89 / 273
第六章 同盟締結
19 酔っ払ったユーリ
しおりを挟む
フランツに寄りかかっていたユーリが急に立ち上がって叫ぶ。
『イリス~駄目~! 窓ガラスを割らないで~』
突然、立ち上がって叫ぶユーリに、竜騎士達は過保護のイリスが心配して、飛んできたのだと気づいた。
全員が窓ガラスがビリビリと衝撃波で揺れる音に驚く。
『ユーリ! どうしたの?』
イリスの悲痛な叫び声に竜騎士達は耳をふさいだが、ユーリは急に立ち上がったので、酔いが回ってフランツに抱きかかえられた状態で返事どころではない。
『イリス、ユーリは大丈夫だ。きついお酒を飲んで、酔っぱらっただけだよ』
ぐだぐだのユーリに代わって、グレゴリウスがイリスを安心させる。
『グレゴリウス、ユーリは酔っぱらってるの? 意識が朦朧として、話ができないから心配したんだ。何か毒でも飲まされたのかと思った。ユーリの側にはグレゴリウスもフランツもいるんだね? ちゃんと介抱してよ』
口うるさい母親みたいなイリスに竜騎士全員が呆れたが、エドアルドはイリスがグレゴリウスやフランツほど自分を信頼していないのに気づいて、少し傷つく。
「ほら、ユーリ、イリスが心配しているよ」
グレゴリウスの言葉を聞いても、まだ心配そうにイリスが大教室の窓越しに覗き込んでいるのをフランツは教える。
ユーリは『大丈夫~』と酔っぱっらった口調で返事する。
『ユーリ、完全に酔っぱってる』
窓越しに姿を確認し、酔っぱらい口調ではあるが返事を貰ったイリスはやっと安心して、芝生で寛ぐ。
「ユーリ嬢、こんなにお酒に弱いとは知りませんでした。申し訳ありません。アレックス君、君も謝りたまえ」
ライシャワー教授に叱責されて、アレックスも謝ったが、心ここに非ずの謝り方で、メンバー全員が不快に思った。
「ユーリ嬢、貴女は『鷹主』の正しい文字をどこで習ったのですか? 他にも真名をご存知ではないのですか? やはり、貴女は魔王国シンの末裔なのですか? だから、真名を知ってるのでしょう」
アレックスは自分の疑問をユーリに聞いてるうちに、どんどんと興奮して勝手な憶測までぶつけてくる。ライシャワー教授も紳士的な態度をかなぐり捨てて、ユーリに前々から感じていた疑問をぶつける。
「フォン・フォレスト一族は魔王国シンの末裔だから、その魔力を後世に伝える為に反乱を起こしても一族は滅亡をまぬがれたのですか? 」
グレゴリウスとフランツは、アレックスと教授の非礼に抗議の声をあげたが、エドアルドは自分もユーリに会う前は同じ疑問を抱いていたので、うっと詰まってしまった。
しかし、教授も助手も、酔っぱらいのユーリにケンカをふっかけるような真似をしてはいけなかったのだ。
「フォン・フォレストの反乱? 魔王国シン? そんなの知らないわよ。私はまだ15年しか生きてないのよ。そ~んな、お~お昔の事なんて知るわけないでしょうが。それより、中途半端な知識でぇ、あ~んな文字、使っちゃダメ~」
パロマ大学の教授に向かって中途半端な知識とは、侮辱にもほどがあるが、実際に間違った文字を書いたライシャワー教授は真っ赤になって恥いる。
「ユーリ嬢、私に真名を教えて下さい」
教授は酔っぱらったユーリに教えをこうたが「そんなの、知らないわよ」と完全否定されてしまった。
間違った文字を書き換えて、ターシュの真名で幻を呼び出したユーリの白々しい否定は、エドアルドですら受け入れ難い。
