本日をもって、魔術師団長の射精係を退職するになりました。ここでの経験や学んだことを大切にしながら、今後も頑張っていきたいと考えております。

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 ――おっ、おん、おおん、くりゅ、おっ、おっ♡

 男達の嬌声が沢山の部屋から響き渡る。魔術研究所の隣に隣接する宿舎では、毎日同じような甘い声が聞こえている。最初は嫌がる否定的な声や罵倒する声だが、最後はぐっすり眠りの声になる。

 魔術師の甘い声を聞く事が出来るのは、ここにいる一部の人間だけ。
 そう、私達は魔術師の性生活を支える【国家射精師】なのだ。

「今日もいっぱい精液出したね。偉いね」
「ふぁっ、ふああ」
「返事はもう射精で済ませてるから、上の口は聞けるわけないか」
「それ以上やったら、魂抜けてしまう」
「急に話すな。抜くのは精液だけ。舐めた口を聞くなんて、許せん」

 そう言いながら、残りの精液を手コキして尿道から絞り出すと、「おおんっ♡」と気持ちのいい返事が返ってきた。もう、男の意思はない。乾いた呼吸だけで会話をしている。
 宮廷魔術師は、魔術師の中でも特に優秀な人たちで、一生に一度会えたら幸運だ。膨大な魔力を持つ彼らは、自慰をしない代わりに、魔力のコントロールが柔軟に出来るようになっている。膨大な魔力を持つ者は、性欲が強い。魔力純度の高さは、粘りっこい蜂蜜に似ている。魔術師の魔力に群がる人間は絶えないが、その魔力を受け入れるための器は少ない。

 受け入れられる人間の数は限られている。抱かれると魔力酔いを起こしてしまい、娼婦館では出禁にされてしまう。魔力酔いを治すには時間がかかる。効率が悪すぎるお客様だ。
 一昔前までは、悪魔と取引をして行為をして発散していた。ところが悪魔は異世界からやってきた聖女が倒してしまい、性欲の吐く場所が無くなった。悪魔と子供を作っていた魔術師も多く、その子孫たちが生きている。

 国の結界を張って、維持できるだけの魔術師の数は貴重だ。その血を引く子供を作るのは当たり前の事。魔術師を多く輩出する我が国で、魔術師が童貞とは恥ずかしさ極まりないのだ。魔術師の童貞卒業は早く、熟練した魔術師は多くの種をまき散らす。
 では、まき散らせない人はどうすればいいのか。
 だから、射精師という名前の特殊な仕事が出来たのは当然だった。

 射精師とは、その名の通り射精を生業にする人たちの事で、特殊な訓練を重ねて魔力に対する耐久性を上げている。魔力に耐性をつける事は、普通であれば難しい。普段の食事から始まり、運動や勉強など鍛錬を積み、見習い射精師として実践を重ねる。

 生半可な気持ちで、射精師になりたいと思ってはいけない。化物のような下半身を相手にする事で、普通の人間がいいと逃げ出す人も多い。魔術師の給金は高いが。宮廷魔術師になるともっと高いのにだ。魔術師は顔がいいだけで、下半身は性欲が強いブサイクより上回る。

 実際に辞めていく射精師たちは、

「宮廷魔術師のおちんちん相手にするよりも普通のおちんちんを相手にしていた方がいい」

 と立ち去っていく。

 幸せそうな顔をした男が、太ももを開いてだらしなく口を開けている。
 魔術師たちは特定の相手を作ってはいけない。顔が見れないように彼らは顔を隠して射精師に会いにやってくる。相手は決まっておらず、適当に選ばれる。上手い射精師にばかり偏ってはいけない為だと授業で教わった。

 紙に何回射精したのか書き、その紙を筒の中に入れて管に入れると勝手に運ばれる。不穏な気配を感じて振り返ると、届を出したのばかりなのに、また雄々しくなっていた。

「魔獣討伐が終わった後は、みんな起ちやすいのかな」

 ため息をつくと、着慣れた制服を脱いで胸で挟む。こうすると気持ちがいいらしく、すぐに出してくれるはずなのだが――。大きくなる一方で射精してくれる気配がない。柔らかいそれは、生理的に勃起しているだけだった。

 もう疲れていて動けない。挟んだまま俯せで眠りたいけれど、我慢して起き上がりシャワー室に向かった。一度魔術師は眠ると、一日の半分は眠っている。その変わりに無茶が出来るらしく、一週間眠らなくてもいいらしい。
 その分、射精した時に塊として出てしまうのだが。

 借金の金額を思い出しながら、髪の毛を洗っていると妙な視線を感じた。最近、同僚も同じく感じるので、幽霊でも出ているのかもしれない。

 部屋に戻ると魔術師の姿は消えていて、洗浄魔法をかけてくれたのか射精した痕跡が残っていなかった。射精師は魔法が使えない人が多い。ひとりで掃除をするとなったら、壁や天井の汚れを取るだけで一日が終わってしまう。
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