま貴女をニューパロマに連れ去りたいです。愛しています、結婚して下さい!」
ユーリはフォン・フォレストに滞在中に礼儀正しい態度だったエドアルドが出立時に、熱烈なアプローチを始めたのに驚いた。
「今はそんな気持ちになれませんわ。結婚だなんて……」
落ち着かないとイリスがまた火を噴きかねないと、ユーリはエドアルドの腕から逃れた。
「すみません。また、動揺させてしまいましたね」
ユーリの瞳に恐怖の影を見て、エドアルドは自分のグレゴリウスへの嫉妬から性急なプロポーズをしたのを後悔したし、ゲオルク王に怒りを感じる。
「ごめんなさい。まだ、駄目みたいですわ。当分はフォン・フォレストでゆっくり過ごしますわ。エドアルド様もお身体を気をつけて下さいね」
自分を気づかってくれるエドアルドの旅立ちを寂しく感じて泣くユーリだった。その可憐な姿を見て、せっかくマルスに向かおうとしていたエドアルドはユーリをもう一度抱きしめると、グレゴリウスの抗議の声を無視して素早いキスをして旅立った。
「まぁまぁ、そんなに怒らないで」
やっと帰ったのだからとジークフリートに宥められたが、嫉妬に狂ったグレゴリウスとエドアルドの旅立ちを寂しく感じていたユーリは大喧嘩をしてしまう。不出来な弟子の愚痴を聞かされて、ジークフリートは溜め息しかでなかった。
夕食の後、ハインリッヒは見かねて、明日はフォン・フォレストに連れて行ってあげようと言う。
「叔父上、フォン・フォレストは警戒態勢を取っているとユーリ嬢も言ってましたよ。大丈夫ですか?」
「エドアルド皇太子殿下達が大丈夫だったのですから、心配はいりませんよ。モガーナ様は公平な方ですから、グレゴリウス皇太子殿下の滞在も快く許して下さるでしょう」
というかエドアルドの監視を、グレゴリウスとフランツに押し付けるだろうとハインリッヒは考えたのだ。ジークフリートもピンときて、流石に老練な外交官だと言い回しの上手さに感服する。
「そうですね、モガーナ様にはお見舞いの品も頂きましたから、お礼がてら訪問しましょう」
グレゴリウスは、国王を許していないモガーナが自分をフォン・フォレストに入れてくれるか不安だったが、指をくわえてエドアルドだけを同じ屋根の下に居させるわけにはいかないと決心する。
「あら、ハインリッヒ様、グレゴリウス皇太子殿下をお連れして下さったのね。ジークフリート卿も、お元気そうで良かったわ。フランツ卿も久し振りですわね」
モガーナは、愛想よく出迎える。ユーリが毎日フォン・キャシディに行っているのは、エドアルドに結界でも教えているのだろうと思っていたが、グレゴリウスまで参加していたのねと苦笑する。
モガーナはエドアルドの監視に飽きていたので、グレゴリウスにやって貰おうと考える。ここまではハインリッヒの読み通りだったが、二人の皇太子がユーリを巡って喧嘩するのも御免だと考えたモガーナは、指導の竜騎士なのだし、元気になったのなら仕事をして貰おうとジークフリートに責任を押し付ける。
「わざわざダンスを習いに、フォン・キャシディ家まで行くのは面倒でしょう。グレゴリウス皇太子殿下も、フランツも、ジークフリート卿も一緒だと賑やかで楽しいわ。部屋はいっぱいありますしね」
ジークフリートは二人の皇太子の監督は大変そうだと断りたかったが、モガーナに貴方がグレゴリウスを呼んだのでしょうと見抜かれていたので承諾する。ハインリッヒは甥のジークフリートに同情したが、ユーリから思わぬ反撃にあった。
「あら、でもグレゴリウス皇太子殿下とフランツは、ハインリッヒ様から外交官のノウハウの講義を受けに来たのでは無かったの?」
ある意味最強のユーリの一言で、ハインリッヒもフォン・フォレストに留まることになってしまう。若者達が竜と海水浴に出かけると、ハインリッヒはモガーナに愚痴を言った。
「モガーナ様、酷いじゃありませんか。監視なら、ジークフリートだけで良いでしょうに」