「ライシャワー教授は、ターシュを見たのでしょ。ターシュの子孫はカザリアにいるわよ。私なんかに構ってないで、捕まえにいったら? 多分、王家とターシュは何らかの絆があるのね~。赤ちゃんの皇子を逆臣から救ったぐらいですもの。え~と、皇子? 旧帝国時代? カザリア王家とは関係ないのかな~? それにエドアルド皇太子殿下を運ぶのはターシュには無理ね~。重すぎるわ」
酔っぱらったユーリ嬢の脈略のない話でも真剣に教授と助手は聞き込む。
「ユーリ嬢、ユーリ嬢! 真名を誰から教わったのですか」
かなりぐだぐだのユーリから、少しでも貴重な情報を聞き出そうと、教授は必死で呼びかける。
「真名なんて知らない。あれは象意文字よ……物の意味……玉だなんて、酷い間違えだわ。主は、鷹の王の意味なの……前世の記憶だわ…‥漢字に似てる……」
「ユーリ嬢、ユーリ嬢! 象意文字? それは真名ではないのですか? 鷹の王! まさしくターシュに相応しい名前ですが、玉も意味があるのですか? ちょっと、寝ないで下さい。まだお聞きしたいことがいっぱいあるのです。前世の記憶とは、魔王国シンの記憶ですか? ユーリ嬢、起きて下さい」
教授はうとうとしだしたユーリを揺さぶって起こそうとしたが、フランツとグレゴリウスに止められた。
「教授、寝ているユーリに手を触れないで下さい」
そう言ったものの、スヤスヤとフランツももたれかかって寝てしまったユーリに困ったグレゴリウスだ。
『イリス、ユーリが寝てしまったけど、大使館まで連れて帰ってくれる?』
駄目もとで頼んでみたが『意識がないのに無理だよ』と断られる。
「フランツ、ユーリを馬車で大使館に連れて帰れる?」
フランツは顔を赤らめて瞬時に首を振る。
「そんな真似できるのユージーンだけだよ。僕はまだ修行中ですから、遠慮しときます」
エドアルドも学友達も無防備に寝てしまったユーリの扱いに困る。
「私が馬車まで運びましょうか? ユーリ嬢はそんなに重たそうにも思えません」
全くの朴念仁アレックスの提案は、全員からどこの馬の骨かもわからない男にユーリを任せられないと拒否される。
「アレックス君は王家の血を引く名門の出ですからご安心下さい。クレメンス侯爵家の嫡男なんです。まぁ、研究に入れあげて廃嫡寸前ですけど、信頼はおけますよ」
カザリア王国のメンバーはヨレヨレのシャツや伸び放題のもじゃもじゃの髪のアレックスが、クレメンス侯爵家の嫡男と聞いて驚く。クレメンス侯爵は先々代の私生児なので、国王陛下の従兄弟にあたるアレックスのあんまりな格好にウンザリする。
「ユーリ嬢の重たさの問題ではないのだ。未婚の寝ている令嬢を寝室まで運び……」
エドアルドは想像しただけで真っ赤になって撃沈する。
「まだ、ユーリ嬢は15才でしょ。子どもじゃないですか」
「その子どもにウォッカを飲ませたのは誰だ!」
全員から突っ込まれたが「年齢はその時はしりませんでした」としゃあしゃあと答える。
「それより、ユーリ嬢にはお聞きしたいことが沢山あるのです。酔っぱらいなら、そこの水挿しに残っている水を、掛ければ起きるのではないでしょうか? 夏ですから、風邪もひかないでしょうし、皆さんも困っている件も解消できるでしょう」
駄目に決まってるだろう! と教授も含めて全員から怒鳴られて、腑に落ちない様子のアレックスに呆れていると、うるささにユーリの目が覚めた。
「う~ん……うるさい、え~、ここは……何処? フランツ、グレゴリウス皇太子殿下、エドアルド皇太子殿下。ここはパロマ大学よね。私、寝てたの? 頭が痛いわ」
自分の驚いた声ですら、頭に響いてる様子のユーリに二日酔いの経験者は同情する。
『ユーリ、起きた?』
イリスの呼び声も、頭に響くのか眉をしかめるユーリだ。
