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第五章 カザリア王国へ
18 ニューパロマの街でバッタリ
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馬車でニューパロマに出かけたユーリは、自分が考えている物をどこで注文したら良いのか解らず、取りあえず食器や台所用品を扱っている店に行くように指示する。
『台所用品を扱う店? 令嬢が台所に立たれるのだろうか?』
御者も、侍女も何でだろう? と不思議に思ったが、大使夫人からユーリの好きなようにさせるように命令を受けていたので、ニューパロマで一流の台所用品を扱う店に連れて行く。
カザリア王国は金属製品や陶磁器の生産に優れていて、ユーリは前から考えていた計画に必要な道具をニューパロマに滞在中に作って貰い、試してみたいことがあったのだ。
「まぁ、さすがに一流の店ね。優れた台所用品がいっぱいあるわ」
ユーリは店中の台所用品に目を輝かす。
「お嬢様、何かお探しでしょうか?」
店の外には立派な馬車が止まっているし、護衛らしき男が立っている。侍女を伴って店を訪れた令嬢に、店長は手揉みをしながら用を伺う。
「あのう、この道具を作って頂きたいのです」
ユーリが差し出した簡単な設計図を見て、店長は困惑する。
「申し訳ありません、当店では商品を売るだけなのです」
ユーリはピカピカに光る鍋や、大小のお玉などに未練を残しながら店を出た。
『金属製品の加工に優れたニューパロマで道具を作って貰いたかったけど、何処で作って貰ったら良いのかしら? 私はニューパロマのことを知らないし、ユングフラウで発注する方が良いのかも……』
「ユーリ様? どうされますか?」
店を出て考え込んでいるユーリに侍女は、次の目的地は何処かと尋ねる。
「そうね、ユングフラウなら屋敷の執事が事情に詳しいわ。折角、金属加工に優れたニューパロマにいるのだから注文したかったけど、無理かもね」
馬車に乗って道具の発注を諦め、陶磁器の店に行こうとしたユーリは、目の前にエドアルドがいるのに驚く。
「まぁ、エドアルド皇太子殿下……」
昨夜はなかなか寝つかれなかったエドアルドは、朝ユーリがイルバニア王国の特使一行の中に見えなかったので、彼女もイルスへの質問会に気づいたのだと察した。
流石に、今日はイルバニア王国大使館に訪ねて行くのは遠慮して、パロマ大学に調べ物でもしようと出かけたら、偶然イルバニア王国大使館の紋章の付いた馬車が目に止まったのだ。
まさか、ユーリ本人に会えるとは思ってもみなかった。昨日の質問会の内容にさっと頬が赤らむ居心地の悪さも感じたが、馬からさっと降りるとユーリに挨拶する。
「おはようございます。こんな所でお目にかかれるとは、何のご用事ですか?」
ユーリはエドアルドも自分の個人的な情報を知っているのかと、顔がパッと赤らむのを感じたが、礼儀正しく挨拶されたのを無視もできず、返事を返す。
「エドアルド皇太子殿下、おはようございます。少し、注文したい道具がありましたが、この店では製品の販売しかしてないとのことでしたの。どこに注文したら良いのか解らないので、ユングフラウに帰ってから作って貰おうと諦めたところなんです」
ユーリの言葉と出てきた店から、何か台所用品の特注をしたかったのだと察し、自分がお役にたつとエドアルドは考えた。
「それなら、店に仕入れ先をお聞きになれば良いのではないですか? 作っている工房に、直接頼まれたら良いでしょう。私がご案内しますよ」
エドアルドに道具の注文に付きあって貰うのは気の毒だと、ユーリは遠慮する。
「遠慮などなさらないで下さい。それに私は一応この国の皇太子ですから、多少は無理も通せますよ」
