7 / 27
女神の寵愛
しおりを挟む
朝目が覚めるとスッキリしていた。身体の倦怠感がなくなり気分もいい。
ユリウスは自分のベットの上で背伸びをして手をおろしてシーツに触れた。ぬるっとしたモノに触れて布団を捲るとそこには誰かとした行為の跡が残っていた。手を伸ばして匂いを嗅いでみると血と精子の匂い……。
やってしまった。
ユリウスは頭の中で叫び声を上げた。口に出さなくてよかったと思っている。どうしてこんなことになったのだろうか。日頃から疲れていたので、疲労回復に効果的なポーションがあると聞いてお店に行った。購入して飲んだ時から記憶がない。
抱いた女性の感覚はあるが幸福感で満ち溢れる最高の行為だったと思い出せる。女性の顔も名前も覚えていない。どうして行為をしたのだろう。もしかして自分に気があるのでは、と思ったが妊娠して責任を取らせるためだと考えた。
王国騎士団の騎士の周りには、騎士の花嫁になりたいものや爵位にしか興味がない令嬢が集まってくる。女の汚い部分を嫌と言う程見せられたユリウスは女性に興味がなくなった。伯爵令息の彼の元にも令嬢が来たが、次男ということもあり肩をすかして立ち去る令嬢も多かった。
テーブルを見て見ると空になった小瓶が置かれていた。
相手は空気が読める女性のようだ。避妊薬を飲んでから行為をしたのだと思われる。この子瓶を飲んだということは、子供が出来たとしても自分の子供じゃないと否定できる証拠の品になると聞いたことがある。
相手の子は好きでもない男に抱かれて良かったのか。
何もしないまま返しても良かったと思っても、もう遅い。
相手の子が何者か分からない。
……それにしても凄い回数をやったのか色々と凄いことになっていた。
♢
定期的に神殿に行き、呪いがかかっているか加護がなくなっているか確認することになっている。人が気がつくくらいの事ならすぐに行くが、そうじゃない場合は1か月に1回診断に行くことになっている。
行為が行ってから1週間後、診断に行くことになっていたので集団で行くことになった。
神殿の中に入るといつも以上に騎士団の者たちは頭を下げられた。神殿にいる鑑定出来る神官はいつもふんぞり返っているのに、騎士団の元に歩いてやってきた。
珍しいものを見るようにジロジロ見ると、側にいた下級神官を呼び、普段騎士団の前に現れない教皇まで出てきた。
紙を見ると名前を呼ばれる
「お待ちしておりました。こちらにどうぞ」
神殿の中でも一部の人間しか入れない最も神聖な場所になる光の間。神聖力を溜めることが出来る宝石はかつては輝きに満ちていたが、ここ数年で光は小さくなっている。
薄暗い光の間に騎士団は案内された。
普段とは違う場所に戸惑うがたまに案内されると他の騎士が言っている。
名前を呼ばれて宝石に手をかざして見ると、小さな光だったのに周りの人たちが目を閉じてしまうほど輝きだした。
「目が目がぁぁぁぁ」
「素晴らしい光ですな、なくなると思っていたのに光が補充されて喜ばしいことです。女神の寵愛を授かりし騎士様ありがとうございます。」
「相手の男性か女性はどちらにいるのでしょう?」
先に男性と言われて、男とやったと思われているが、それどころではない。ユリウスは女神から寵愛されることは何もしていないのだ。
「女神から寵愛されるにはどのような事をするんですか?」
「騎士様たちは存じませんか、失礼しました。子作りですよ。簡単に言うと交尾をすることです。」
「こづくり、こうび」
心当たりはある。しかし相手が分からない。ユリウスは頭がいっぱいになってしまった。
「今まで文献で見たことがあるのは、女神から愛されたものや女神の化身か女神が処女を捧げたときに寵愛されると言われております。女神もモノが付いているときがあるので、入れられたのかもしれません。モノが付いていると嫉妬深い女神になるので浮気は出来ませんね。」
「で、どなたと交尾したのですか?」
「ユリウス怒らないから答えて見ろ」
「覚えておりません。」
この後当日の事を細かく聞かれて相手を探すことになった。
私服で意識がなくなった場所に行くと声をかけられた。
「あんた大丈夫かい?この前路地裏で体調悪くしていたけれど」
何故路地裏に行くことがあるのだろうか。目の前の恰幅のいい女性が色々教えてくれた。介抱してくれた相手の事も教えてくれたので会いに行くことになった。
ユリウスは自分のベットの上で背伸びをして手をおろしてシーツに触れた。ぬるっとしたモノに触れて布団を捲るとそこには誰かとした行為の跡が残っていた。手を伸ばして匂いを嗅いでみると血と精子の匂い……。
やってしまった。
ユリウスは頭の中で叫び声を上げた。口に出さなくてよかったと思っている。どうしてこんなことになったのだろうか。日頃から疲れていたので、疲労回復に効果的なポーションがあると聞いてお店に行った。購入して飲んだ時から記憶がない。
抱いた女性の感覚はあるが幸福感で満ち溢れる最高の行為だったと思い出せる。女性の顔も名前も覚えていない。どうして行為をしたのだろう。もしかして自分に気があるのでは、と思ったが妊娠して責任を取らせるためだと考えた。
王国騎士団の騎士の周りには、騎士の花嫁になりたいものや爵位にしか興味がない令嬢が集まってくる。女の汚い部分を嫌と言う程見せられたユリウスは女性に興味がなくなった。伯爵令息の彼の元にも令嬢が来たが、次男ということもあり肩をすかして立ち去る令嬢も多かった。
テーブルを見て見ると空になった小瓶が置かれていた。
相手は空気が読める女性のようだ。避妊薬を飲んでから行為をしたのだと思われる。この子瓶を飲んだということは、子供が出来たとしても自分の子供じゃないと否定できる証拠の品になると聞いたことがある。
相手の子は好きでもない男に抱かれて良かったのか。
何もしないまま返しても良かったと思っても、もう遅い。
相手の子が何者か分からない。
……それにしても凄い回数をやったのか色々と凄いことになっていた。
♢
定期的に神殿に行き、呪いがかかっているか加護がなくなっているか確認することになっている。人が気がつくくらいの事ならすぐに行くが、そうじゃない場合は1か月に1回診断に行くことになっている。
行為が行ってから1週間後、診断に行くことになっていたので集団で行くことになった。
神殿の中に入るといつも以上に騎士団の者たちは頭を下げられた。神殿にいる鑑定出来る神官はいつもふんぞり返っているのに、騎士団の元に歩いてやってきた。
珍しいものを見るようにジロジロ見ると、側にいた下級神官を呼び、普段騎士団の前に現れない教皇まで出てきた。
紙を見ると名前を呼ばれる
「お待ちしておりました。こちらにどうぞ」
神殿の中でも一部の人間しか入れない最も神聖な場所になる光の間。神聖力を溜めることが出来る宝石はかつては輝きに満ちていたが、ここ数年で光は小さくなっている。
薄暗い光の間に騎士団は案内された。
普段とは違う場所に戸惑うがたまに案内されると他の騎士が言っている。
名前を呼ばれて宝石に手をかざして見ると、小さな光だったのに周りの人たちが目を閉じてしまうほど輝きだした。
「目が目がぁぁぁぁ」
「素晴らしい光ですな、なくなると思っていたのに光が補充されて喜ばしいことです。女神の寵愛を授かりし騎士様ありがとうございます。」
「相手の男性か女性はどちらにいるのでしょう?」
先に男性と言われて、男とやったと思われているが、それどころではない。ユリウスは女神から寵愛されることは何もしていないのだ。
「女神から寵愛されるにはどのような事をするんですか?」
「騎士様たちは存じませんか、失礼しました。子作りですよ。簡単に言うと交尾をすることです。」
「こづくり、こうび」
心当たりはある。しかし相手が分からない。ユリウスは頭がいっぱいになってしまった。
「今まで文献で見たことがあるのは、女神から愛されたものや女神の化身か女神が処女を捧げたときに寵愛されると言われております。女神もモノが付いているときがあるので、入れられたのかもしれません。モノが付いていると嫉妬深い女神になるので浮気は出来ませんね。」
「で、どなたと交尾したのですか?」
「ユリウス怒らないから答えて見ろ」
「覚えておりません。」
この後当日の事を細かく聞かれて相手を探すことになった。
私服で意識がなくなった場所に行くと声をかけられた。
「あんた大丈夫かい?この前路地裏で体調悪くしていたけれど」
何故路地裏に行くことがあるのだろうか。目の前の恰幅のいい女性が色々教えてくれた。介抱してくれた相手の事も教えてくれたので会いに行くことになった。
11
お気に入りに追加
966
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道
Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道
周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。
女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。
※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※
責任を取らなくていいので溺愛しないでください
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
漆黒騎士団の女騎士であるシャンテルは任務の途中で一人の男にまんまと美味しくいただかれてしまった。どうやらその男は以前から彼女を狙っていたらしい。
だが任務のため、そんなことにはお構いなしのシャンテル。むしろ邪魔。その男から逃げながら任務をこなす日々。だが、その男の正体に気づいたとき――。
※2023.6.14:アルファポリスノーチェブックスより書籍化されました。
※ノーチェ作品の何かをレンタルしますと特別番外編(鍵付き)がお読みいただけます。
冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる