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「ユニス、もう終業時間だよ」
「もうそんな時間なんだ」
射精師たちの宿舎に戻るために、集団で歩いていると不穏な気配を感じた。乱れた息遣いや厭らしい視線は、例えようがないくらい不愉快だ。
「ねえ、だれか着いて来ているのかな」
「でも、変な人がいたらハーネスで拘束されるんでしょう。だから、変な人じゃないと思うよ」
そう返事をしたものの、全身に鳥肌が立ってしまうくらい、心がざわついていた。こんな時に、頼りになる人がいてくれれば。心の中でそう思っていたけれど、口には出せなかった。
ただの平民だった私は、小さい頃から特技なんて何もなかった。ただ本を読んでいただけで、頭が特別にいいというわけじゃない。そんなある日、性器の本を読み終えた後に、襲われている美しい女性がいた。隠れて覗き見しているくらいしか出来なくて、怖くて怯えて震えるだけ。
颯爽と現れた女性が、馬乗りになり挿入しようとしていたおちんちんに手をかけると、あっという間に射精をさせた。間抜けな声を出して、倒れた男はそのまま自分が襲われる事になる。
あの瞬間、私は射精師として仕事をしたいと本気で思ったんだ。
「ねえ、さっきから声が近くなってない?」
恐ろしい事を言い出した同僚を見て、私は決意した。
「私、皆が強姦されそうになったら、そいつを逆に襲おうと思う」
「そんな事、非力なユニスに出来るの?」
「やってみないと分からないじゃない。逃げるわよ!」
言い返した後に振り返ると、私達は一気に駆け出した。近道を通って宿舎に戻るために。野太い声が聞こえ、叫ぶながら走ると甲高い声が聞こえた。
「助けて、はじめて奪われて、中出しされちゃう」
「おおおおおおお」
連れ去ろうとする人間が拘束されて、身動きが取れなくなっている。持っていた護身用のナイフで下半身を一瞬で露にすると、そこにあったのは睾丸が大きめのおちんちんだった。
「ぐっ……」
地面に仰向けになった男は、イチモツを天高く掲げると目を見開く。身元を確認するために、同僚たちが身体に触れていると、身体がビクンと震えている。マントのフードで顔を隠した男は目元の下しか顔が見えない。鼻が高くて唇は薄い。
「コイツ、胸が大きくない?」
「多分、変態騎士だよ。あいつら、筋肉鍛えるしか能がないじゃん。これで魔術師なら、ちょっと恥ずかしいよね」
「魔術師で筋肉質って、解釈違いもいいところだよね。でも、このおちんちん、なんか筋肉の量と比例してもちっちゃくない? プークスクス」
馬鹿にしながら虐めていると、草むらの陰から物音が聞こえてきた。ひとりじゃなかった事に身体が強張り、誰一人動けなくなっていた。このままだと皆が孕ませられる。望まない妊娠をすると考えると、その時の私は意識をせずに動いていた。
私の師匠となった、あの時の射精師は、ある程度成長をすると利き手に制限魔法をかけてくれた。
――望まぬ射精は空虚の心を作り出す。相手に勝手に理想を作られ、それを偽ってしまった時、射精師として終わってしまう。
制限魔法を解除するという事は、相手が敵になるという事だ。先ほどから感じる殺気は、仲間を殺してでも、私達に何かするつもりだ。自由や尊厳さえも奪われてしまうだろう。
右手をゆっくりあげると、風圧で相手の服が破れてしまった。相手が反応する前に、神経を研ぎ澄ます。ここが相手の弱いところだ。もう理解してしまった。空気を軽く吸うと、数回だけイチモツを擦る。
「すげえ、あれが射精師師範代から直接指導されたユニスの擦り」
誰かの声が聞こえて振り返ると、全身の水分が弾けでるかのように射精が噴き出ていた。
制限魔法の解除は、こちらの体力を大量に持っていかれる。
でも、それでも皆を守りたかったんだ。
