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消えてしまったロレッタ2

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「ロレッタ?長期休暇の申請を受理したけれど」

 久しぶりに治癒室に向かえばロレッタは出勤していなかった。アパートに向かうと住んでいた部屋は触手と男が住んでいて、以前住んでいた住民はベッドを置いて出て行ったと聞く事になった。

「そういえば、前の住人は妊娠していた気がした。気のせいかもしれないけれど」

「え…………」

 ルキウスはしばらく何も考えることが出来ず、頭がボーっとしていた。ロレッタの事が好きだけれど、無許可で中出しした挙句妊娠させてしまうとは思っていなかった。

 ロレッタを探して徘徊している時、見慣れた少女が遠くにいた。100メートル先にいてもルキウスはすぐに分かる。10年越えの片思いをしている元童貞は色々拗らせているからだ。以前、間違って蹴り飛ばしてしまった石像の前に立っていた。

「出産が上手くいきますように」

 愛おしい少女を後ろから抱きしめて、ルキウスは何度も愛しているを言葉にした。

「子供も大切に育てるから」

「本当にっ…………」

「勿論、俺たちの子供だから」

『ルキウス、大好き! わたちたちのベービーちゃんを養ってくれるって』

 石像の近くにいたお腹の膨れた触手がやってくると近くに黒蛇が寄り添っていた。ルキウスは表情が固まってしまい、弾む声のロレッタに説明を求めた。

「黒蛇と触手が子供を作って、部屋が狭くなって引っ越したのよ。出産が何時になるか分からなくて仕事も長期休暇の申請したの」

「でも、黒蛇はつい先日出産しているところを見たのだが」

「多分、妹じゃない?良かった。妊娠中で沢山食べるから狩りに忙しくて」

「ぴぃっ」

 無数の触手に囲われたルキウスは、ロレッタの引っ越し先に案内された。


 ***


「え、ここは…………」

「侯爵家に触手が妊娠したと報告したら部屋を一室貸してくれることになったのよ。本妻と嫡男が触手好きで育てたいと申し出てくれたから助かったわ。オスとメスで引き取ってくれるんだって。でも、残り98匹あるから大切に育てないとね。彼らは触手ハウスにしたいから領地の屋敷で暮らすから出ていくみたいよ。屋敷の管理はルキウスに任せると侯爵閣下が言っていたわよ」

 いつも厳しい眼差しを向ける本妻たちは触手を見て喜びで奇声をあげて喜んでいる。挨拶もせず、馬車に荷物を詰め込むとそのまま出て行った。聞きなれない単語をたくさん聞いたルキウスは、考えることを辞めた。

 それから侯爵邸は賑やかになった。賑やかで騒がしいせいでセックスする頻度が減ってしまった。

 ロレッタの両親が新しい事業で潤滑油の移動販売を始め、王都で店舗を構えることになり挨拶に来た。2人とも肌が太陽に焼かれて、元の自慢の色白の肌だったころを思い出せない。

「ロレッタちゃん名義の特許、借金取りが差し押さえできなくてお金が溜まっているみたいよ。はい、商人ギルドのカード。それと、あなた妊娠しているのね」

「やっぱり、最近眠いと思っていたのよね。お金があるなら一人で育てようかな」

 女性同士二人きりにしたところ、妊娠している話をはじめていた。ルキウスはロレッタの言動に目が離せない。

「ルキウス結婚してくれないかな。でも、別れ話したから結婚してくれないわ」

「そうなのね。うちで育てたいけれど、店舗兼用で住宅にするけれど空き部屋は潤滑油の在庫でいっぱいにするから住むところがないのよ」

 この後、ルキウスはプロポーズをしようと予定を立てた。
 薔薇の咲き誇る庭園で100本の薔薇を渡してプロポーズしようとした。

「はじめて出会った時から好きだった。貧民街で奉仕活動する君を見て、絶対に結婚すると決めていた。愛してる。結婚して欲しい」

 100本の薔薇を使用人が運んできたが、産まれたての触手の赤ちゃんが食べてしまい途中から溶け始めてしまった。情けない声を出して、泣きそうになっているルキウスをロレッタは優しい瞳で見つめる。

「喜んで!」

 この日から欲望だらけの分身は現れなかった。全裸のルキウスは別れを告げずに2人の前から消えた――。


 そして


「すごい、ヨクちゃんちんぽがすごいよぉ、ベロチューしよ、しようね」

 安定期に入って性欲が強くなったロレッタと合体していた。消えたのは数日だけで、遠征の多いルキウスの代わりに勿論中出しをする。この事についてルキウスは仕方がないと諦めている。黒蛇を怒らせたせいで一生欲望の分身と付き合うことになり、解呪方法も分からない。

「パパになったね。お腹の子供も喜んでいるわ。数日で溜まった精子全部絞り出さないとね」

 服を着た欲望の分身はロレッタを今日も犯している。
 中出しされて幸せそうな顔をしたロレッタのお腹は出産後すぐに新しい命が宿るだろう。
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