完結 ポーション薬師の転生者の私を狙っている騎士団長

シェルビビ

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異世界で大発見をする

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 ペン爺さんのところでポーションを作っているときに、頂き物の果物が箱であった。リンゴの蜜入りで食べないと言われたので全部ありがたく頂いた。

 ペン爺さんは何時ものように我儘な貴族の女性から依頼された、惚れ薬を作っていた。
 勿論そんな効果はない。我儘な貴族の女の性欲を発散させるために媚薬を蓋に塗って女性が手で触れた時に一気に敏感な身体にして犯すのだ。

「ペン爺さんは何人抱いたの?」
「100人から覚えてないなあ。薬師は非戦闘員だから後ろに控えていたから安心されやすいのだ。メスだけがポーションの蓋に触れると反応する媚薬を作って犯しまくった。生意気なメスガキもわしに惚れて失神しながら、ちんぽを咥えていた。大体金も支払わないのに無料で媚薬や惚れ薬何て作るわけないだろう。惚れた女は、貴族の男に売りつけて金を貰った。」

 最低最悪な爺さんだ。
 犯しまくった挙句に男に売りつけてペン爺さんの顔を忘れ去れる。

 これがこの世界の常識だ。男尊女卑を表に出さずに権力者がやりたい放題の世界。

 『エリュシオン』の創造神と初めて会った5歳の時に言われた。
 私は間違って転生したわけでも、神様に呼ばれたわけじゃない。

 自分から選んでこの世界に来たのだと言われた。思い出して見ると両親や同級生と生まれ変わっても絶対に一緒にいたくないと願っていた。
 地球の神様も輪廻の輪から外させて、この世界に魂を任せたわけだ。
 貴族の顔立ちのいい両親はあの後狼に食い殺されたと神様が言う。

 その時とても安心した。

 ああ、よかった。
 子供がこれ以上産まれて犠牲にならなくて。

 薬師をしているが、私はある能力がある。
 異世界転生物ではよくある能力だ。
 無限収納、言語通訳、想像魔法だ。

 果物の箱に手を入れると慣れた手つきでストレージに入れて取り出すと果汁100パーセントを作り出した。ストレージに入れていたコップに出てくる超贅沢仕様でのどを潤す。

 これは売り物になると思ったので、ポーションを入れる瓶をペン爺さんから貰ってストレージに入れて20本作った。ポーションは小さいように思えるがこの世界のポーションは200CCで結構大きい。

 想像魔法で氷を作って冷やすことをイメージしながらテーブルに並べて、トイレに行っていた時だった。
 耳をすませば、声が聞こえてきた。
 トイレに入ったタイミングでいつもやってくる変態受付アーサーだ。

 ペン爺さんの家のお風呂に入った時に私の使用済みのパンツをこっそり盗んで自慰して置いた変態だ。腹がたったのでそのまま履いてポーションを渡しに行ったら、他の男とセックスしたと勘違いして寝込んでいた。

 ざまあみろ。

 後日時間の逆算をして自分の精子が私のおまんこと密着している事を知ったアーサーは自慰後は新しい下着を置いて行ってくれるようになった。
 どうやら自分の精子に嫉妬したらしい。

「ペン爺さん、今日ポーションが足りないんですよ。シエルちゃんはお風呂ですか?あ、おトイレ様ですか。追加で貰えますか?」
「ああ持ってってくれ。シエルが作ってくれたのがある」

 ペン爺さんは顕微鏡で地図から自宅を探すのに忙しく騎士の動きを確認していなかった。テーブルに並べられた瓶を箱に入れて持っていった。

 異世界の絶望的に汚いトイレから戻った私は叫んだ。

「ない!リンゴジュースがない!」
「さっき騎士が持っていたっけなあ。討伐の事を話してないから問題ないだろう。この国は平和だからな」

 ペン爺さんは何も気にしていなかった。
 この国には薬師はいない。多少のミスは許して貰える。
 ペン爺さんは長年続けている薬師だ。他の人たちは薬師のあこがれ最上級ポーションを作るために寄り道をして麻薬を作って投獄されてしまった。

 40年前に一斉に処刑されて以降薬師の成り手がいなくなった。

 急いで走って追いかけたが向こうは騎士で足が速い。
 追いついたころには騎士団の受付のアーサーさんがドアの前に立っていた。

「危ないから帰りなさい」
「アーサーさんも逃げましょう」

 ドアの中からガラスの割れる音や女性の嬌声が聞こえてきた。このままじゃ、犯されると思った私はアーサーさんと一緒に手を繋いで離れた場所から見守っていた。

「シエル、今何歳?」
「言いません!」
「早く結婚したいなあ」

 気持ち悪いので近くにあった木の棒で、アーサーの男性の弱点を叩いてそのまま逃げた。

「あっ♡はぁ~♡シエルぅ~♡♡♡」

 それから3カ月間はペン爺さんが騎士団にポーションを届けに行った。どうやら渡したリンゴジュースのおかげで子供が出来た女性騎士が多くなってやめてしまったらしい。

「畜生!わしが孕ませようと思っていた女騎士も妊娠して辞めてしまった!!妊娠した女性はなんであんなに可愛いんだろう……。」

 つい先日妊娠した令嬢がペン爺さんにお礼を言いにやって来た。最初に出てきた令嬢はペン爺さんのテクニックで素直になったおまんこだ。宅配にやって来た男性とラブラブエッチをして妊娠して出ていったのだ。爺若い男に精子に負けてしまったのだ。

 聞いてみたところ、リンゴジュースを飲んだ数少ない女性たちが飲んだ途端男性を襲って犯しだした。
 アーサーさんは逃げていたみたいだ。

 理性のない本気のセックスをされて、生存本能に目覚めた騎士たちが集団で女騎士を犯してしまった。
 そういう時は誰の子供か分からないが、ロクサ王国には妊娠していても鑑定できる方法がある。

 男性の魔力の性質と子供の魔力の性質が合っているのか確認できる魔道具があるのだ。

 腹筋で割れていたお腹も少し膨らみ男性と一緒に歩く女騎士。
 片思いだった騎士が寂しそうに見ていた。
 どうやら、孕ませセックスをしても他の男の精子に負けて妊娠しなかったみたいだ。

 異世界でも負け精子ってあるんだなあと思った。
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