「あら、ユーリがグレゴリウス皇太子殿下やエドアルド皇太子殿下に、何を教えているか知らないとでも仰るの。フォン・キャシディで結界を教えているのでしょう。貴方はそれをご存知だったのに放置されたのだから、最後まで責任を取って頂きますわ。それにジークフリート卿はグレゴリウス皇太子殿下と結婚させようと思ってらっしゃるから、貴方に見張って頂かないと困りますわ」
ハインリッヒは引退したのに、苦労させられると溜め息をつく。
フォン・フォレストには、エドアルド皇太子一行の4人と、グレゴリウス皇太子殿下一行の4人と、昼過ぎにはアレックスがユングフラウに行く途中のカザリア王国の竜騎士に送られて到着して9人のお客様が滞在することになった。
アレックスはモガーナを見た瞬間に、これは逆らってはいけない存在だと背筋が凍る思いがした。到着の挨拶をしているアレックスを愛想よく出迎えたモガーナだったが、速攻で風呂に入るように命じる。
ユーリ達が帰って来た時には、キチンと髪の毛に櫛をつかって後ろで綺麗にくくり、清潔な身なりのアレックスがサロンで礼儀正しくモガーナとハインリッヒと一緒にお茶を飲んでいた。
「アレックス様、いらしていたのですね。お疲れではありませんか」
ユーリがアレックスを歓迎する様子に、グレゴリウス、フランツ、ジークフリートは驚いた。
「変人のアレックスを招待したのか?」
ハロルドは、フランツにユーリが前からフォン・フォレストに来たがっていたアレックスをお祖母様と二人っきりにするのは不安だから、自分達がいる間に呼んだと言っていたと説明する。
「でも、あの様子なら心配要らなかったみたいですよね。モガーナ様の前で、不作法な真似をする根性は誰一人持ち得ませんよ」
そういえば変人のビクター夫妻も変身を遂げて美男美女カップルとして、行儀良く滞在していたとユーリが驚いていたなと思い出す。
「モガーナ様は猛獣使いならぬ、変人使いになれますね……それにしても、ユーリは何を考えているのでしょう」
フランツはエドアルドやグレゴリウスに結界を教えたり、アレックスを呼び寄せたりとユーリの行動に疑問を持つ。ローラン王国へ自分一人行って無かったので、ユーリ、ユージーン、グレゴリウス、ジークフリートがどんな目に合ったのか想像だけでも怒りがこみ上げてきたが、当事者達がどれほどの傷を負ったのか考える。
ユージーンも、何だか様子がおかしいんだよなとフランツは心配していたのだ。命の危険に陥ったグレゴリウスとジークフリートも微妙な変化をしていたが、ユーリとユージーンは危ういなとフランツには感じられたのだ。
「海岸は寒かったでしょう。暖かいお茶をお飲みなさいな」
モガーナにお茶を進められて飲んでいたメンバーは、不作法にもお茶を吹き出しそうになった。
「それで皇太子殿下達は、結界の張り方をマスターされたのですか?」
ユーリの下手な芝居ではバレているとは思ったが、モガーナにいきなり質問されてお茶に咽せたメンバーだ。
「お祖母様、知っていらしたの?」
ユーリが驚いているのに、モガーナは笑ったが何を考えているのやらと心配する。
「貴女は何を考えているの? 皇太子殿下達に結界を教えるのは、何故かしらね。私には人を呪うと穴二つと、真っ当な事を言ってましたのに、自分で復讐するつもりなのではないですか」
ユーリは自分の動機を深く考えてはいなかったが、皇太子殿下達に結界を教えたのは、ゲオルク王が戦争を仕掛けてくるのは必至だから、防衛に役立つと思ったのも確かだけど、自分が倒れた後に残った人々を守って欲しいからだと気づいた。
「お祖母様、私はゲオルク王が許せないの! 絶対に……」
モガーナは馬鹿な娘ねと、泣き出したユーリを抱きしめて諭す。
「ゲオルクなんて、ほっておきなさい。彼はいずれ自滅しますわ。貴女が手を汚す必要はありませんわ。そのくらい、わかっているでしょう。彼は竜から魔力を引き出しているのでしょうが、その竜の寿命も切れるわ」
「でも、戦争を仕掛けてくる!」
べそべそ泣いているこの孫娘に、どう言い聞かせば良いのかしらと、モガーナは困った。
「武術も苦手な貴女が、どうやってゲオルク王を倒すつもりだったのか理解できませんが、戦争は殿方に任せておきなさい。馬鹿な考えをしているうちは、フォン・フォレストを出しませんからね」