恋する青年は全く引く気が無かったし、地元の情報に詳しいのは確かなので言葉に甘えることになった。
「でも、エドアルド皇太子殿下はどこかに行かれる途中だったのではないですか?」
馬を連れていた護衛に預て、ちゃっかり馬車に乗り込んだエドアルドに侍女も驚く。
侍女が皇太子を撃退できる筈もなく、兎に角ユーリと二人きりにしなきように気をつける。
「少し調べ物をしようとパロマ大学に行こうとしてましたが、別に急ぐ用事ではありませんから。それより、これは何の道具ですか? 円柱型の大、小のドラムに棒が刺さってて、小さいドラムを回転させるのですね。何かを撹拌するような羽が棒には付いていますね」
ユーリが持っていた簡単な設計図を興味深そうに眺めてエドアルドは、何を作る道具なんだろうと考え込む。
「ちゃんとできたら、お手伝いして下さったエドアルド皇太子殿下にもご馳走しますわ。とても美味しいデザートを作る道具ですのよ」
ユーリの言葉に「何ですか?」とたずねる皇太子殿下と「秘密です」と答えるユーリは、侍女の目にはとても仲良く見えて、はらはらする。
店に教えて貰った工房に、設計図を渡し簡単な説明をすると、何の目的かは解らない様子だったが、エドアルド皇太子の同伴の令嬢の注文だけに大至急で作りますと請け負ってくれた。
「出来上がったら、イルバニア王国大使館に届けて下さい。料金はその時に支払いますわ」
可憐な令嬢があの噂になっているイルバニア王国の女性竜騎士だと気づいた工房の職人達は、華奢な姿に驚く。
エドアルド皇太子がグレゴリウス皇太子と令嬢を巡って争っているという噂が真実だとざわめいた。二人が工房の外に出るやいなや、職人達は騒ぎ出す。
「本当に竜騎士なのかねぇ? すごく可憐な令嬢だったけど……」
「いやぁ、噂には聞いてたけど、皇太子が自ら工房にお連れするとは、かなりぞっこんだ!」
「俺はエドアルド皇太子殿下の勝ちに賭けるぜ!」
「何の賭だよ? 教えてくれよ」
「お前、何処で暮らしているんだ! ニューパロマじゃあ、女竜騎士を巡ってイルバニア王国とカザリア王国の皇太子が三角関係だっていう噂ばかりさ! 賭屋が大々的に賭を売り出してるぜ」
「しまった! 俺は大穴狙いでイルバニアの皇太子に賭けちまった……ちくしょう! どぶに金を捨てたぜ」
「お前ら! ぺちゃくちゃ喋りたいんなら、クビにしてやるから酒場にでも行って思う存分、喋りまくったらいいぜ! 工房で働きたいのなら、口を閉じて手を動かすんだ!」
職人達は仕事が手につかず、親方から大目玉をくらった。
馬車の中に当たり前のように乗り込んだエドアルドは、ユーリの隣に座ってご機嫌だ。侍女は邪魔だが、フランツやジークフリートのように口を挟んではこないで側に控えているだけだ。
勿論、不作法な真似をすれば、馬車の後ろと前にいる護衛に合図するだろうが、話を邪魔したりはしないとエドアルドはほくそ笑む。
「次は、どこにご案内しましょう」
「エドアルド皇太子殿下を私の買い物に突き合わせるのは、お気の毒ですわ」
侍女はお気の毒どころか、狼に子ウサギだと溜め息つきたくなる。
「遠慮などご無用です。どれどれ、次の目的地は……」
道具の設計図が入っていた書類挟みを取り上げて、中の何枚かのスケッチをさっと見る。
「バークレー商会に向かってくれ」
これなら自信を持って案内できると御者に行く先を告げる。
「これは、とても可愛らしいデザインですね。ユーリ嬢に相応しいティーセットです」
エドアルドはユーリの描いた小さな白い花と赤い苺の絵柄の付いたティーセットは、愛らしい彼女にピッタリだと思った。
「違いますのよ、私は凄くガサツな性格なんです。これは叔母のマウリッツ公爵夫人へのお土産なんです。叔母はとても乙女チックで、ロマンチックな物が大好きなんです」
「ユージーン卿とフランツ卿の母上にお土産ですか? ユーリ嬢は優しいですね」
ユーリは誤解を解こうとする。
「優しいのは叔母様なの……今回、私が叔母様を怒らせたから、お詫びにお土産を買って帰るのです」
「ご機嫌を損ねた? 優しい叔母様の?」
「ええ、叔母様は優しい方ですけど、私にフリフリのドレスを着せたがるのが欠点なんです。今回のドレスは勝手に作ったので少しご機嫌斜めなの。それで叔母好みのティーセットをお土産にあげて、ご機嫌をとろうと思ったの」
冷静沈着なユージーンとおおらかなフランツの母親が、ユーリをフリフリのドレスに着替えさせて楽しんでいる姿を想像して吹き出してしまう。
「凄くフリフリのドレスもお似合いだろうと思いますけど……」
笑いながら、お世辞をいうエドアルドに、ツンとしてユーリは少し怒った口調で反論する。
「酷いですわ、人事だと思って。叔母様は男の子ばかりだった鬱憤を私で解消されてますのよ。週末はお茶会にいつもフリフリドレスで出席させられるの。その上、新しいドレスに着替えさせられたり、着替え人形みたいなんですもの。でも、叔母が凄く可愛がってくれているのが解るから、逆らえないの。あのドレスの趣味以外はとても優しい、気の良い方なんですもの」
ユーリがフリフリドレスを着させられて、優しい公爵夫人とお茶会をしている姿を、想像するだけで微笑ましくエドアルドは感じる。
「とても、絵になる風景ですね」
「ええ、私は内面のガサツさと違い、見た目は乙女チックだから、ロマンチックなドレスを着ると恐ろしく似合いすぎるのです。私は砂糖菓子しか食べませんわと言いそうな令嬢に見えるのが、本当に嫌なんです。でも、男の人にいくら言っても解って貰えないの。友だちは何人か解ってくれますけど、その見た目は豚に真珠だとか笑うし」
「豚に真珠! それは酷い」
大爆笑するエドアルドに、殿下こそ酷いわと言っている間に、馬車は陶磁器の工房についた。
『台所用品を扱う店? 令嬢が台所に立たれるのだろうか?』
御者も、侍女も何でだろう? と不思議に思ったが、大使夫人からユーリの好きなようにさせるように命令を受けていたので、ニューパロマで一流の台所用品を扱う店に連れて行く。
カザリア王国は金属製品や陶磁器の生産に優れていて、ユーリは前から考えていた計画に必要な道具をニューパロマに滞在中に作って貰い、試してみたいことがあったのだ。
「まぁ、さすがに一流の店ね。優れた台所用品がいっぱいあるわ」
ユーリは店中の台所用品に目を輝かす。
「お嬢様、何かお探しでしょうか?」
店の外には立派な馬車が止まっているし、護衛らしき男が立っている。侍女を伴って店を訪れた令嬢に、店長は手揉みをしながら用を伺う。
「あのう、この道具を作って頂きたいのです」
ユーリが差し出した簡単な設計図を見て、店長は困惑する。
「申し訳ありません、当店では商品を売るだけなのです」
ユーリはピカピカに光る鍋や、大小のお玉などに未練を残しながら店を出た。
『金属製品の加工に優れたニューパロマで道具を作って貰いたかったけど、何処で作って貰ったら良いのかしら? 私はニューパロマのことを知らないし、ユングフラウで発注する方が良いのかも……』
「ユーリ様? どうされますか?」
店を出て考え込んでいるユーリに侍女は、次の目的地は何処かと尋ねる。
「そうね、ユングフラウなら屋敷の執事が事情に詳しいわ。折角、金属加工に優れたニューパロマにいるのだから注文したかったけど、無理かもね」
馬車に乗って道具の発注を諦め、陶磁器の店に行こうとしたユーリは、目の前にエドアルドがいるのに驚く。
「まぁ、エドアルド皇太子殿下……」
昨夜はなかなか寝つかれなかったエドアルドは、朝ユーリがイルバニア王国の特使一行の中に見えなかったので、彼女もイルスへの質問会に気づいたのだと察した。
流石に、今日はイルバニア王国大使館に訪ねて行くのは遠慮して、パロマ大学に調べ物でもしようと出かけたら、偶然イルバニア王国大使館の紋章の付いた馬車が目に止まったのだ。
まさか、ユーリ本人に会えるとは思ってもみなかった。昨日の質問会の内容にさっと頬が赤らむ居心地の悪さも感じたが、馬からさっと降りるとユーリに挨拶する。
「おはようございます。こんな所でお目にかかれるとは、何のご用事ですか?」
ユーリはエドアルドも自分の個人的な情報を知っているのかと、顔がパッと赤らむのを感じたが、礼儀正しく挨拶されたのを無視もできず、返事を返す。
「エドアルド皇太子殿下、おはようございます。少し、注文したい道具がありましたが、この店では製品の販売しかしてないとのことでしたの。どこに注文したら良いのか解らないので、ユングフラウに帰ってから作って貰おうと諦めたところなんです」
ユーリの言葉と出てきた店から、何か台所用品の特注をしたかったのだと察し、自分がお役にたつとエドアルドは考えた。
「それなら、店に仕入れ先をお聞きになれば良いのではないですか? 作っている工房に、直接頼まれたら良いでしょう。私がご案内しますよ」
エドアルドに道具の注文に付きあって貰うのは気の毒だと、ユーリは遠慮する。
「遠慮などなさらないで下さい。それに私は一応この国の皇太子ですから、多少は無理も通せますよ」
恋する青年は全く引く気が無かったし、地元の情報に詳しいのは確かなので言葉に甘えることになった。
「でも、エドアルド皇太子殿下はどこかに行かれる途中だったのではないですか?」
馬を連れていた護衛に預て、ちゃっかり馬車に乗り込んだエドアルドに侍女も驚く。
侍女が皇太子を撃退できる筈もなく、兎に角ユーリと二人きりにしなきように気をつける。
「少し調べ物をしようとパロマ大学に行こうとしてましたが、別に急ぐ用事ではありませんから。それより、これは何の道具ですか? 円柱型の大、小のドラムに棒が刺さってて、小さいドラムを回転させるのですね。何かを撹拌するような羽が棒には付いていますね」
ユーリが持っていた簡単な設計図を興味深そうに眺めてエドアルドは、何を作る道具なんだろうと考え込む。
「ちゃんとできたら、お手伝いして下さったエドアルド皇太子殿下にもご馳走しますわ。とても美味しいデザートを作る道具ですのよ」
ユーリの言葉に「何ですか?」とたずねる皇太子殿下と「秘密です」と答えるユーリは、侍女の目にはとても仲良く見えて、はらはらする。
店に教えて貰った工房に、設計図を渡し簡単な説明をすると、何の目的かは解らない様子だったが、エドアルド皇太子の同伴の令嬢の注文だけに大至急で作りますと請け負ってくれた。
「出来上がったら、イルバニア王国大使館に届けて下さい。料金はその時に支払いますわ」
可憐な令嬢があの噂になっているイルバニア王国の女性竜騎士だと気づいた工房の職人達は、華奢な姿に驚く。
エドアルド皇太子がグレゴリウス皇太子と令嬢を巡って争っているという噂が真実だとざわめいた。二人が工房の外に出るやいなや、職人達は騒ぎ出す。
「本当に竜騎士なのかねぇ? すごく可憐な令嬢だったけど……」
「いやぁ、噂には聞いてたけど、皇太子が自ら工房にお連れするとは、かなりぞっこんだ!」
「俺はエドアルド皇太子殿下の勝ちに賭けるぜ!」
「何の賭だよ? 教えてくれよ」
「お前、何処で暮らしているんだ! ニューパロマじゃあ、女竜騎士を巡ってイルバニア王国とカザリア王国の皇太子が三角関係だっていう噂ばかりさ! 賭屋が大々的に賭を売り出してるぜ」
「しまった! 俺は大穴狙いでイルバニアの皇太子に賭けちまった……ちくしょう! どぶに金を捨てたぜ」
「お前ら! ぺちゃくちゃ喋りたいんなら、クビにしてやるから酒場にでも行って思う存分、喋りまくったらいいぜ! 工房で働きたいのなら、口を閉じて手を動かすんだ!」
職人達は仕事が手につかず、親方から大目玉をくらった。
馬車の中に当たり前のように乗り込んだエドアルドは、ユーリの隣に座ってご機嫌だ。侍女は邪魔だが、フランツやジークフリートのように口を挟んではこないで側に控えているだけだ。
勿論、不作法な真似をすれば、馬車の後ろと前にいる護衛に合図するだろうが、話を邪魔したりはしないとエドアルドはほくそ笑む。
「次は、どこにご案内しましょう」
「エドアルド皇太子殿下を私の買い物に突き合わせるのは、お気の毒ですわ」
侍女はお気の毒どころか、狼に子ウサギだと溜め息つきたくなる。
「遠慮などご無用です。どれどれ、次の目的地は……」
道具の設計図が入っていた書類挟みを取り上げて、中の何枚かのスケッチをさっと見る。
「バークレー商会に向かってくれ」
これなら自信を持って案内できると御者に行く先を告げる。
「これは、とても可愛らしいデザインですね。ユーリ嬢に相応しいティーセットです」
エドアルドはユーリの描いた小さな白い花と赤い苺の絵柄の付いたティーセットは、愛らしい彼女にピッタリだと思った。
「違いますのよ、私は凄くガサツな性格なんです。これは叔母のマウリッツ公爵夫人へのお土産なんです。叔母はとても乙女チックで、ロマンチックな物が大好きなんです」
「ユージーン卿とフランツ卿の母上にお土産ですか? ユーリ嬢は優しいですね」
ユーリは誤解を解こうとする。
「優しいのは叔母様なの……今回、私が叔母様を怒らせたから、お詫びにお土産を買って帰るのです」
「ご機嫌を損ねた? 優しい叔母様の?」
「ええ、叔母様は優しい方ですけど、私にフリフリのドレスを着せたがるのが欠点なんです。今回のドレスは勝手に作ったので少しご機嫌斜めなの。それで叔母好みのティーセットをお土産にあげて、ご機嫌をとろうと思ったの」
冷静沈着なユージーンとおおらかなフランツの母親が、ユーリをフリフリのドレスに着替えさせて楽しんでいる姿を想像して吹き出してしまう。
「凄くフリフリのドレスもお似合いだろうと思いますけど……」
笑いながら、お世辞をいうエドアルドに、ツンとしてユーリは少し怒った口調で反論する。
「酷いですわ、人事だと思って。叔母様は男の子ばかりだった鬱憤を私で解消されてますのよ。週末はお茶会にいつもフリフリドレスで出席させられるの。その上、新しいドレスに着替えさせられたり、着替え人形みたいなんですもの。でも、叔母が凄く可愛がってくれているのが解るから、逆らえないの。あのドレスの趣味以外はとても優しい、気の良い方なんですもの」
ユーリがフリフリドレスを着させられて、優しい公爵夫人とお茶会をしている姿を、想像するだけで微笑ましくエドアルドは感じる。
「とても、絵になる風景ですね」
「ええ、私は内面のガサツさと違い、見た目は乙女チックだから、ロマンチックなドレスを着ると恐ろしく似合いすぎるのです。私は砂糖菓子しか食べませんわと言いそうな令嬢に見えるのが、本当に嫌なんです。でも、男の人にいくら言っても解って貰えないの。友だちは何人か解ってくれますけど、その見た目は豚に真珠だとか笑うし」
「豚に真珠! それは酷い」
大爆笑するエドアルドに、殿下こそ酷いわと言っている間に、馬車は陶磁器の工房についた。
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