完結 悪女の幼馴染の別れは公爵令息の溺愛の始まり~気弱令嬢で八方美人の悪女の幼馴染辞めました!~

シェルビビ

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2度目の人生は後悔なく生きていく

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 ブーゲンビリア公爵家の屋敷で過ごすうちに、うっかり未来で起こることを話して30歳で死んでしまったことを話してしまった。

 これがきっかけでなくても遅かれ早かれ婚約解消されると思っていたので洗いざらい話した。

「まあ、それでもいいじゃない」
「13歳からやり直す人生?それで未来のわたくしはどうなったのかしら」

 公爵家の夫人たちは未来の自分が知りたいみたいで詰め寄ってくる。しかし私は見たことがないのでありのままのことを話す。

 結婚式でいなかったこと
 屋敷には住んでいなかったこと

「お義母様なら来ないと思いますが、私は結婚式に参加すると思いますよ?」
「あら、呼ばれなかったから行かなかったんじゃありませんか?」

 嫁姑の喧嘩が起こりそうになり、それをアフィンの父と祖父が止める。
 いろんなことを突き詰めて話していくうちに、未来で起こる公爵家の没落について思い出していく。

「新聞で見た内容ですので真実味はないですよ」

 キリエが会計を管理していると自慢していた執務室で裏帳簿の場所を言い当ててしまい真実味が増してしまった。

「アリアちゃんが未来で見てきた一番のお金持ちって誰かしら」

 目が爛々として話しかけてくる公爵家の人々。
 人材確保のための動き出そうとしている……。

「言えませんよ。」
「そうよね、その人と結婚すればお金持ちになれるものね」
「無理ですよ。だってその方は10歳も年下で、異世界からやってくる女性と結婚して下水道工事で成り上がるのですから」

 この一言をきっかけに公爵家の父と祖父が詰め寄ってきた。

 今は3歳か4歳ののギルドレッド・ハーバインは没落寸前の子爵家で育っており、小さい頃から模型の組み立てが得意だった。異常なほどにのめり込んでいく姿は家族から異常に見られてしまい、遠い親戚に預けられる。そこで他国の下水道の作り方を学び、14歳の時に異世界からやって来たエリカ・キリシマがやってくる。遺産で貰った土地で下水道工事をはじめた。エリカが異世界の人間で与えた知識で貰ったお金で始めたらしい。

 ギルドレッドはエリカに課金させていたのだ。

 16歳の頃に国中が病気が流行っている中、2人の土地は流行らない。下水道工事のおかげで衛生面が良くなっていたからだった。

 18歳になるころには国中の工事を任せられるようになり、道路の整備も始めて富豪になっていくのだった。考えられる魔道具も今までにない物で、エリカ・キリシマが主体となって作っていた。

 何故知っているのに関わらないかと言われるとギルドレッド様もエリカ様も両方恐ろしいほど口が悪く機嫌が悪いからだった。

 なんせ二人ともせっかちで職人気質。
 基本的に性格も悪かった。
 そして暴力的だった。


 他にもいい人がいたら名前をあげて、何が起こるのか話しているうちにあっという間に時間が経っていた。どんな病気が流行るのか分かれば対策はとれる、多くの人々は救われる。

 安い給料を貰っていた未来の功績者たちを引き抜いて、高い給料で囲い込むことが出来る。


 アフィンが14歳になると学校に入学した。
 上位貴族だけが入学できる王立アカデミーだった。

「え?貴族学校ではなくこっちですか?」
「わざわざ僕を騙してきたキリエと同じ学校に入学する必要はないよね。それにこれから忙しくなるから飛び級で入学して早く卒業しないといけないんだ」

 肩にぽんと手を置かれてアフィンは休日以外は学校の宿舎で過ごすことになった。

「アフィン、飛び級をもっとして大学まで行きなさい。学費にお金は惜しまないわよ」
「アリアちゃんの事は任せてね。」

 私はアフィン公子の父母と祖父母と暮らすことになってしまった。
 
 30歳で死ぬかもしれないのだから公爵家にいてもいいなと思って日々忙しく過ごしていた。アフィンの両親も祖父母もいい人で沢山の事を教えてくれる。

「アフィン様に婚約者はいないのですか?」
「アリアちゃんがいるじゃない」
「でも私は中身が……30歳の精神年齢ですよ」

 言っていて悲しくなってしまった。30歳で死んでしまったので嘘ではない。

「あら、アフィンは同じ年の子が好きじゃないわよ。昔から苦手意識があるみたいで年上の人と一緒にいるのがいいみたいよ」
「ブーゲンビリア公爵家の血筋は女性が主導となって動いた方がいい時が沢山あるのよね。」
「思い出すと腸が煮えくり返ることでいっぱいになりますわね。特に学生時代や社交界とか……」

