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第三章 防衛都市
二日酔いで暗闇ダンジョンはキツイ
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朝からテンションだだ下りだ。
昨夜の草原の風の激励会、乱闘騒ぎになった。エールだけにしておくべきだったな。
ハチミツ酒が入ると、短剣やナイフが舞うんだ。
今回は、シムスが買ったばかりの赤い短剣を投げたのが拙かった。
あの店、きっと出禁だ!
ファイヤーボールが他の探検者のエールに当たった。
シムスなら、どんなに酔っても短剣やナイフを当てたりしないのだけど、まだ赤い短剣には慣れていなかったからね。
そこからは乱闘だ! まぁ、お互いにしたたか酔っ払っているから、大した怪我はしなかったけど……椅子とかテーブルとかも壊れたような? ルシウスが何とかしてくれたみたいだけどさ。
「今度から、草原の風との飲み会はギルドでするぞ!」
他の客の迷惑にならないから、良いかもね。
「なぁ、今日も休もうぜ……」
ジャスは二日酔いみたいだ。
「下級回復薬を飲め! スッキリするぞ!」
あっ、ルシウスは飲んだんだ! タダでやるのやめたくなるぞ。
私は、女神様の加護で、二日酔い知らずだけど、暗闇ダンジョンはちょっと嫌だ。
松脂で軟膏を作ったけど、どのくらいの効果があるのか分からないしね。精神耐性が効くと信じておきたい。
南門で「暗闇ダンジョンの荷物持ちを募集する!」とルシウスが呼びかけるけど、食物ダンジョンの時みたいにすんなりとは集まらない。
「少し日当を上げないと無理じゃないのか?」
ルシウスはケチだから、食物ダンジョンの日当、十階までで半銀貨だった。って言うか、私が甘すぎたのか?
でも、暗闇ダンジョンは他のよりも高額にしないと荷物持ちは集まらない。
「やはり、やめた方が良いんじゃないか?」
ジャスと二人でブツブツ言っているけど、四人荷物持ちを連れて来たので、馬車で出発だ。
暗闇ダンジョン、沼地とか、谷間にあるんじゃないかと思っていたけど、開けた明るい場所にあった。
それに、意外と冒険者には人気みたいで、食物ダンジョンほどではないけど、防衛壁の中には食べ物屋、商人の家、それに宿屋まである。
「さぁ、行くぞ!」
ルシウスはピカピカの剣を抜いて、やる気満々だ。
荷物持ち達に、カンテラを持たせるけど、ライトを掛けたら良いんじゃない? まぁ、初めて潜る暗闇ダンジョンだから、様子を見よう。
でも、無理だった! 一階は墓場になっていて、歩いている私の脚をスケルトンが土から這い出して掴んだんだ!
「ホーリー!」全力で掛けちゃったよ。
ピカッと聖なる光に晒されて、土から出てこようとしていたスケルトンは全滅した。
「さっさとドロップ品を拾え!」
他の冒険者達は、唖然としている。急に光って目が見えにくいのかもね。
「アレク、やっちまったなぁ!」
ジャスに笑われたけど、脚をスケルトンに掴まれたんだよ! びっくりするだろう!
「籠がいっぱいです!」
荷物持ちの一人がルシウスに報告する。
「スケルトンは剣が多いからなぁ。一旦、地上に戻るぞ」
それに、他の冒険者が寄ってくるから、逃げ出した方が良さそうだ。
地上に戻ったら、さっき潜ったばかりなのにと、兵士達に怪訝な顔をされたけど、荷物待ちの籠を見て驚いていた。
商人に籠の中身を清算してくれと言って、出直しだ。
「アレク、全体魔法は禁止だ!」
ルシウスに叱られちゃった。
魔物を全滅させたけど、ちょこちょこは沸いている。他の冒険者達を避けながら、二階に!
「ルシウスに任せようぜ!」
二階も、スケルトンだけど複数で襲ってくる。ルシウスは楽しそうにピカピカの剣を振るっているので、私とジャスは見学だ。
三階もほぼルシウス一人が無双して踏破した。でも、四階は……臭い!