「エ~ッ、治療に役立つ真名を見つけたのに! お祖母様、武術は駄目だけど治療ぐらいは役に立ちたいの」
愚図るユーリだったが、モガーナの意志は固い。
「治療の技も、精神的に不安定な貴女には無理ですわ。今の貴女は瀕死の怪我人を救う為に、自分の命を投げ出しかねないですもの。医師には、冷静な目が必要なのです。全員を救えるわけでは無いのよ。それで貴女が傷つくとわかっているのに、私が許可するわけがありませんわ」
「では精神的に落ち着いたら、良いのですね。このままじゃいけないのは、わかってますわ」
あれほどモガーナにキツく言われたかのに、しぶといとハインリッヒは呆れる。エドアルドとグレゴリウスはユーリがゲオルク王に復讐しようと考えていたのと、そのために自分達に結界の張り方を教えていたのだと知って驚き怒った。
「ユーリ、馬鹿な考えを捨てない限り、フォン・フォレストから出てはいけませんよ」
「どうやってゲオルク王に復讐するつもりだったのか! とにかく外出禁止だよ」
二人からガミガミ叱られて、ぷ~っとふくれているユーリにモガーナは少し安心する。
「治療に役立つ真名って、何ですか?」
モガーナが恐ろしくて大人しくしていたアレックスが、我慢できずに尋ねたのにユーリは『癒』の文字を教える。
「この文字も、気を付けなければいけないのね。自分の力を使いすぎては駄目なのは、ゲオルク王を見たらわかってもいい筈だったのに……ヘルメス様なら、この真名も扱えるかも知れないわ」
これ以上変人を増やさないでくれとのジークフリートの願いも虚しく、ヘルメスのみならずビクター夫妻も付いて来てしまった。
「ビクトリア様? ビクター様?」
ユーリから話には聞いていたが、変身ぶりには驚きを隠せないグレゴリウス達だ。
「モガーナ様の館を訪れるのだから、髭は剃ってきたのだ。アレックスもいたのか! 旧館の発禁本のコレクションを見たか?」
見た目は真っ当になっても、中身は一緒の変人三人組みは、旧館へ走り去った。変人の中では真っ当なヘルメスは、モガーナに丁寧に挨拶する。が、やはり変人のヘルメスはユーリから真名について聞くと、ジークフリートを裸にしかねない勢いで服を脱がそうとした。
慌ててジークフリートは上着を脱いで、シャツの袖を捲り上げて傷の跡もほとんど残って無いのをヘルメスに見せた。
「ふ~ん、これは凄いな! 言われなければ、傷の跡すらも気づかない。ユーリ、真名を使っての治療は効果は絶大だが、体力の消耗はどうなんだろう。疲れて医師が倒れては、使えないぞ。前の戦争の時も、医師の不足で無理をし過ぎて倒れる者が続出したのだ。竜騎士達は基本的に何らかの魔力を持っているのだから、治療の技を身につけるべきなのに、剣を振り回してばかりなのだからな」
じろりとその場にいる、竜騎士と見習い竜騎士を睨みつける。
「そうね、リューデンハイムで治療の技も必修にすれば良いのよ。巡回の竜騎士が、治療の技が使えたら便利よね」
ジークフリートは戦争中は戦闘だけで体力を消耗するので、無理ではないかと抗議する。
「何を言っているんだ。前線の竜騎士が治療の技を使えたら便利だろう、練習するぞ!」
だが、ヘルメスの考えに反して、治療の技の習得に全員手間取る。見かねたモガーナは、無理ではないかと口を挟む。
「竜騎士は何らかの魔力を持ってますが、それが治療に向いているかどうかは別ですわ。何人かは治療の技が習得できるでしょうが、どう見てもジークフリート卿や、エドアルド皇太子殿下と、ハロルド卿、ジェラルド卿は無理そうですわ。グレゴリウス皇太子殿下とフランツ様、ユリアン卿は少し望みが有りそうですけど」
モガーナに資質なしとされた人達はホッとしたが、グレゴリウス達はまだヘルメスのしごきに付き合うのかと思うと涙が出そうだ。特にグレゴリウスは、エドアルドがユーリから結界の個人レッスンを受けているのに、自分は変人の伯父に捕まって楽しくない治療の技の習得をさせられているのは不公平だとこぼす。