 2人の開けてはいけない思い出が爆発しそうになる前に自室に戻ることにした。

 ケーキ屋さんも忙しく、新しく始める事業でも忙しくなりそうだ。

 16歳になった時、久しぶりに会ったアフィンが大人のようになっていた。この時期は前回の16歳を思い出して色々な感情が渦巻いていた。
 私は学校に通っていない。家庭教師を雇ってもらって勉強をしていた。

  16歳になったら結婚してもいい年でアフィンの祖母であるルアンダ様が結婚してもいいと言っている。

「私も賛成ですよ。前回のアリアちゃんの記憶に残らない公爵夫人だったもの。きっと前回の私は孫も見れなかったのね」
「いえ、キリエはアフィン様と結婚していて子供を産んでいませんよ」
「「えっ?」」

 女性同士で話し合いが始まってあれやこれや話していると腑に落ちないことがどうしてもあった。
 どうして30歳で死んだのに記憶が残ったまま過去に来たのか。
 今も、もしかして生きていてこの世界は夢の世界なんじゃないか。

 この世界が夢の世界なら目が覚めて、あの何もない30歳に戻ると思ったら悲しくなってしまった。
 夢の世界でいい、それなら好きな人と結ばれたいと自然に思った。

 そんな時に久しぶりに会ったアフィンの姿は16歳の時、遠くから見ていたアフィンの姿だった。あの頃の私はキリエの影武者の生活をしていて、自分の手柄を取られても悔しい気持ちにならなかった。


 人にやさしくすることでいつか自分に返ってくると思っていた。自分が人の代わりに行動することで、その人が救われると本気で思っていた。

 時間を体力を使って都合のいいように使われただけだった。

 キリエと離れてから、人のために時間を使うと

 自分のために使った方がいい
 少しは休んだ方がいいわ
 リア、あなたは自分に優しくなった方がいい。もうあなたを追い詰める人はここにいないのよ

 これまでの人生を否定されるようだったので怒りを覚えたが皆の言う通りだった。誰かのために動いていないと自分の価値感がなくなっていく感覚だったのだ。

 もうそんなことをしなくてもいい。
 誰かの価値観で自分を見なくてもいい。


 自分のしたいこと?この世界が夢の世界なら、夢の世界じゃなくても。


「子供が欲しい」

 口にしてしまうと今まで我慢していた気持ちが溢れてしまう。このまま公爵家に一生いられるわけがない。有力な貴族令嬢が公爵家の女主人になってみんなと仲良くするかもしれない。
 使用人として傍にいる程度でいい。

「アリアまた空想の世界に入ってる。悪い事考えているでしょう」
「悪かった未来の事思い出していたの。30歳から見たら16歳って子供だと思ったら大人ですね。身長も高くなって、前回よりも筋肉質になってますね」
「鍛えているから、それよりさっき子供が欲しいって聞こえたのだけれど。」

 あっ、しまった。

「僕もアリアの事大好きなんだ。ずっと大好きで子供も欲しいと思っていたんだ。結婚してください、一生大切にしてアリアを煩わしい事から遠ざけるから」
「他の上位貴族の令嬢と結婚して」
「無理。絶対に結婚したくない。僕はアリアとしか結婚しない。アリアは子供が欲しい?」

 手を引いてベットに連れていき押し倒す。

「欲しいに決まっているじゃない。30歳まで誰とも付き合ったことがなくて、ずっと一人で生きてきたのよ。ずっと一人だった……。子供を産んでみたかったって思うことは生物として普通の事なんだから!30歳になったら分かるわよ」
「30歳まで一緒にいよう。後14年もありますね。生物として普通なんですね!そういいましたね。僕も我慢しません」