『窓ガラス、無事だったのね。良かったわ、また弁償しなくちゃいけないとこだったわ。もうお小遣いは使い果たしちゃったんだもん』
竜騎士達は何だか頓珍漢な会話に苦笑したが、ライシャワー教授とアレックスは目覚めたユーリに質問したい事が山ほどある。
「ユーリ嬢、真名を教えて下さい。何処で、その知識を手に入れられたのでしょう?」
ユーリは「頭痛がするわ」と酔っぱらって何を口走ったのか、ぼんやりした記憶を探る。
「ライシャワー教授、酔って失礼な事を申し上げたような…‥記憶が曖昧ですが、お詫びしますわ。頭痛がしますので、失礼します」
かなりヤバイ事も酔って喋ったようだと、必死な教授と助手に詰め寄られて、ユーリは砂糖菓子しか食べませんのと言う令嬢風を装って白をきったが、マッド研究者には効き目がない。
ユーリに夢中のエドアルドですら、白々しいと思う演技の下手さに、フランツとグレゴリウスは溜め息をつく。
「私は真名は本当に知らないわ。でも、よく似た文字の記憶があるの。教授、真名は魔力を持っているわ。魔力に捕らわれてしまったら危険だと感じますの、本当に気を付けて下さいね」
教授はユーリがこれ以上は口を割らないと感じたので、問い詰めるのを止めて雑談から洩れる情報を少しでも収集する作戦に切り換える。
「ご忠告感謝します。少し、疲れましたな~ユーリ嬢、酔わせたお詫びにお茶でも奢らせて下さい。少し、休憩されて帰られた方が良いですよ」
お茶に誘われて「いえ、結構ですわ」と断ったが、「やはり、お怒りなんですね~」と年寄りの教授に悄然とされるとユーリは弱かった。
フランツとグレゴリウスは、しまった! とユーリの気の良さに舌打ちしたい気分だったが、象牙の塔の住人とはいえ、パロマ大学での権力争いを勝ち残ったライシャワー教授に教授専用食堂へと導かれる。
『イリス~駄目~! 窓ガラスを割らないで~』
突然、立ち上がって叫ぶユーリに、竜騎士達は過保護のイリスが心配して、飛んできたのだと気づいた。
全員が窓ガラスがビリビリと衝撃波で揺れる音に驚く。
『ユーリ! どうしたの?』
イリスの悲痛な叫び声に竜騎士達は耳をふさいだが、ユーリは急に立ち上がったので、酔いが回ってフランツに抱きかかえられた状態で返事どころではない。
『イリス、ユーリは大丈夫だ。きついお酒を飲んで、酔っぱらっただけだよ』
ぐだぐだのユーリに代わって、グレゴリウスがイリスを安心させる。
『グレゴリウス、ユーリは酔っぱらってるの? 意識が朦朧として、話ができないから心配したんだ。何か毒でも飲まされたのかと思った。ユーリの側にはグレゴリウスもフランツもいるんだね? ちゃんと介抱してよ』
口うるさい母親みたいなイリスに竜騎士全員が呆れたが、エドアルドはイリスがグレゴリウスやフランツほど自分を信頼していないのに気づいて、少し傷つく。
「ほら、ユーリ、イリスが心配しているよ」
グレゴリウスの言葉を聞いても、まだ心配そうにイリスが大教室の窓越しに覗き込んでいるのをフランツは教える。
ユーリは『大丈夫~』と酔っぱっらった口調で返事する。
『ユーリ、完全に酔っぱってる』
窓越しに姿を確認し、酔っぱらい口調ではあるが返事を貰ったイリスはやっと安心して、芝生で寛ぐ。
「ユーリ嬢、こんなにお酒に弱いとは知りませんでした。申し訳ありません。アレックス君、君も謝りたまえ」
ライシャワー教授に叱責されて、アレックスも謝ったが、心ここに非ずの謝り方で、メンバー全員が不快に思った。
「ユーリ嬢、貴女は『鷹主』の正しい文字をどこで習ったのですか? 他にも真名をご存知ではないのですか? やはり、貴女は魔王国シンの末裔なのですか? だから、真名を知ってるのでしょう」
