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第一章 転生したら王子様
1 モテモテと言われてもねぇ……
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……これは……モテモテなのかなぁ……
「ショウ様を抱っこしたら、手放せませんわ」
「あら、私に抱かせて下さいな。まぁ、髪の毛を引っ張っては駄目でちゅよ」
……綺麗な女の人に次々に抱っこされているけど……モテモテ?
……なんだか眠い……お腹がすいた……
「ウェ~ン~」
「まぁ、おっぱいの時間だわ。乳母はどこかしら」
ええ~この巨大な、おっぱいは……
「たくさん飲んで、大きくなるのでちゅよ」
ごちそうさまでした……眠い……
どうやら赤ちゃんに転生したようだと翔は思ったが、眠気に負けてしまった。
「ショウ様、おめざでちゅか?あら、オムツがくちゃいですね、きれいきれいしましょう」
翔は赤ちゃんプレーには興味は無かったし、巨大なおっぱいに食欲を感じるのにショックを受けて、自主的に意識を飛ばした。
赤ちゃんのうちは、目覚めないでおくことにする。髪フェチの上に、おっぱい星人になるのは御免だと、翔は赤ちゃんの身体の中で冬眠状態になる事にした。
「ミヤ、この子は馬鹿ではないのか?」
綺麗な女の人達に充分な世話をやかれて冬眠状態だった翔は、傲慢な男に抱き上げられて目覚めた。
「まぁ、初めてお子様を抱っこして、酷い言われようですこと。ショウほど可愛い赤ちゃんは、見たことがありません。それにいつもご機嫌が良いし……あら、まぁ! これ、ショウ、お父上を蹴ってはいけませんよ」
この感じの悪い男が、自分の父親? 言葉はまだわからないのも多いが、大好きな女の人がミヤと呼ばれているのは冬眠状態でもチェックしていた。
ミヤの腕の中に返されて、ショウは綺麗な黒髪に手を伸ばす。一歳を過ぎるまで顔も見せなかった父親に、馬鹿呼ばわりされて、ショウは動揺したのを、髪の毛を触って癒されたいと願ったのだ。
ミヤの髪は花の香りがするなぁと、うっとりしているショウを、アスランは不機嫌に眺める。小さな島の島主の娘を押し付けられて、第八夫人にしてすっかり忘れていた。その第八夫人は、長い航海から帰ったら、子どもを置いてサッサと余所に嫁いでしまっていたのだ。
「名前は、なんというのだ」
「お忘れですか? ショウと名付けろと、手紙で書いて寄越されたではありませんか。ショウ・シェリフ・シャザーン・ファミーリア様ですよ。貴方の第六王子様です。ちなみに母親はルビィ様ですからね、覚えていらっしゃらないかもしれませんが……」
アスランは一度か二度抱いたルビィを、なかなか思い出せなかった。
「どんな女だったかなぁ。綺麗な顔をしていたのは、覚えているが……それにしても、アッサリ出て行ってくれて良かった。何処へ嫁いだのだ?」
ミヤは薄情なアスランを睨み付けたが、また地方の豪族から娘を献上されたのを思い出して、愛想良くする。
「ルビィ様は、なんとラシンド様に嫁がれたのですよ」
アスランは、綺麗な顔の印象しか残ってない小さな島主の娘が、大商人のラシンドに嫁いだと聞いて驚く。
「ラシンドは抜け目の無い商人なのに……何故だろう?」
ミヤはこの一年の間、あちらこちらを渡り歩いていた夫の耳を引っ張っる。
「ショウは風の魔力持ちです。ラシンド様は、ショウの母親を娶ったのですよ」
百島とも、無人島を含めると千とも言われる東南諸島連合王国は、海洋王国であり、風の魔力持ちは貴重な存在だ。
「ミヤ、このボンヤリが、私の後継者だと言うのではあるまいな!」
アスランはショウを乱暴にミヤから取り返して、顔を見つめ直す。可愛い顔をしているが、男では可愛さなんか役に立たないぞと内心で悪態をつく。
こんなにボンヤリしているショウが、本当に風の魔力持ちなのかと首を傾げる。
疑問を持ったアスランは、試しにショウの顔に弱い風を送ったが、うるさそうに遮られる。
「赤ん坊だが、確かに風の魔力は持っている。第六王子だし、後ろ盾もない。いや、ラシンドが風の魔力持ちのコイツを欲しがるかもな」
帆船で風が凪いだり、逆風の時に、風の魔力持ちが乗船していると航海が順調に進むのだ。大商人なら、自分の数隻の船と他の商人の船とで商船隊を組む事も多い。
風の魔力持ちが同乗すると、万が一嵐でマストが一本折れても、他の帆に風を送って貰えば港までたどり着けるので、参加する商人も増えると算段したのかと苦笑する。
「ショウ様を抱っこしたら、手放せませんわ」
「あら、私に抱かせて下さいな。まぁ、髪の毛を引っ張っては駄目でちゅよ」
……綺麗な女の人に次々に抱っこされているけど……モテモテ?