 アフィンに一本取られてしまった。

 こういうことは学んだことがない。学んだことがないのに体は知っていて何度も身体を重ねた。身体に残る赤い痕や痛みで感動した。

「思春期って凄い。まだ体力がある。これが美しくなると言われる理由なんだわ。凄いわ」
「僕も体力はまだあるよ」

 若いとは凄い事だとアリアは何度も思った。アフィンの帰省する回数も多くなり、自然と二人きりになる時が増えていく。

「アフィン、久しぶりにおじいちゃんと、グッフ!!!!!」
「あなた、そろそろ庭の葉っぱが伸びてきているわよ」
「昨日庭師が来たばかりいいいい」

 空気を読んで目の前から祖父母も父母もいなくなってしまう。すぐに分かってしまったみたいだった。

「防音壁ですよね」
「僕の一族は魔力の流れが分かるので、魔力が少ない人でも何があったのか分かるみたいですよ。体調が悪い時も嘘をつくときもすぐに分かるので安心してくださいね」

 サラっと恐ろしい事を言っているアフィンにアリアは引き笑いをしていた。

 その結果はすぐに出てしまう。

 食事も好意をしたときから徹底的に管理されて、2週間も経つとアリアに隠れて公爵家の執事もメイドも含めて皆で踊り狂っていた。

『医者は何時呼べばいいのですか?』
『1か月では早いから3か月にしよう』
『女医で予約しましょう』
『酸っぱいモノ欲しくなったらレモンを持ってくるわ!搾りたての檸檬ティーを作るわ!』

 ダンスで言葉を語るのでアリアには分からず、アフィンは学業に専念していた。


 ♢


「妊娠してますね。もうすぐ3か月になりますね」

 しばらく体調が悪くなり医者を呼んだ結果は妊娠していた。
 公爵家で久しぶりに全員が揃った時、静まり返った空気の中だった。

 お医者様が帰った後、大喜びの大フィーバーだった。
 全員、外面の仮面は外して踊り狂っていた。アフィンも踊っていた。ブーゲンビリア公爵家は喜ぶと踊ってしまう習性らしい。

 妊娠して勉強が出来ること時はして穏やかに過ごす。

 結婚式は身内だけの結婚式にした。父母がやってきて、いつものように無表情で結婚式の前に少しだけ話す。

「アリア、良かったわね」
「今回はおかしな人間の傍にいなくてよかったね」

 少しだけ優しく微笑んだ両親を見て、前回の両親を思い出した。前回はもっと表情はあったのに今回は怒りしか感情を見せていなかった。

 皆に見守られて結婚式は行われた。国中の職人を集めて作らせたウエディングドレスは誰にも同じ物を作らせることは出来ないだろう。

 出産後に体調が良ければまたしようと言っている。

「新婦は美しいため公爵家で隠している」 

 そんな話が社交界で噂になっている。

 子供が産まれると女の子だった。孫にデレデレになったアリアの父母が遺産はこの子に大量に残すと言って薬師の知識を使ってハートマザーホワイトという更年期障害に効く薬を開発して会社を設立した。
 見事に大ヒットして子爵家は大金持ちになった。

 アリアの事を隠し続けていた公爵家はアフィンが飛び級をして18歳で大学を卒業した。卒業近くになると噂を信じていない貴族から釣書がたくさん届いた。

 それを断るのが面倒だと理由を付けて2回目の結婚式が行われた。
 国で一番大きな結婚式場まで豪華な馬車に乗りウエディングドレスを皆に見せる。真珠で刺繍されたドレスは国費に匹敵するとかしないとか。考えないようにする。

 公爵家の義父に抱っこされているカノンが泣きだしそうになり、アフィンが駆け寄ってあやす場面も見られた。
 大神官様には賄賂をあらかじめ渡していたのか嫌な顔をされなかった。子連れの結婚式なんて普通は表ではしないのでこれを機会に流行って欲しい。
 誓いのキスはミアも含めて3人ですることになった。

 未来は少し変わった。国中で一番のお金持ちはブーゲンビリア公爵家になって、そのお金はギルドレッド・ハーバインや他の未来で有望な若者のために使われる。

 そういえばキリエはどうなっているのか
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