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国一番の格好いい人

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 馬車の中に隠れていた白蛇たちも街に入ると興奮を隠しきれない。色とりどりの紙吹雪が人々が雨のように降らして戦争が終わった祝福を王都全体でしていた。人々が笑顔で時々道端で泣いている人もいた。

 父も参加していた戦争が半年前に終わったのだ。10年続いた戦争は休戦し開戦し休戦しを繰り返して人々は疲れ切っていた。当たり前の日常に溶け込んでいたが、本音では嫌で仕方がなかったのだろう。

 戦争帰りの人たちが屋台で家族に買い物している。平和な光景を見て私は改めて異世界に来たことを実感する。
 前世の元の世界にいた頃は戦争と無関係の世界で、治安の悪さや戦争なんて感じられなかった。8歳の時に前世を思い出して目覚めてからは戦争が終わっていたことに感謝したくらいだ。

 蛇たちにお土産を買うことを約束すると喜んでいた。子供たちにも欲しいと父に強請っていた。どうやら彼らは甘党だ。
 王都で開かれた終戦記念日のパレードは何日にも渡って開催される催しだった。はぐれないように両親が側にいてくれて、沢山のお菓子を買ってもらった。使用人にもお土産を買ってくれるくらいご機嫌だった。無駄遣いをしないのに珍しいことだ。

 騎士たちが長い赤い絨毯の上を馬に騎乗して歩くのだが、一番格好良かったのは公爵閣下だった。黒い軍馬がやってくると人々は息を呑んだ。美しすぎて言葉に出来ない。初めて見た女性は口を抑えて悶えていた。私も彼を初めて見たのだが、異世界で一番美しい人だと本能的に実感した。

 18歳のケイネル・アニス・キンクル公爵閣下は誰が見ても美しく神様も凄いものを作り出したと感心してしまうくらいだった。彼は8歳の時に幼いながらに戦争に参加して、隣国の領地だった北部の領地を奪還し勝利に導いた。

「公爵様が一晩抱いてくれるなら何でもできる」

 女性たちの心を虜にする男は恋人は今までできたことがない。
 この世界は子作りを重要視していてセックスしたことがない公爵閣下は有名人。世界中で一番潔癖な男性だ。

 戦場では彼は私財をはたいて救援物資を送っていた。寒い戦場で多数の犠牲者が出て救援物資が各地域から届くはずが届かない。一部の貴族に取られて殆ど届いていない話を聞いたとき、王族は国民に批難されて支持率を下げた。

 物資を取り上げた貴族が王族の傍系だったから余計に人々は熱をあげた。
 戦争に参加した夫や家族が毎日王城に嘆願書を送って、その傍系の貴族の爵位は取り上げられ石を投げられて処刑された。

 そんな彼は褒賞で王女と結婚する話が出た時、鼻で笑って断った話が有名だ。彼女は傍系の血筋があったからだ。ここで結婚してしまっては彼の評価は大きく下がってしまう。
 地位も名誉も美貌もある人間がわざわざ国が後ろ盾になってほしいわけじゃない。貴族派閥の代表として国を監視する方がいいに決まっている。

 スカッと異世界と言ったところだろう。

(あんなに格好いい人だから女を抱き飽きているんだろうな。一緒に歩くだけでもおこがましい気がする)

 最後まで見送るとお腹が鳴って王都にある屋敷に行った。食事を食べている時だった。

『私たちも王城に行きます』

(ヘビも王城に行っていいんだ)

「迷惑でなければ一緒に行きましょう。みんな泣いて喜びますよ」

 ヘビがメイドたちに身体を拭かれて、馬車に乗って父と一緒に王城に向かった。首に蝶ネクタイをしていた。

 この世界では魔獣が契約獣として一緒にいることもあるから、ヘビも契約獣として登城することが出来ると母は言っていた。戦争の祝賀会は5日間開催されるから、初日に参加すると父は言っていた。何事もなければいいが。

 先に帰って来た蛇が鼻歌を歌いながらやって来た。

『おちんちんの型を取って来たヨ』

『ルビーが大きくなったら使うといいよ』

 見るとそこにはカリがえぐい形の血管が浮き出て長さがあるディルドがあったのだ。

「どうしておちんちん様がここに。心で願っていただけなのに」

『おちんちんは仲良くしないといけないよ』

「一生の宝物にする。持ち主は誰?」

 見とれてしまうディルドを撫でながら蛇に話しかけた。まさかこの世界でディルドを拝めるなんて思っていなかった。玉の部分までしっかり作られている。神様、シリコンがない世界でシリコンディルドを作ってくれてありがとうございます。

『ケイネル・アニス・キンクルだよ。大切にしてね』

「ありがとう!今からフェラチオの練習しておくね」

 この日はおちんちんと一緒に眠ることにした。ヘビが型を取って来たディルドおちんちんは硬さもそこそこあって本物みたいだった。

 ***

 王城から戻って来た父に何を食べたのか聞こうとしたが、何も答えずに唸っていた。王城で何かあったらしい。

 父は何があったのか話してくれた。首に蝶ネクタイをした蛇と一緒に王城の中に入った時だった。戦争の参加者は鷹や梟を肩に乗せていた。昨日の夜に戦争に参加していたヘビと知った父がお礼を言いたいと言っていた貴族の前に連れて行った。