エドアルドはユーリを口説きに来たのに、アレックスだけでなく、ビクター夫妻とか、ヘルメスとか変人達とグレゴリウス達に邪魔されて、全く目的とかけ離れていると愚痴りたくなる。
でも、ユーリに竜心石の『魂』という真名を教えてもらい、結界の精度を高めたり、一瞬パッと結界を張って矢を防御する練習をしたりと屋敷の外での練習は二人になれるチャンスだと張り切ったが、ヘルメスに見放されたジークフリートの監視が邪魔だった。
それに、やはり竜心石を真名で覚醒化させると体力の消耗が激しく、エドアルドは微熱を出してしまった。
「大丈夫ですか? やはり真名は使わない方が良いかもしれませんね」
心配そうに額のタオルを冷たい水で冷やしなおしたりしているユーリを独占できたエドアルドは、微熱ぐらい平気だ。ユーリの手をとって、なんとなく気持ちが寂しいのですと甘えていると、ヘルメスが点滴しようと部屋に入ってきて、腕に針を刺され、効果があって熱はひいてしまった。
「早く熱がひいて、良かったですわね」
ユーリは熱がひいて喜んだが、エドアルドは余計なお世話をしてくれたヘルメスに文句たらたらだ。ハロルド達は熱がひいたのに安心したが、エドアルドからユーリが看病してくれていたのにと、山ほどの愚痴を聞かされてウンザリする。
そうこうするうちに一週間が過ぎて、いくら何でもとニューパロマから帰国を促す竜騎士が迎えに来て、エドアルドは到着した時にイリスに火を噴きかけられそうになった時から一度も口説く機会もなくフォン・フォレストを後にするのかと泣きたくなる。
「どうやら、タイムリミットみたいです。ユーリ、お願いですから馬鹿な考えは捨てて下さいね」
エドアルドは出立の時にユーリを抱きしめて、心から心配して言い聞かせる。
「頭ではわかっているのですが、なかなか難しいですわ。でも、ユングフラウのパーラーも、ミシンの習得所もほったままですし、実習も怠けてばかりではいけませんわね。お祖母様の許しが出るまでには時間がかかりそうですが、私が精神的に落ち着かないとイリスも不安定ですもの……」
ユーリが少し落ち着いてきた様子にエドアルドは安心したが、グレゴリウスが居残るのを不安に感じる。
「このまま貴女をニューパロマに連れ去りたいです。愛しています、結婚して下さい!」
ユーリはフォン・フォレストに滞在中に礼儀正しい態度だったエドアルドが出立時に、熱烈なアプローチを始めたのに驚いた。
「今はそんな気持ちになれませんわ。結婚だなんて……」
落ち着かないとイリスがまた火を噴きかねないと、ユーリはエドアルドの腕から逃れた。
「すみません。また、動揺させてしまいましたね」
ユーリの瞳に恐怖の影を見て、エドアルドは自分のグレゴリウスへの嫉妬から性急なプロポーズをしたのを後悔したし、ゲオルク王に怒りを感じる。
「ごめんなさい。まだ、駄目みたいですわ。当分はフォン・フォレストでゆっくり過ごしますわ。エドアルド様もお身体を気をつけて下さいね」
自分を気づかってくれるエドアルドの旅立ちを寂しく感じて泣くユーリだった。その可憐な姿を見て、せっかくマルスに向かおうとしていたエドアルドはユーリをもう一度抱きしめると、グレゴリウスの抗議の声を無視して素早いキスをして旅立った。
「まぁまぁ、そんなに怒らないで」
やっと帰ったのだからとジークフリートに宥められたが、嫉妬に狂ったグレゴリウスとエドアルドの旅立ちを寂しく感じていたユーリは大喧嘩をしてしまう。不出来な弟子の愚痴を聞かされて、ジークフリートは溜め息しかでなかった。
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ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
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私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
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