……なんだか眠い……お腹がすいた……
「ウェ~ン~」
「まぁ、おっぱいの時間だわ。乳母はどこかしら」
ええ~この巨大な、おっぱいは……
「たくさん飲んで、大きくなるのでちゅよ」
ごちそうさまでした……眠い……
どうやら赤ちゃんに転生したようだと翔は思ったが、眠気に負けてしまった。
「ショウ様、おめざでちゅか?あら、オムツがくちゃいですね、きれいきれいしましょう」
翔は赤ちゃんプレーには興味は無かったし、巨大なおっぱいに食欲を感じるのにショックを受けて、自主的に意識を飛ばした。
赤ちゃんのうちは、目覚めないでおくことにする。髪フェチの上に、おっぱい星人になるのは御免だと、翔は赤ちゃんの身体の中で冬眠状態になる事にした。
「ミヤ、この子は馬鹿ではないのか?」
綺麗な女の人達に充分な世話をやかれて冬眠状態だった翔は、傲慢な男に抱き上げられて目覚めた。
「まぁ、初めてお子様を抱っこして、酷い言われようですこと。ショウほど可愛い赤ちゃんは、見たことがありません。それにいつもご機嫌が良いし……あら、まぁ! これ、ショウ、お父上を蹴ってはいけませんよ」
この感じの悪い男が、自分の父親? 言葉はまだわからないのも多いが、大好きな女の人がミヤと呼ばれているのは冬眠状態でもチェックしていた。
ミヤの腕の中に返されて、ショウは綺麗な黒髪に手を伸ばす。一歳を過ぎるまで顔も見せなかった父親に、馬鹿呼ばわりされて、ショウは動揺したのを、髪の毛を触って癒されたいと願ったのだ。
ミヤの髪は花の香りがするなぁと、うっとりしているショウを、アスランは不機嫌に眺める。小さな島の島主の娘を押し付けられて、第八夫人にしてすっかり忘れていた。その第八夫人は、長い航海から帰ったら、子どもを置いてサッサと余所に嫁いでしまっていたのだ。
「名前は、なんというのだ」
「お忘れですか? ショウと名付けろと、手紙で書いて寄越されたではありませんか。ショウ・シェリフ・シャザーン・ファミーリア様ですよ。貴方の第六王子様です。ちなみに母親はルビィ様ですからね、覚えていらっしゃらないかもしれませんが……」
アスランは一度か二度抱いたルビィを、なかなか思い出せなかった。
「どんな女だったかなぁ。綺麗な顔をしていたのは、覚えているが……それにしても、アッサリ出て行ってくれて良かった。何処へ嫁いだのだ?」
ミヤは薄情なアスランを睨み付けたが、また地方の豪族から娘を献上されたのを思い出して、愛想良くする。
「ルビィ様は、なんとラシンド様に嫁がれたのですよ」
アスランは、綺麗な顔の印象しか残ってない小さな島主の娘が、大商人のラシンドに嫁いだと聞いて驚く。
「ラシンドは抜け目の無い商人なのに……何故だろう?」
ミヤはこの一年の間、あちらこちらを渡り歩いていた夫の耳を引っ張っる。
「ショウは風の魔力持ちです。ラシンド様は、ショウの母親を娶ったのですよ」
百島とも、無人島を含めると千とも言われる東南諸島連合王国は、海洋王国であり、風の魔力持ちは貴重な存在だ。
「ミヤ、このボンヤリが、私の後継者だと言うのではあるまいな!」
アスランはショウを乱暴にミヤから取り返して、顔を見つめ直す。可愛い顔をしているが、男では可愛さなんか役に立たないぞと内心で悪態をつく。
こんなにボンヤリしているショウが、本当に風の魔力持ちなのかと首を傾げる。
疑問を持ったアスランは、試しにショウの顔に弱い風を送ったが、うるさそうに遮られる。
「赤ん坊だが、確かに風の魔力は持っている。第六王子だし、後ろ盾もない。いや、ラシンドが風の魔力持ちのコイツを欲しがるかもな」
帆船で風が凪いだり、逆風の時に、風の魔力持ちが乗船していると航海が順調に進むのだ。大商人なら、自分の数隻の船と他の商人の船とで商船隊を組む事も多い。
風の魔力持ちが同乗すると、万が一嵐でマストが一本折れても、他の帆に風を送って貰えば港までたどり着けるので、参加する商人も増えると算段したのかと苦笑する。
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