 結果ヘビを連れて行った父は他の貴族の前で罵られた。こんな場所に連れてくることは有り得ないと。しかし、父も黙ってはいなかった。

『敵地の安全な道を案内してくれたおかげで勝利することが出来た』

 戦争に参加した一人の青年は笑っていたから話を聞く事にした。彼は戦争中、物資の配給係をしていた人間だった。

 とても大人しいメス蛇は食べ物の場所や安心できる寝床も教えてくれていた。戦争が終わった後に探しても見つからず巻き込まれて死んだと思っていた。

「俺たちはいつも腹が減っていた。用意された物は足りず、いつも飢えていた。仕方がないじゃないか」

 ああ、この世にはもういない。悟った騎士たちは青年を罪に問うことが出来ず、ヘビたちは黙っていた。
 この世界には神がいる。その神様は蛇を使役し愛している神様で蛇に悪いことをすると天罰が下ると言われている。

「恐ろしいことが起こる。また戦争になったら私たちは行かないといけない」

 なくなった右腕を擦りながら父は諦めた口調で話していた。

 数日後から父の商会が作ったジョーク飲み物商品『ちんぽでかくなーる』が爆発的な売り上げをあげた。王都では空前絶後のちんぽが小さくなる病気が流行し、女性たちは歓喜に震えていた。元々この世界の人間は大きく身長190センチの大柄の男性たちが多く、175センチの女性も平均的な大きさだ。ただし、入れるものの大きさがデカすぎることも問題だった。
 身長が高くなっても膣の大きさが大きくなるわけじゃない。女性たちにとって男性の象徴のデカさは、問題になっていたのだった。

「聞いてくれ、ちんぽの大きさが25センチから8センチになってしまった」

「俺なんて訳の分からない突起が付いたんだ。妻から気持ちが悪いと言われている……だからセフレを作ろうとしたら騎乗位で毎日絞り取られている」

「皮あまりちんちんになってしまって、今度割礼をしようと思っています」

 被害が出た人たちは王宮の詰問に答えることになった。蛇に悪いことをした人たちだった。毎日教会や神殿に行き、おちんちんの大きさを元通りにして欲しいと言っていた。

 聖女と神官たちは蛇を供養するために聖地巡礼を始めた。ちんちんが小さくなった人たちが寄付金を集めて議会で決めたからだ。

 神聖力が高い男女は高潔でセックスしたことがないし性欲もない。

「俺の息子の息子のために頑張ってくれ」

 目指すは戦争の跡地である北部の領地。

 聖女と神官は人々に手を翳して馬車に乗って北部を目指す。

「神聖な蛇様を食べるなんてありえないわ」

「全くです。私たちは清貧で高潔なヘビヘビ教の聖女と神官です」

 この日は近くの町で休むことになった。厭らしい気持ちなんてない二人は勿論ダブルベッドで一緒に眠ることになった。用意した食事を二人で取って、順番に身体を清める。

 ゴクリっ

 朝を迎えるころには二人の着衣が乱れて指が絡んでいた。

 ***

「え、あ、おめでとうございます」

 お腹が大きくなった二人の男女を見て司祭はため息をつかないようにするのに必死だった。聖地巡礼に行った聖女と神官は旅の途中で行為をして聖女は妊娠してしまった。

「聖地巡礼を行おうとすると妊娠してしまう……何故だ……?」

 次の巡礼する人間が自分の番になった時、司祭は誘惑に負けない事を決意した。35年間童貞でちんこのデカさは22センチ。清貧な食事で肉があまりなく筋肉質な魅惑的な体つきをしている。聖地巡礼が回ってきた時、相手は既婚女性で胸が大きくお尻も大きい。垂れ目の金髪で目元にホクロがある。性欲むんむんで旦那との間に子供はいない。セックスが強引な旦那のちんぽが5センチになってしまったので祈りを捧げて治すためにここにいた。

 元聖女。騎士に犯されて仕方なく結婚したが、聖女妊娠ラッシュで舞い戻って来たのだった。
 ロリコンと自分の事を思っている司祭は絶対に勃起しないタイプだ。

 試合開始48分

「ふっ♡ ふぁ♡ ふぁぁぁああああ♡」

 神様の銅像の前で司祭は既婚女性の中で35年分の精子を射精することに成功した。

「ひ……ぐずっ……神様…申し訳ございません……」

「旦那のよりも気持ちがいい……♡さあ、続きをするわよ!♡赤ちゃん作るのは国民の義務よ♡」

 教会の中にあるベッドの上で二人は交わっていた。
 聖地巡礼は失敗し、聖職者たちは全員処女と童貞を失った。勿論教皇様もだ。
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