絶倫と噂の騎士と結婚したのに嘘でした。死に戻り令嬢は本物の絶倫を探したら大神官様だった。

シェルビビ

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死に戻り令嬢レティ

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 リオネル・スペンサーの噂を聞いたのは16歳の時だった。貴族令嬢でも庶子のせいで浮いていたから平民の子達と集まって、騎士たちを鑑賞していた。見目麗しい近衛騎士団なんて近づくのも恐れ多い。

 その中でも一番見目麗しいリオネルが、絶倫と聞いた時に平民の子と一緒に悶えたわ。あの甘い顔立ちで絶倫とかギャップにもほどがある。
 娼婦殺しの彼が、聖女に夢中で操を立てる謙虚な心に混乱する者もいた。

 何故絶倫の癖に童貞なのか。意味不明だ。
 私達は二本モノがあり、一本は操を捨てたんじゃないかと結果を出した。

 今思うとバカげた考えだが、セックスしたことがないから想像上で下肢を考えた結果なのだ。遠くで見ているだけで満足している時期があった。

 近づいたら彼は私の事を視界にすら入れてくれなかった。
 スケベ同士仲良く出来そうだと思ったのに。

 あいつは裏切り者だ。スケベに名を恥じる。いや、絶倫に名を恥じる男だ。
 もしも過去に戻れたら、全員の前で絶倫が嘘だと公衆の前でセックスするのに。

 悔しい。まだセックスしてないのに。
 神様、どうかお願いします。

 過去に戻って、リオネルに復讐させてください!


 ♢♢♢


「お嬢様、朝ですよ。とっとと起きてください」

 メイドの雑な扱いに目を覚ますと結婚前に暮らしていた伯爵家の部屋にいた。暴漢に襲われて二度と顔を合せなかったメイドがいた。

 こいつは庶子の私を冷遇していた。目の前にいるとそれよりも腹が立つのは、暴漢だけれどおちんちんを入れられているメイドの存在だ。なんて羨ましいの。眠っているリオネルで鍛えたセックスの指テクで、指圧すると腰が抜けてメイドは潮吹きをした。リオネルは潮吹きすらしてくれなかった。

 艶めかしい声と汚い濁音の声を発すると、床に水溜まりを作る。全く、雑なメイドだわ。静かに潮吹き出来ないのかしら。品がない。

「掃除しといて」

 返事の代わりに床にへたり込んだ音がした。
 何があったのか分からないけれど、確認する必要がありそうだ。部屋を出て行くと父の元に向かった。私はとても腹が立っていた。

「お嬢様っ、お゙っ」

「一人目」

 次々と使用人を潮吹きさせて、父の元に向かった。

 私は父が浮気して出来た子供だ。父は当時の婚約者と上手くいかず、母に婚約者の存在を隠して付き合っていたのだ。婚約者と出来ない行為を父が母にし子供が出来た。そのうち婚約者と上手くいき、母に会わなくなった。
 子供が生まれたことを知らせず、母は一人で子供を育てた。ハキハキして再婚希望者が多かった母は、私に股殺しの指圧を教えてくれた。男女問わず潮吹き出来るツボと気を操る術は、結婚してから眠っている夫を熟睡させる事くらいしか役に立たなかった。

 ――多分、あの時私は死んだのかもしれない。知らない男に殴られて、犯されずに殴られて殺されたんだ。だとしたら、ここは地獄?

 どうしておちんちんに縁がないのだろう。腹が煮えくり返り、父の書斎に辿り着くころには老若男女問わずに潮吹きさせた。私は死ぬ前に潮吹きをした事がないのに。

「あなた何をしているの?」

 振り返ると扇子で口を隠した継母が立っていた。いつもいつも偉そうな継母は、歳を感じさせないハリのある肌と美貌がある。

 どうせ、私は死んでいるんだ。継母に少しはやり返したっていいじゃないか。家にいる間に彼女は意地悪な事を沢山してきた。お腹に力を込めると、継母に近づいて指圧を施し潮吹き100回を体感させた。口から唾液を垂らし気持ちよく眠った継母を見て、やり残したことを一つ達成した気分になった。

 母なら潮吹きをさせても床にシミを作らなかった。本気で潮吹きさせるから濃厚な粘度になるのだとか。

 父の書斎にやっと着きドアを開けた。使用人全員潮吹きさせたことで体力を消耗してしまった。
 癖でドアノブも指圧すると変な音とともに、目の前に文字が浮かび上がる。

 やり残したことがあると過去に戻れる能力が伯爵家の血筋にある。条件は心が童貞処女なこと。

 やり残したこと?ヤリ残したことならある。
 憎い男リオネルに抱かれなかったことだ。

「過去に戻ってきたということは犯せということに違いがないわ。絶倫の看板をぶら下げた嘘つきにはお仕置きが必要だわ。連続10回射精させる癖をつけさせるわ」

 これは復讐のためにする射精改善。絶倫の神に対する祈りのようなものだ。潮吹きのパレード、前奏曲の始まりだ。

 父が屋敷に戻ってきた頃には使用人たちはキビキビ動いていた。継母は父に襲い掛かり部屋に2人きりで過ごした。

 翌朝、私は父と継母を前に真剣な表情をしていた。使用人たちは、また潮吹きさせられると身構えている。昨日の今日で身体を弄られると思っているのか。私も舐められたものだ。

 深呼吸して息を吐くと周囲の使用人たちが「お゙お゙っ」と発して倒れた。
 気持ちよさそうな表情をして眠っている。両親だけ立っている状態で、継母が自分も受けたいと切実な眼差しで見つめている。

 こいつは無視しよう。

「お父様、お願いがあります「ええ、いいわ」

 継母が返事をして両手を広げた。面倒なので手を腹に向かって翳すと「あっひぃぃぃぃぃ♡」と言い残し眠り始めた。突然倒れた継母を抱きしめた父は、下半身が大きくなっていた。

「絶倫騎士団長は勃起不全です。絶倫の名を語り、ちんぽに恥じる行為を見過ごすわけにはいきません。私の絶倫殺しの技で陥落させようと思います」

「お前の好きにせよ」

「もしも勝てたらリオネルを婿にしようと思います」

「出来るのか?」

「出来るのではなくするのです。この行為は全ての騎士団長の下肢の尊厳もかかっているのです。彼らが負けたら、メスにするだけ」

 父は継母を部屋に連れていく。今日もベッドを軋ませるのだろう。
 広い伯爵家に悪魔のような私の笑い声が響く。

 そうだ、あの男を絶対にイカせてあげよう。
 どんなことをしてもイカせてあげよう。
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