アレックスは自分の疑問をユーリに聞いてるうちに、どんどんと興奮して勝手な憶測までぶつけてくる。ライシャワー教授も紳士的な態度をかなぐり捨てて、ユーリに前々から感じていた疑問をぶつける。
「フォン・フォレスト一族は魔王国シンの末裔だから、その魔力を後世に伝える為に反乱を起こしても一族は滅亡をまぬがれたのですか? 」
グレゴリウスとフランツは、アレックスと教授の非礼に抗議の声をあげたが、エドアルドは自分もユーリに会う前は同じ疑問を抱いていたので、うっと詰まってしまった。
しかし、教授も助手も、酔っぱらいのユーリにケンカをふっかけるような真似をしてはいけなかったのだ。
「フォン・フォレストの反乱? 魔王国シン? そんなの知らないわよ。私はまだ15年しか生きてないのよ。そ~んな、お~お昔の事なんて知るわけないでしょうが。それより、中途半端な知識でぇ、あ~んな文字、使っちゃダメ~」
パロマ大学の教授に向かって中途半端な知識とは、侮辱にもほどがあるが、実際に間違った文字を書いたライシャワー教授は真っ赤になって恥いる。
「ユーリ嬢、私に真名を教えて下さい」
教授は酔っぱらったユーリに教えをこうたが「そんなの、知らないわよ」と完全否定されてしまった。
間違った文字を書き換えて、ターシュの真名で幻を呼び出したユーリの白々しい否定は、エドアルドですら受け入れ難い。
「ライシャワー教授は、ターシュを見たのでしょ。ターシュの子孫はカザリアにいるわよ。私なんかに構ってないで、捕まえにいったら? 多分、王家とターシュは何らかの絆があるのね~。赤ちゃんの皇子を逆臣から救ったぐらいですもの。え~と、皇子? 旧帝国時代? カザリア王家とは関係ないのかな~? それにエドアルド皇太子殿下を運ぶのはターシュには無理ね~。重すぎるわ」
酔っぱらったユーリ嬢の脈略のない話でも真剣に教授と助手は聞き込む。
「ユーリ嬢、ユーリ嬢! 真名を誰から教わったのですか」
かなりぐだぐだのユーリから、少しでも貴重な情報を聞き出そうと、教授は必死で呼びかける。
「真名なんて知らない。あれは象意文字よ……物の意味……玉だなんて、酷い間違えだわ。主は、鷹の王の意味なの……前世の記憶だわ…‥漢字に似てる……」
「ユーリ嬢、ユーリ嬢! 象意文字? それは真名ではないのですか? 鷹の王! まさしくターシュに相応しい名前ですが、玉も意味があるのですか? ちょっと、寝ないで下さい。まだお聞きしたいことがいっぱいあるのです。前世の記憶とは、魔王国シンの記憶ですか? ユーリ嬢、起きて下さい」
教授はうとうとしだしたユーリを揺さぶって起こそうとしたが、フランツとグレゴリウスに止められた。
「教授、寝ているユーリに手を触れないで下さい」
そう言ったものの、スヤスヤとフランツももたれかかって寝てしまったユーリに困ったグレゴリウスだ。
『イリス、ユーリが寝てしまったけど、大使館まで連れて帰ってくれる?』
駄目もとで頼んでみたが『意識がないのに無理だよ』と断られる。
「フランツ、ユーリを馬車で大使館に連れて帰れる?」
フランツは顔を赤らめて瞬時に首を振る。
「そんな真似できるのユージーンだけだよ。僕はまだ修行中ですから、遠慮しときます」
エドアルドも学友達も無防備に寝てしまったユーリの扱いに困る。
「私が馬車まで運びましょうか? ユーリ嬢はそんなに重たそうにも思えません」
全くの朴念仁アレックスの提案は、全員からどこの馬の骨かもわからない男にユーリを任せられないと拒否される。
「アレックス君は王家の血を引く名門の出ですからご安心下さい。クレメンス侯爵家の嫡男なんです。まぁ、研究に入れあげて廃嫡寸前ですけど、信頼はおけますよ」
カザリア王国のメンバーはヨレヨレのシャツや伸び放題のもじゃもじゃの髪のアレックスが、クレメンス侯爵家の嫡男と聞いて驚く。クレメンス侯爵は先々代の私生児なので、国王陛下の従兄弟にあたるアレックスのあんまりな格好にウンザリする。
「ユーリ嬢の重たさの問題ではないのだ。未婚の寝ている令嬢を寝室まで運び……」
エドアルドは想像しただけで真っ赤になって撃沈する。
「まだ、ユーリ嬢は15才でしょ。子どもじゃないですか」
「その子どもにウォッカを飲ませたのは誰だ!」
全員から突っ込まれたが「年齢はその時はしりませんでした」としゃあしゃあと答える。
「それより、ユーリ嬢にはお聞きしたいことが沢山あるのです。酔っぱらいなら、そこの水挿しに残っている水を、掛ければ起きるのではないでしょうか? 夏ですから、風邪もひかないでしょうし、皆さんも困っている件も解消できるでしょう」
駄目に決まってるだろう! と教授も含めて全員から怒鳴られて、腑に落ちない様子のアレックスに呆れていると、うるささにユーリの目が覚めた。
「う~ん……うるさい、え~、ここは……何処? フランツ、グレゴリウス皇太子殿下、エドアルド皇太子殿下。ここはパロマ大学よね。私、寝てたの? 頭が痛いわ」
自分の驚いた声ですら、頭に響いてる様子のユーリに二日酔いの経験者は同情する。
『ユーリ、起きた?』
イリスの呼び声も、頭に響くのか眉をしかめるユーリだ。
『窓ガラス、無事だったのね。良かったわ、また弁償しなくちゃいけないとこだったわ。もうお小遣いは使い果たしちゃったんだもん』
竜騎士達は何だか頓珍漢な会話に苦笑したが、ライシャワー教授とアレックスは目覚めたユーリに質問したい事が山ほどある。
「ユーリ嬢、真名を教えて下さい。何処で、その知識を手に入れられたのでしょう?」
ユーリは「頭痛がするわ」と酔っぱらって何を口走ったのか、ぼんやりした記憶を探る。
「ライシャワー教授、酔って失礼な事を申し上げたような…‥記憶が曖昧ですが、お詫びしますわ。頭痛がしますので、失礼します」
かなりヤバイ事も酔って喋ったようだと、必死な教授と助手に詰め寄られて、ユーリは砂糖菓子しか食べませんのと言う令嬢風を装って白をきったが、マッド研究者には効き目がない。
ユーリに夢中のエドアルドですら、白々しいと思う演技の下手さに、フランツとグレゴリウスは溜め息をつく。
「私は真名は本当に知らないわ。でも、よく似た文字の記憶があるの。教授、真名は魔力を持っているわ。魔力に捕らわれてしまったら危険だと感じますの、本当に気を付けて下さいね」
教授はユーリがこれ以上は口を割らないと感じたので、問い詰めるのを止めて雑談から洩れる情報を少しでも収集する作戦に切り換える。
「ご忠告感謝します。少し、疲れましたな~ユーリ嬢、酔わせたお詫びにお茶でも奢らせて下さい。少し、休憩されて帰られた方が良いですよ」
お茶に誘われて「いえ、結構ですわ」と断ったが、「やはり、お怒りなんですね~」と年寄りの教授に悄然とされるとユーリは弱かった。
フランツとグレゴリウスは、しまった! とユーリの気の良さに舌打ちしたい気分だったが、象牙の塔の住人とはいえ、パロマ大学での権力争いを勝ち残ったライシャワー教授に教授専用食堂へと導かれる。
2
お気に入りに追加
1,982
あなたにおすすめの小説

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる