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第三章 防衛都市
水掛け婆になった気分
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五階の転移陣から六階を攻略していく。
「ああ、そういえば六階から建物があったんだな」
ジャスは、暗闇ダンジョンは一度ぐらいしか潜っていないみたい。私も遠慮したいから分かるよ。
建物と言っても小屋程度だし、そこを迂回しても良いんじゃない? そう思ったけど、脳内地図で見たら、四角い点がある。
「宝箱がたまにあるから、小屋を探さなきゃいけないのさ。ただ、前の冒険者が開けた後だと、あまり期待は出来ないけどな」
ジャスと私は気乗り薄だけど、ルシウスに宝箱の位置を教える。
小屋の中には、スケルトンとグールが待ち構えていた。
「えぃ!」と浄水を柄杓で掛ける。
これは楽だね! 浄水を掛ければ、討伐完了。
「アレク……」とルシウスが少し残念そうだけど、宝箱を見つけてご機嫌だ。
「ああ、下級回復薬かぁ」
「まぁ、そんな物だろうな!」
私とジャスは、サッサと十階まで踏破して、暗闇ダンジョンからおさらばしたい気分。
◇
それなのに、ジャスに裏切られた! 七階は良かったんだけど、八階にはお屋敷が建っていたんだ。
「九階への階段は、何故か二階にある。だから、この屋敷は攻略しないといけないのさ」
下への階段が二階にあるのって、変だよね! 脳内地図で確認すると、確かに二階にあった。
「あれ? 地下室があるんだけど……これって隠し部屋かも?」
言わなきゃ良かったよ! モンスター部屋は、私の浄水掛けとルシウスの無双でクリアしたんだ。
ボスは、スケルトン騎士だった。まぁ、ルシウスがピカピカの剣でやっつけたけどね。
「おおお! ピカピカの斧だ!」
そう、これが見つかってから、ジャスが調子に乗ったんだよ。
ルシウスのピカピカの剣とジャスのピカピカの斧! 二人で楽しそうに無双している。
九階からゴースト系も出てきたけど、ピカピカ無双は止まらない。
スケルトンは、剣や武具をドロップする事が多い。グールは、魔石や下級回復薬。そして、ゴーストは魔石と下級と中級回復薬をドロップする。たまに聖水もだけど、これは私には不要だね。
◇
十階は、また墓場だ。それに、古びた教会が建っている。ホラーな雰囲気を盛り上げるように鐘が寂しそうに鳴る。
脳内地図で調べると、ここも教会の中に階段がある。
「ううん? 井戸があるけど……」
教会の裏に井戸があり、隠し部屋になっている。
「これって、この釣瓶で下りるの? 下でスケルトンとグールが待ち構えているんだけど……諦めよう!」
でも、二人はやる気満々だ。
「ここは、皆も知らないと思う。つまり、お宝が期待できるんだ。アレク、ピカピカのナタか弓かもしれないぞ!」
「いや、浄水をつけたら同じ効果があるから、必要ないよ」と遠慮しておく。
でも、二人は諦めない。脆そうな釣瓶の縄に手を掛けている。
「縄なら持っているから、そっちにしなよ! それと、待ち伏せされているから、浄水を掛けておく」
桶いっぱいの浄水を掛けたら、ほとんどの魔物は消えた。
「おっ、ボスは司祭だ!」
司祭のゴーストってあるんだね。二人は、これは期待できると喜んでいるけど、井戸の底に降りなきゃいけないんだよ。
「縄を括って、下へ……」なんて言っている隙に、二人は飛び降りた。
「グァァァァ!」と怒りの声を上げている司祭のゴーストに、ピカピカ剣とピカピカ斧で攻撃する。
「なかなかしぶといな!」
これまでの暗闇ダンジョンの魔物は、一撃だったけど、司祭ゴーストの周りには黒い闇が取り巻いている。
「上から浄水を掛けるよ!」
バシャン! と浄水を掛けたら、一瞬だけ黒い闇が消える。そこを見逃すルシウスとジャスではない。
「グァァァァ……!」と司祭のゴーストは消えた。神様、ちょっと趣味が悪いよ!
「おっ、宝箱をドロップしたぞ!」
ルシウスは嬉しそうだけど、先ずは上がって来い。
縄を落として、荷物持ち達に二人を引っ張り上げて貰う。それから、荷物持ち二人を下ろして、ドロップ品を拾わせる。
「何かな?」ルシウスが期待に満ちた目で宝箱を見ている。
「鑑定!」を掛けてから開けると、宝石がついた金鎖がジャラジャラ! やはり司祭って金持ちだな。清貧とか縁がないのが、女神様にクソと呼ばれる原因だ!
十階の転移陣前のボスは、神官だった。司祭に比べたら、しょぼいね。ドロップ品は、回復薬と聖水!
「さぁ、帰ろう!」もう二度と御免だよって気分なのに、二人は「また潜ろう!」と笑っている。
ピカピカの剣をルシウスにあげたのが間違いだったよ! それに、ジャスにピカピカの斧を見つけたのも大失敗!
地上に戻って、浄化を全員に掛ける。ほのかに漂う腐った汁の匂いなんて嫌だからね!
「これらを精算してくれ!」
ピカピカの斧と宝箱以外は、全部売る!
精算の間にエールだよ!
「なぁ、明日も暗闇ダンジョンに潜ろうぜ!」
ジャスは、まだピカピカの斧を使い足りないみたいだ。
「アレクがいるなら、十五階まで行けそうだ!」
グィッとエールを飲み干して、ドンとジョッキをテーブルに置く。
「俺は、暗闇ダンジョンはもう御免だ!」
精神耐性があっても、苦手な物は苦手! それに、ドロップ品にも興味が惹かれないからね。聖水とか回復薬は、自分が作った方が高性能なんだもん。
「アレク、下の階では上級回復薬もドロップするんだぞ」
ルシウスが誘惑してくるけど……当分は御免だよ!
「そのくらいなら、食物ダンジョンの十五階を目指したい」
あっ、ルシウスがやさぐれている。ゴールデンベアに遭遇したのに、食物ダンジョンだからハチミツがドロップしたんだ。しまったなぁ!
「黄金の毛皮……」
虚な目になっているルシウスの背中を、ジャスがバシンと叩く。
「宝箱を見つけたじゃないか!」
本当にルシウスってお金大好きだね。一瞬で浮上したよ。
「明日は休んで、明後日は迷宮ダンジョンに潜ろう!」
初心者用は、迷路ダンジョンだったけど、中級者用は迷宮ダンジョンになるの?
「ハハハ、大きな宮殿の遺跡がダンジョンになっているのさ! ここは、下から上に登るパターンだ」
それって、一階が一番大変そうだけど? 上は面積が狭くなるんじゃないの? 色々と疑問で頭がグルグルになったけど、潜ってみればわかるよね!
「ああ、そういえば六階から建物があったんだな」
ジャスは、暗闇ダンジョンは一度ぐらいしか潜っていないみたい。私も遠慮したいから分かるよ。
建物と言っても小屋程度だし、そこを迂回しても良いんじゃない? そう思ったけど、脳内地図で見たら、四角い点がある。
「宝箱がたまにあるから、小屋を探さなきゃいけないのさ。ただ、前の冒険者が開けた後だと、あまり期待は出来ないけどな」
ジャスと私は気乗り薄だけど、ルシウスに宝箱の位置を教える。
小屋の中には、スケルトンとグールが待ち構えていた。
「えぃ!」と浄水を柄杓で掛ける。
これは楽だね! 浄水を掛ければ、討伐完了。
「アレク……」とルシウスが少し残念そうだけど、宝箱を見つけてご機嫌だ。
「ああ、下級回復薬かぁ」
「まぁ、そんな物だろうな!」
私とジャスは、サッサと十階まで踏破して、暗闇ダンジョンからおさらばしたい気分。
◇
それなのに、ジャスに裏切られた! 七階は良かったんだけど、八階にはお屋敷が建っていたんだ。
「九階への階段は、何故か二階にある。だから、この屋敷は攻略しないといけないのさ」
下への階段が二階にあるのって、変だよね! 脳内地図で確認すると、確かに二階にあった。
「あれ? 地下室があるんだけど……これって隠し部屋かも?」
言わなきゃ良かったよ! モンスター部屋は、私の浄水掛けとルシウスの無双でクリアしたんだ。
ボスは、スケルトン騎士だった。まぁ、ルシウスがピカピカの剣でやっつけたけどね。
「おおお! ピカピカの斧だ!」
そう、これが見つかってから、ジャスが調子に乗ったんだよ。
ルシウスのピカピカの剣とジャスのピカピカの斧! 二人で楽しそうに無双している。
九階からゴースト系も出てきたけど、ピカピカ無双は止まらない。
スケルトンは、剣や武具をドロップする事が多い。グールは、魔石や下級回復薬。そして、ゴーストは魔石と下級と中級回復薬をドロップする。たまに聖水もだけど、これは私には不要だね。
◇
十階は、また墓場だ。それに、古びた教会が建っている。ホラーな雰囲気を盛り上げるように鐘が寂しそうに鳴る。
脳内地図で調べると、ここも教会の中に階段がある。
「ううん? 井戸があるけど……」
教会の裏に井戸があり、隠し部屋になっている。
「これって、この釣瓶で下りるの? 下でスケルトンとグールが待ち構えているんだけど……諦めよう!」
でも、二人はやる気満々だ。
「ここは、皆も知らないと思う。つまり、お宝が期待できるんだ。アレク、ピカピカのナタか弓かもしれないぞ!」
「いや、浄水をつけたら同じ効果があるから、必要ないよ」と遠慮しておく。
でも、二人は諦めない。脆そうな釣瓶の縄に手を掛けている。
「縄なら持っているから、そっちにしなよ! それと、待ち伏せされているから、浄水を掛けておく」
桶いっぱいの浄水を掛けたら、ほとんどの魔物は消えた。
「おっ、ボスは司祭だ!」
司祭のゴーストってあるんだね。二人は、これは期待できると喜んでいるけど、井戸の底に降りなきゃいけないんだよ。
「縄を括って、下へ……」なんて言っている隙に、二人は飛び降りた。
「グァァァァ!」と怒りの声を上げている司祭のゴーストに、ピカピカ剣とピカピカ斧で攻撃する。
「なかなかしぶといな!」
これまでの暗闇ダンジョンの魔物は、一撃だったけど、司祭ゴーストの周りには黒い闇が取り巻いている。
「上から浄水を掛けるよ!」
バシャン! と浄水を掛けたら、一瞬だけ黒い闇が消える。そこを見逃すルシウスとジャスではない。
「グァァァァ……!」と司祭のゴーストは消えた。神様、ちょっと趣味が悪いよ!
「おっ、宝箱をドロップしたぞ!」
ルシウスは嬉しそうだけど、先ずは上がって来い。
縄を落として、荷物持ち達に二人を引っ張り上げて貰う。それから、荷物持ち二人を下ろして、ドロップ品を拾わせる。
「何かな?」ルシウスが期待に満ちた目で宝箱を見ている。
「鑑定!」を掛けてから開けると、宝石がついた金鎖がジャラジャラ! やはり司祭って金持ちだな。清貧とか縁がないのが、女神様にクソと呼ばれる原因だ!
十階の転移陣前のボスは、神官だった。司祭に比べたら、しょぼいね。ドロップ品は、回復薬と聖水!
「さぁ、帰ろう!」もう二度と御免だよって気分なのに、二人は「また潜ろう!」と笑っている。
ピカピカの剣をルシウスにあげたのが間違いだったよ! それに、ジャスにピカピカの斧を見つけたのも大失敗!
地上に戻って、浄化を全員に掛ける。ほのかに漂う腐った汁の匂いなんて嫌だからね!
「これらを精算してくれ!」
ピカピカの斧と宝箱以外は、全部売る!
精算の間にエールだよ!
「なぁ、明日も暗闇ダンジョンに潜ろうぜ!」
ジャスは、まだピカピカの斧を使い足りないみたいだ。
「アレクがいるなら、十五階まで行けそうだ!」
グィッとエールを飲み干して、ドンとジョッキをテーブルに置く。
「俺は、暗闇ダンジョンはもう御免だ!」
精神耐性があっても、苦手な物は苦手! それに、ドロップ品にも興味が惹かれないからね。聖水とか回復薬は、自分が作った方が高性能なんだもん。
「アレク、下の階では上級回復薬もドロップするんだぞ」
ルシウスが誘惑してくるけど……当分は御免だよ!
「そのくらいなら、食物ダンジョンの十五階を目指したい」
あっ、ルシウスがやさぐれている。ゴールデンベアに遭遇したのに、食物ダンジョンだからハチミツがドロップしたんだ。しまったなぁ!
「黄金の毛皮……」
虚な目になっているルシウスの背中を、ジャスがバシンと叩く。
「宝箱を見つけたじゃないか!」
本当にルシウスってお金大好きだね。一瞬で浮上したよ。
「明日は休んで、明後日は迷宮ダンジョンに潜ろう!」
初心者用は、迷路ダンジョンだったけど、中級者用は迷宮ダンジョンになるの?
「ハハハ、大きな宮殿の遺跡がダンジョンになっているのさ! ここは、下から上に登るパターンだ」
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