「この階からグールが出るんだな。匂いで思い出した」
ジャスは下級回復薬を飲んだけど、二日酔いが復活したみたい。私も気分が悪い。
「そうだ! これを鼻の下に塗ってみよう」
松脂で作った軟膏を鼻の下に塗ったら、少し臭いがマシになった。
ジャスとルシウス、それに荷物持ちにも塗らす。
「おお、これは良い!」
ルシウスは元気百倍で、グールを斬る。
私とジャスは、ルシウスが後ろに逃したグールやスケルトンを討伐する。
「ゲッ! グールの汁がついた」
腐った肉体の汁、めちゃ嫌だ! 浄化しておく。
あれっ、これってナタでの接近戦だから、汁が飛ぶんじゃないの? 矢だったら大丈夫だよね。それに新しく買った弓を試したいんだ。
「おぅ、アレク! 矢は心臓を射抜かないと駄目だぞ」
ジャスに注意されて、心臓を射抜く。
これなら、グールの汁を浴びなくて良いけど、スケルトンは倒しにくい。
アイツらは骨だから、矢が刺さらないんだ。
「うん? 浄水をつけて射たら良いのかも?」
矢に浄水を掛けて、スケルトンを射ると効果抜群だ。
ただ、一々、浄水を出すのが面倒だ。それに、複数出てきた時に良いアイデアがあるんだよね。
五階の転移陣に行く前のボス戦は、ルシウスが楽しそうなので、私とジャスは遠慮しておいた。
籠がいっぱいなので、地上に戻る。そして、全員に浄化を掛けておく。これから、昼飯なのに何となく匂うからさぁ!
ジャス、二日酔いの筈なのに、肉詰めパンを二つ完食だ。
「この肉って、あのレア肉だよね!」
美味しい! 私も、気分はあまり良くないけど、完食したよ。
その後、馬車止まりにある水桶と柄杓を借りる。
「アレク、何をしているんだ?」
ジャスが訊ねるけど、内緒! やってみないと効果はわからないから。
昨夜の草原の風の激励会、乱闘騒ぎになった。エールだけにしておくべきだったな。
ハチミツ酒が入ると、短剣やナイフが舞うんだ。
今回は、シムスが買ったばかりの赤い短剣を投げたのが拙かった。
あの店、きっと出禁だ!
ファイヤーボールが他の探検者のエールに当たった。
シムスなら、どんなに酔っても短剣やナイフを当てたりしないのだけど、まだ赤い短剣には慣れていなかったからね。
そこからは乱闘だ! まぁ、お互いにしたたか酔っ払っているから、大した怪我はしなかったけど……椅子とかテーブルとかも壊れたような? ルシウスが何とかしてくれたみたいだけどさ。
「今度から、草原の風との飲み会はギルドでするぞ!」
他の客の迷惑にならないから、良いかもね。
「なぁ、今日も休もうぜ……」
ジャスは二日酔いみたいだ。
「下級回復薬を飲め! スッキリするぞ!」
あっ、ルシウスは飲んだんだ! タダでやるのやめたくなるぞ。
私は、女神様の加護で、二日酔い知らずだけど、暗闇ダンジョンはちょっと嫌だ。
松脂で軟膏を作ったけど、どのくらいの効果があるのか分からないしね。精神耐性が効くと信じておきたい。
南門で「暗闇ダンジョンの荷物持ちを募集する!」とルシウスが呼びかけるけど、食物ダンジョンの時みたいにすんなりとは集まらない。
「少し日当を上げないと無理じゃないのか?」
ルシウスはケチだから、食物ダンジョンの日当、十階までで半銀貨だった。って言うか、私が甘すぎたのか?
でも、暗闇ダンジョンは他のよりも高額にしないと荷物持ちは集まらない。
「やはり、やめた方が良いんじゃないか?」
ジャスと二人でブツブツ言っているけど、四人荷物持ちを連れて来たので、馬車で出発だ。
暗闇ダンジョン、沼地とか、谷間にあるんじゃないかと思っていたけど、開けた明るい場所にあった。
それに、意外と冒険者には人気みたいで、食物ダンジョンほどではないけど、防衛壁の中には食べ物屋、商人の家、それに宿屋まである。
「さぁ、行くぞ!」
ルシウスはピカピカの剣を抜いて、やる気満々だ。
荷物持ち達に、カンテラを持たせるけど、ライトを掛けたら良いんじゃない? まぁ、初めて潜る暗闇ダンジョンだから、様子を見よう。
でも、無理だった! 一階は墓場になっていて、歩いている私の脚をスケルトンが土から這い出して掴んだんだ!
「ホーリー!」全力で掛けちゃったよ。
ピカッと聖なる光に晒されて、土から出てこようとしていたスケルトンは全滅した。
「さっさとドロップ品を拾え!」
他の冒険者達は、唖然としている。急に光って目が見えにくいのかもね。
「アレク、やっちまったなぁ!」
ジャスに笑われたけど、脚をスケルトンに掴まれたんだよ! びっくりするだろう!
「籠がいっぱいです!」
荷物持ちの一人がルシウスに報告する。
「スケルトンは剣が多いからなぁ。一旦、地上に戻るぞ」
それに、他の冒険者が寄ってくるから、逃げ出した方が良さそうだ。
地上に戻ったら、さっき潜ったばかりなのにと、兵士達に怪訝な顔をされたけど、荷物待ちの籠を見て驚いていた。
商人に籠の中身を清算してくれと言って、出直しだ。
「アレク、全体魔法は禁止だ!」
ルシウスに叱られちゃった。
魔物を全滅させたけど、ちょこちょこは沸いている。他の冒険者達を避けながら、二階に!
「ルシウスに任せようぜ!」
二階も、スケルトンだけど複数で襲ってくる。ルシウスは楽しそうにピカピカの剣を振るっているので、私とジャスは見学だ。
三階もほぼルシウス一人が無双して踏破した。でも、四階は……臭い!
「この階からグールが出るんだな。匂いで思い出した」
ジャスは下級回復薬を飲んだけど、二日酔いが復活したみたい。私も気分が悪い。
「そうだ! これを鼻の下に塗ってみよう」
松脂で作った軟膏を鼻の下に塗ったら、少し臭いがマシになった。
ジャスとルシウス、それに荷物持ちにも塗らす。
「おお、これは良い!」
ルシウスは元気百倍で、グールを斬る。
私とジャスは、ルシウスが後ろに逃したグールやスケルトンを討伐する。
「ゲッ! グールの汁がついた」
腐った肉体の汁、めちゃ嫌だ! 浄化しておく。
あれっ、これってナタでの接近戦だから、汁が飛ぶんじゃないの? 矢だったら大丈夫だよね。それに新しく買った弓を試したいんだ。
「おぅ、アレク! 矢は心臓を射抜かないと駄目だぞ」
ジャスに注意されて、心臓を射抜く。
これなら、グールの汁を浴びなくて良いけど、スケルトンは倒しにくい。
アイツらは骨だから、矢が刺さらないんだ。
「うん? 浄水をつけて射たら良いのかも?」
矢に浄水を掛けて、スケルトンを射ると効果抜群だ。
ただ、一々、浄水を出すのが面倒だ。それに、複数出てきた時に良いアイデアがあるんだよね。
五階の転移陣に行く前のボス戦は、ルシウスが楽しそうなので、私とジャスは遠慮しておいた。
籠がいっぱいなので、地上に戻る。そして、全員に浄化を掛けておく。これから、昼飯なのに何となく匂うからさぁ!
ジャス、二日酔いの筈なのに、肉詰めパンを二つ完食だ。
「この肉って、あのレア肉だよね!」
美味しい! 私も、気分はあまり良くないけど、完食したよ。
その後、馬車止まりにある水桶と柄杓を借りる。
「アレク、何をしているんだ?」
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