「もうそんな時間なんだ」
射精師たちの宿舎に戻るために、集団で歩いていると不穏な気配を感じた。乱れた息遣いや厭らしい視線は、例えようがないくらい不愉快だ。
「ねえ、だれか着いて来ているのかな」
「でも、変な人がいたらハーネスで拘束されるんでしょう。だから、変な人じゃないと思うよ」
そう返事をしたものの、全身に鳥肌が立ってしまうくらい、心がざわついていた。こんな時に、頼りになる人がいてくれれば。心の中でそう思っていたけれど、口には出せなかった。
ただの平民だった私は、小さい頃から特技なんて何もなかった。ただ本を読んでいただけで、頭が特別にいいというわけじゃない。そんなある日、性器の本を読み終えた後に、襲われている美しい女性がいた。隠れて覗き見しているくらいしか出来なくて、怖くて怯えて震えるだけ。
颯爽と現れた女性が、馬乗りになり挿入しようとしていたおちんちんに手をかけると、あっという間に射精をさせた。間抜けな声を出して、倒れた男はそのまま自分が襲われる事になる。
あの瞬間、私は射精師として仕事をしたいと本気で思ったんだ。
「ねえ、さっきから声が近くなってない?」
恐ろしい事を言い出した同僚を見て、私は決意した。
「私、皆が強姦されそうになったら、そいつを逆に襲おうと思う」
「そんな事、非力なユニスに出来るの?」
「やってみないと分からないじゃない。逃げるわよ!」
言い返した後に振り返ると、私達は一気に駆け出した。近道を通って宿舎に戻るために。野太い声が聞こえ、叫ぶながら走ると甲高い声が聞こえた。
「助けて、はじめて奪われて、中出しされちゃう」
「おおおおおおお」
連れ去ろうとする人間が拘束されて、身動きが取れなくなっている。持っていた護身用のナイフで下半身を一瞬で露にすると、そこにあったのは睾丸が大きめのおちんちんだった。
「ぐっ……」
地面に仰向けになった男は、イチモツを天高く掲げると目を見開く。身元を確認するために、同僚たちが身体に触れていると、身体がビクンと震えている。マントのフードで顔を隠した男は目元の下しか顔が見えない。鼻が高くて唇は薄い。
「コイツ、胸が大きくない?」
「多分、変態騎士だよ。あいつら、筋肉鍛えるしか能がないじゃん。これで魔術師なら、ちょっと恥ずかしいよね」
「魔術師で筋肉質って、解釈違いもいいところだよね。でも、このおちんちん、なんか筋肉の量と比例してもちっちゃくない? プークスクス」
馬鹿にしながら虐めていると、草むらの陰から物音が聞こえてきた。ひとりじゃなかった事に身体が強張り、誰一人動けなくなっていた。このままだと皆が孕ませられる。望まない妊娠をすると考えると、その時の私は意識をせずに動いていた。
私の師匠となった、あの時の射精師は、ある程度成長をすると利き手に制限魔法をかけてくれた。
――望まぬ射精は空虚の心を作り出す。相手に勝手に理想を作られ、それを偽ってしまった時、射精師として終わってしまう。
制限魔法を解除するという事は、相手が敵になるという事だ。先ほどから感じる殺気は、仲間を殺してでも、私達に何かするつもりだ。自由や尊厳さえも奪われてしまうだろう。
右手をゆっくりあげると、風圧で相手の服が破れてしまった。相手が反応する前に、神経を研ぎ澄ます。ここが相手の弱いところだ。もう理解してしまった。空気を軽く吸うと、数回だけイチモツを擦る。
「すげえ、あれが射精師師範代から直接指導されたユニスの擦り」
誰かの声が聞こえて振り返ると、全身の水分が弾けでるかのように射精が噴き出ていた。
制限魔法の解除は、こちらの体力を大量に持っていかれる。
でも、それでも皆を守りたかったんだ。
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